- バーコードの構造とは?線と数字の意味・仕組みをわかりやすく解説
- バーコードの構造とは?まず全体像をわかりやすく解説
- まず手元の商品でバーコードの構造を確認してみよう
- バーコードを構成する主な部分と名称
- バーコードの線の太さや白い間隔にはどんな意味がある?
- JANコード13桁の構造と数字の意味
- バーコードの線と下の数字は同じ情報を表している?
- JANコードを見て商品を確認したいときの実践手順
- バーコードはどのような仕組みで読み取られる?
- バーコードが読み取れないのは構造が崩れているから?
- バーコードとQRコードは構造がどう違う?
- バーコードの構造についてよくある疑問
- バーコードの構造でよくある勘違い・失敗をまとめて確認
- まとめ|バーコードはバー・スペース・数字を組み合わせた構造になっている
バーコードの構造とは?線と数字の意味・仕組みをわかりやすく解説
スーパーやコンビニの商品を手に取ると、パッケージの裏側や側面に黒い線と数字が並んだバーコードがあります。
普段はレジで一瞬読み取られるだけなので、「黒い線の中に商品名や値段が入っている」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、日本の商品で広く使われているJANシンボルを見ると、実際には黒いバー、白いスペース、幅の基準となるモジュール、左右の余白、ガードパターン、人が読むための数字など、複数の要素が決められたルールに従って配置されています。
黒い線だけが情報なのではなく、白い部分にも意味があります。
また、一般的なメーカー商品のJANコードには「この商品は198円」という店頭価格が直接入っているわけではありません。
レジはバーコードから商品を識別する番号を読み取り、店舗の商品マスターと照合することで商品名や価格を表示しています。
そのため、同じJANコードの商品でも店によって販売価格が違うことがあります。
この記事では、JANシンボルを中心に、バーコードを実際に手元で見ながら確認できるように解説します。
「線は1本ずつ数字を表しているのか」「45や49なら日本製なのか」「なぜバーコードの横には空白があるのか」「読み取れないときはどこを見ればよいのか」といった疑問まで順番に確認していきます。

バーコードの構造とは?まず全体像をわかりやすく解説
バーコードにはJANシンボル、ITFシンボル、GS1-128などさまざまな種類があります。
スーパーやドラッグストアなどで一般消費者が特によく目にするのがJANシンボルです。
JANシンボルは日本での呼び方で、国際的にはEANシンボルと呼ばれています。
GS1 Japanによると、JANコードは国際的にはGTIN-13またはGTIN-8と呼ばれる商品識別コードです。
それをバーコードリーダーなどで自動的に読み取れる形にしたものがJANシンボルです。
詳しい規格はGS1 Japan「JANシンボル」で確認できます。
バーコードは「バー」と「スペース」の組み合わせでできている
JANシンボルを近くで見ると、黒い線には細いものと太いものがあり、その間の白い部分にも狭いところと広いところがあります。
黒い部分をバー、白い部分をスペースと呼びます。
ここで最初に覚えておきたいのは、バーコードリーダーが黒い線の本数だけを数えているわけではないという点です。
「細い黒線が1なら数字の1、太い黒線が2なら数字の2」という仕組みでもありません。
複数のバーとスペースの幅を組み合わせたパターンによって数字が表現されています。
実物を見るときは、黒い線だけを追うのではなく、その隣の白い空間にも注目してみてください。
黒と白を合わせて1つの情報構造になっていることが、バーコードを理解する第一歩です。
バーコードの下に数字が書かれている理由
バーコードの下には13桁などの数字が印刷されています。
これは人が目で確認できるように表示した目視可能文字で、英語ではHuman Readable Interpretation、略してHRIと呼ばれます。
セルフレジなどで何度スキャンしても反応せず、店員がバーコードの下にある数字を確認したり手入力したりする場面があります。
これはバーのパターンが読めなくても、数字が確認できれば同じ商品識別番号を扱えるためです。
逆に、下の数字が一部かすれていても、バーとスペースが正常ならスキャナーで読み取れる場合があります。
バーとスペースは機械向け、下の数字は人間向けと考えると役割の違いが分かりやすいでしょう。
日本の商品でよく使われるJANコードとは
日本国内でJANコードと呼ばれているものは、国際標準の商品識別コードであるGTINの一種です。
一般的な商品では13桁のGTIN-13が広く利用されています。
表示スペースが限られる小さな商品では、条件を満たした場合に8桁のGTIN-8が利用されます。
ここで「JANコード」と「JANシンボル」を分けて考えると理解しやすくなります。
JANコードは数字で表された商品識別番号、JANシンボルはその番号を機械で読み取れるバーコードにした表示です。
詳しくはGS1 Japan「GS1事業者コード・GTIN(JANコード)とは」で確認できます。
まず手元の商品でバーコードの構造を確認してみよう
バーコードの説明は用語だけで読むと分かりにくいため、手元にあるペットボトル、お菓子、洗剤、ティッシュなどの商品を1つ用意して実際に確認してみると理解しやすくなります。
| 確認する順番 | 見る場所 | 分かること |
|---|---|---|
| 1 | 黒い線と白い間隔 | バーだけでなくスペースも含めて情報を表していることが分かります。 |
| 2 | バーコードの左右 | 線の外側に余白が確保されていることを確認できます。 |
| 3 | 中央付近 | 通常の数字を表す部分とは違う特徴的なガードパターンがあります。 |
| 4 | バーコードの下 | 人が確認できる13桁または8桁の数字があります。 |
| 5 | 数字の先頭と末尾 | 45・49などの先頭部分や、最後のチェックデジットを確認できます。 |
特に分かりやすいのが左右の余白です。
商品によっては余白が狭く見えるものもありますが、バーのすぐ隣まで文字や絵が入り込んでいないことを確認してみてください。
この何もない部分も、読み取りに必要なバーコード構造の一部です。
バーコードを構成する主な部分と名称
黒い部分「バー」と白い部分「スペース」
一般的なJANシンボルでは黒い部分がバー、白い部分がスペースです。
バーコードリーダーは両者の明暗差を利用してパターンを読み取ります。
白地に黒いバーがよく使われるのは、明暗の差を確保しやすいからです。
GS1 JapanもJANシンボルの印刷について、白地に黒いバーが最も望ましいと案内しています。
特に赤系統の色をバーに使用すると読み取れなくなることがあるため、避ける必要があります。
「デザインに合わせて赤いバーコードにしたら見栄えが良いのでは」と考えることがありますが、見た目だけで色を決めるのは失敗例の1つです。
商品用バーコードを作成する場合は、単に人間の目で濃く見えるかではなく、読み取り機器から見た反射特性まで考える必要があります。
最小単位となる「モジュール」
バーコードの幅を理解するときの基本単位がモジュールです。
GS1 Japanによると、JANシンボルでは1つの数字を表す部分を7つのモジュールで構成し、その中で2本の黒バーと2本の白バーを組み合わせて数字を表現します。
標準的な1.0倍サイズでは、1モジュールの幅は0.33ミリメートルです。
JANシンボルは基本寸法の0.8倍から2.0倍までの範囲で縮小・拡大が規定されており、モジュール幅では0.264ミリメートルから0.660ミリメートルとなります。
ここで起こりやすい失敗が、画像編集ソフトで横方向だけを縮めることです。
「ラベルにあと少しで収まりそうだから横幅だけ90%にしよう」と変形すると、規定された幅の関係が崩れてしまいます。
バーコードは写真やロゴのように自由に縦横比を変えてよい画像ではありません。
左右に必要な余白「クワイエットゾーン」
バーコードの左右にある何も印刷されていない部分はクワイエットゾーンと呼ばれます。
GS1 Japanの資料ではマージン、余白部という表現も使われています。
一見すると使われていない無駄なスペースに見えますが、バーコード本体と周囲を読み取り装置が区別するために必要です。
たとえば自分で商品管理用のラベルを作り、バーコード画像の黒線ぎりぎりまでトリミングして印刷したとします。
元の画像では正常に読めていたのに、切り抜いたラベルでは読み取りにくくなることがあります。
この場合、線そのものではなく左右の余白を削ってしまったことが原因になっている可能性があります。
左右と中央にあるガードパターン
JANシンボルには、数字を表すデータ部分とは別に、両端と中央に特徴的なガードパターンがあります。
中央のパターンは左右のデータ領域を区切ります。
ここで「左側の長い線がスタートで、右側が必ずストップ」とだけ覚えてしまうのは避けましょう。
ガードパターンは、データを表す通常のバーとは異なるバーコードの位置や区切りを認識するための特別なパターンと考える方が分かりやすくなります。
人が確認するための数字「目視可能文字」
バーコードの下にある13桁または8桁の数字は、人が商品識別番号を確認するために表示されています。
商品名が似ている2つの商品を見分けるときにも役立ちます。
たとえば同じメーカーの同じシリーズで、「500ミリリットル」と「2リットル」の商品があったとします。
パッケージデザインがよく似ていても、別の取引単位として扱われるため、それぞれ異なるGTINが設定されます。
ネットショップで型番や容量を確認するときも、JANコードまで比べると取り違えを防ぎやすくなります。

バーコードの線の太さや白い間隔にはどんな意味がある?
黒い線だけでなく白い部分にも情報がある
バーコードを紙に印刷したものを見ると、どうしても黒い線に目が行きます。
しかし、読み取りに必要なのは黒い部分だけではありません。
黒から白へ変わる位置、白がどのくらい続くか、その後どこで黒に戻るかという一連の変化が情報になります。
そのため、黒線を避けて白い隙間にペンで文字を書いたとしても、「黒い線には触れていないから大丈夫」とは限りません。
スペース部分に黒い汚れが入れば、本来とは異なるバーやスペースとして認識される原因になります。
線の太さではなく「幅のパターン」で数字を表している
JANシンボルでは、1つの数字を7モジュールの組み合わせで表します。
重要なのは1本の黒線の太さではなく、黒いバーと白いスペースを合わせた全体の幅の並び方です。
たとえば同じ太さに見える黒線が別の場所にあっても、それだけを見て同じ数字だとは判断できません。
その前後にどの幅のスペースやバーが配置されているかによって意味が変わります。
数字ごとにバーとスペースの並び方が決められている
0から9までの数字には、それぞれ決められた符号パターンがあります。
さらに13桁タイプのJANシンボルでは左右で符号化方法が異なり、先頭の数字も含めて全体の規則によって13桁の番号が表現されます。
したがって、バーコードを13個に区切って「ここが1桁目、次が2桁目」と黒線だけを目視で追う方法では読み解けません。
ガードパターンと左右のデータ領域を含めて1つの構造になっています。
JANコード13桁の構造と数字の意味
日本の商品でよく見る13桁のJANコード、GTIN-13は、GS1事業者コード、商品アイテムコード、チェックデジットによって構成されています。
JANコード13桁はどのように構成されている?
GS1 Japanが案内している現在のGTIN-13の体系では、GS1事業者コードには9桁、10桁または7桁があり、それぞれに商品アイテムコードと最後のチェックデジットを組み合わせます。
| GS1事業者コード | 商品アイテムコード | チェックデジット | 合計 |
|---|---|---|---|
| 9桁 | 3桁 | 1桁 | 13桁 |
| 10桁 | 2桁 | 1桁 | 13桁 |
| 7桁 | 5桁 | 1桁 | 13桁 |
よくある古い説明として「JANコードは最初の7桁がメーカーコードで、次の5桁が商品コード」と固定して説明しているものがあります。
現在はGS1事業者コードの桁数が1種類ではないため、すべてのJANコードを一律にその区切り方で分解することはできません。
GS1事業者コードとは
GS1事業者コードは、GTINなどのGS1識別コードを設定するために事業者へ貸与される番号です。
国際的にはGS1 Company Prefixと呼ばれます。
GS1 Japanでは45または49で始まる事業者コードを貸与しています。
ただし、商品のバーコードを見ただけで「ここまでの数字が必ず会社を表す」と固定桁数で切ることはできません。
事業者コードの桁数に複数の種類があるためです。
商品アイテムコードとは
商品アイテムコードは、その事業者が扱う商品を区別するために設定する部分です。
「会社ごとに同じ商品番号を使う」のではなく、取引上区別する必要がある商品ごとにGTINを設定します。
具体的には、同じ飲料でも500ミリリットルと2リットル、同じ菓子でも通常味と別の味、同じ衣料品でも色やサイズが違う場合など、取引上別商品として扱われるものには異なるGTINが設定されます。
GS1 Japanも商品名、色、容量、素材、香り、味、販売単位などが異なる場合には、原則として異なるGTINを設定すると案内しています。
特に分かりやすい例が内容量変更です。
たとえばジュースが500ミリリットルから475ミリリットルへ変わった場合、商品表示上の正味内容量が変更されるため、新しいGTINを設定する必要があります。
詳しくはGS1 Japan「正味内容量を変更した場合」で確認できます。
最後の1桁「チェックデジット」とは
JANコードの最後の1桁はチェックデジットです。
前に並ぶ数字を決められた計算式で処理して算出します。
読み取りや入力時の誤りを検出するための仕組みです。
たとえば13桁を手入力するときに1桁打ち間違えれば、計算上のチェックデジットと一致しなくなり、番号に誤りがあることを検出できます。
一方で、「チェックデジットが合っているから正規品」という判断はできません。
計算式さえ満たしていれば数字として整合しているというだけで、商品そのものの真贋を保証する仕組みではないからです。
公式の計算方法はGS1 Japan「チェックデジットの計算方法」で確認できます。
「45」「49」から始まるバーコードは何を意味する?
日本の商品で45や49から始まるJANコードをよく見かけるのは、GS1 Japanから貸与されるGS1事業者コードが45または49で始まるためです。
ここで最も注意したいのが、「45・49=日本製」ではないということです。
GS1も、GS1 Prefixは商品の原産国を示すものではないと明確にしています。
日本企業が海外の工場で製造した商品でも、日本で設定されたGTINが表示されることがあります。
45・49の意味と製造国を混同しやすい場合は、バーコードの国番号で日本は何番か、45・49と原産国の違いも確認すると整理しやすくなります。
45・49を見て製造国を知りたいときの確認手順
-
バーコードの先頭だけで製造国を決めない
45または49で始まっていても、日本で製造された証拠にはなりません。 -
商品パッケージの原産国表示を探す
食品、衣料品、輸入品などでは商品に応じた表示を確認します。 -
製造者・販売者・輸入者を確認する
「日本企業の名前が書いてある=国内製造」とは限りません。販売者と製造場所は別の情報です。 -
JANコードの事業者情報を確認したい場合は公式サービスを使う
GTINを設定した事業者や、登録されている商品情報はVerified by GS1で確認できます。
この手順を踏むと、「45だから日本製」「海外の番号だから外国製」というバーコードだけに頼った判断を避けられます。
バーコードの線と下の数字は同じ情報を表している?
バーコードリーダーが読み取っているのはバーとスペースのパターン
JANシンボルでは、バーとスペースで表された機械可読情報と、その下の数字は基本的に同じGTINを表しています。
一般的なレーザー式のバーコードリーダーは、光を当てたときの反射の違いを利用してバーとスペースを判別します。
画像式のスキャナーでは、カメラで取得した画像から明暗パターンを解析します。
つまり、スキャナーは通常、下に書かれた13桁の数字をOCRのように読んでいるわけではありません。
数字が見えていてもバー部分が大きく破損すれば読み取れないことがあります。
下の数字は読み取れないときの確認・手入力にも使われる
一方、下の数字は人間が番号を確認するときに役立ちます。
レジで読み取れないときだけでなく、通販で同じ商品か確認したいときにも使えます。
たとえば、ネットショップAとネットショップBに似た商品が掲載されていて、商品写真だけでは旧型と新型を区別しにくい場合があります。
両方の商品ページにJANコードが記載されていれば、番号を比較することで同じ商品かどうかを確認する材料になります。
JANコードを見て商品を確認したいときの実践手順
「手元の商品がネットに掲載されている商品と同じか知りたい」「バーコード番号から何の商品なのか確認したい」という場合は、数字を眺めて意味を推測するのではなく、次の順番で確認すると効率的です。
-
バーコード下の数字を左から最後まで確認する
13桁ならGTIN-13、8桁ならGTIN-8の可能性があります。途中の数字だけではなく全桁を確認します。 -
数字の写し間違いを確認する
0と8、3と8など、印刷が小さいと読み間違えることがあります。スマートフォンで拡大撮影すると確認しやすくなります。 -
商品名だけでなく容量・色・サイズまで比較する
商品名が同じように見えても、500ミリリットルと2リットルでは別のGTINになります。 -
公式データを確認したい場合はVerified by GS1を利用する
Verified by GS1では、GTINから登録されている商品情報やGTINを設定した事業者情報を確認できます。 -
登録情報だけで原産国や真贋まで断定しない
GTINは商品識別のためのコードです。商品の製造国や正規品であることを自動的に証明するものではありません。
バーコードはどのような仕組みで読み取られる?
光の反射差がどのように数字データへ変換されるのかを順番に確認したい場合は、バーコード読み取りの仕組みと黒い線・白いすき間を認識する流れでも具体例を交えて解説しています。
白は光を強く反射し、黒は反射が弱い
一般的な白地に黒いバーのJANシンボルでは、白いスペースは光を比較的強く反射し、黒いバーは反射が弱くなります。
スキャナーはこの差を利用します。
このため、肉眼で「一応黒と白に見える」だけでは十分とは限りません。
背景の模様が透けている、黒が薄い、光沢が強すぎるといった状態では読み取り性能が低下することがあります。
反射光の変化を信号に変換する
レーザー式ではバーコード上を光で走査し、戻ってくる光の強弱をセンサーで捉えます。
白から黒、黒から白へ変わる位置と、その間隔からバーとスペースの幅を判定します。
画像式ではカメラでバーコードを撮影し、画像処理によって同じように明暗の境界やパターンを解析します。
スマートフォンでJANコードを読み取れるアプリも、基本的には画像からバーコードのパターンを認識しています。
読み取った番号を商品データと照合する
スキャナーがJANシンボルから読み取る中心的な情報はGTINです。
その番号をPOSシステムの商品マスターと照合し、商品名や販売価格を呼び出します。
この仕組みを知ると、「バーコードの線の中に値段が書き込まれている」という誤解も解けます。
同じ商品が店Aでは148円、店Bでは168円でもJANコードが同じことがあるのは、店頭価格を各店舗のシステム側で管理できるためです。

バーコードが読み取れないのは構造が崩れているから?
レジやスマートフォンでバーコードを読み取れないと、「印刷が薄いからだろう」と考えがちですが、原因はバーの欠損だけではありません。
余白、印刷サイズ、変形、配色、曲面、光沢など複数の原因があります。
バーコードの一部が欠けたり汚れたりしている
擦れや傷によって黒いバーが途切れるだけでなく、白いスペースに黒い汚れが付くことも読み取りの妨げになります。
特に注意したいのは、JANシンボルをQRコードと同じ感覚で扱わないことです。
QRコードには誤り訂正機能がありますが、JANシンボルにQRコードと同じような誤り訂正機能があるわけではありません。
大きく破損しても自動的に復元してくれると考えない方がよいでしょう。
クワイエットゾーンが不足している
バーコードを画像として切り抜くときに最も起こりやすい失敗の1つが、左右の余白まで削ってしまうことです。
「黒い線が全部残っているから大丈夫」と思っても、必要なクワイエットゾーンが不足していれば読み取りに影響する場合があります。
商品ラベルを作成する場合は、バーだけでなく周囲の余白も残してください。
拡大・縮小や印刷のにじみでバーの幅が変わっている
JANシンボルの基本寸法1.0倍ではモジュール幅が0.33ミリメートルで、標準タイプでは左右に必要な余白を含め横37.29ミリメートル、縦25.93ミリメートルが基本寸法です。
GS1 Japanでは基本寸法の0.8倍から2.0倍までの拡大・縮小を規定しています。
したがって、「スペースに入らないから横幅だけ半分にした」という加工は避ける必要があります。
バーコード作成時の寸法や配色についてはGS1 Japan「GTIN(JANコード)の作成手順」で確認できます。
光沢や曲面で読み取りにくくなることがある
バーコード自体に傷がなくても、ペットボトル、缶、円筒形の容器などでは曲面によって読み取りにくくなることがあります。
透明フィルムや光沢の強い包装も、光の反射によって読み取りを邪魔する場合があります。
セルフレジで読み取れないときに商品を少し傾けると突然読めることがあります。
これは、傾けることでバーコード面とスキャナーの角度が変わり、強い反射や湾曲の影響が小さくなることが一因として考えられます。
バーコードが読めないときの確認チェックリスト
| 確認箇所 | よくある状態 | 試すこと |
|---|---|---|
| 黒いバー | 擦れ、欠け、印刷かすれ | 別の角度で読み取り、数字が読める場合は番号を確認します。 |
| 白いスペース | 汚れ、ペン跡、シール | 除去できる汚れなら表面を傷付けないように確認します。 |
| 左右の余白 | 文字や枠線が近すぎる | 自作ラベルなら余白を確保したデータに作り直します。 |
| サイズ | 極端に縮小されている | 規定範囲に収まっているか確認します。 |
| 形 | 横方向だけ変形している | 縦横比を勝手に変更せず元データから作り直します。 |
| 色 | 赤系のバー、低コントラスト | 白地に黒バーなど読み取りやすい配色を検討します。 |
| 包装 | 強い光沢、曲面、しわ | スキャンする角度や位置を少し変えてみます。 |
バーコードとQRコードは構造がどう違う?
一次元コードと二次元コードの情報量や用途の違いまで比較したい場合は、2次元コードとバーコードの違い・QRコードとの関係や使い分けも参考になります。
バーコードは横方向に情報を持つ一次元コード
JANシンボルのような一般的なバーコードは一次元コードに分類されます。
バーとスペースの幅を横方向へ読み取ることで情報を取得します。
商品識別番号を高速に読み取り、POS、在庫管理、受発注などで利用する用途に適しています。
QRコードは縦横に情報を持つ二次元コード
QRコードは正方形のセルを縦方向と横方向に配置する二次元コードです。
一次元バーコードより多くの情報を格納でき、URL、数字、文字などさまざまなデータを扱えます。
QRコードの3隅にある大きな四角形は位置検出パターンで、向きや位置を認識するために利用されます。
QRコードの基本的な仕組みについてはデンソーウェーブ「QRコードとは?」で確認できます。
QRコードには誤り訂正機能がある
QRコードには、汚れや破損があっても一定範囲でデータを復元する誤り訂正機能があります。
誤り訂正レベルにはL、M、Q、Hの4段階があります。
ただし、「QRコードなら半分破れても必ず読める」という意味ではありません。
破損位置や状態によっては読み取れない場合があります。
詳細はデンソーウェーブ「誤り訂正機能について」で確認できます。
保存できる情報量や用途にも違いがある
| 比較項目 | JANシンボル | QRコード |
|---|---|---|
| 分類 | 一次元コード | 二次元コード |
| 情報の配置 | 主に横方向 | 縦・横方向 |
| 主な用途 | 商品識別、POS、在庫管理など | URL、各種データ、情報案内など |
| 誤り訂正 | QRコードと同様の誤り訂正機能はない | 4段階の誤り訂正レベルがある |
| 商品パッケージでの例 | レジで商品を識別する | 商品サイトやキャンペーンページへ案内する |
バーコードの構造についてよくある疑問
バーコードの線は1本ずつ数字を表している?
いいえ。
1本の黒い線と1つの数字が対応しているわけではありません。
JANシンボルでは、1つの数字を表す部分は7モジュールを基本とし、2本の黒バーと2本の白バーの幅の組み合わせで表現されます。
「黒い線を13本探せば13桁が分かる」という仕組みではありません。
バーコードの数字だけでも商品を特定できる?
GTINが正しく分かり、その番号に対応する商品データベースがあれば商品を確認できます。
ただし、13桁の数字だけを見て商品名、原材料、販売価格などを暗号のように読み解けるわけではありません。
商品を確認したい場合は、Web検索だけでなくVerified by GS1を利用すると、登録されているGTINの商品情報やGTINを設定した事業者情報を確認できます。
バーコードには商品の値段も入っている?
一般的なメーカー商品のGTIN-13を表すJANシンボルには、通常の店頭販売価格そのものが直接格納されているわけではありません。
POSが商品番号を読み取り、店舗の商品マスターに登録された価格を表示します。
ただし、「どんなバーコードにも価格は絶対に入らない」と言い切るのも正確ではありません。
たとえば日本の書籍JANコードは2段構成で、2段目に図書分類と税抜き本体価格が表現されています。
詳しくはGS1 Japan「書籍JANコード」で確認できます。
バーコードの先頭番号は製造国を表している?
いいえ。
45または49から始まるからといって、日本で製造されたことを意味するわけではありません。
よくある失敗は、海外旅行先で購入した商品や輸入食品を見て、「バーコードが45だから日本製のはず」と判断してしまうことです。
バーコードの先頭と原産国は分けて考えてください。
製造国や原産国が知りたい場合は、商品パッケージ上の原産国表示、製造者、輸入者などを確認するのが基本です。
同じ商品ならバーコードも必ず同じになる?
同じ取引単位として扱われる商品には同じGTINを使用するのが基本ですが、「商品名が同じに見えるからJANコードも同じ」とは限りません。
たとえば同じ商品名でも、500ミリリットルと2リットル、10個入りと20個入り、赤と黒、通常味と限定味など、取引上別の商品として扱うものには異なるGTINを設定します。
一方で、パッケージの図柄を少し変更しただけなど、商品を別の取引単位として区別する必要がない変更では、必ずしもGTINを変更するわけではありません。
「パッケージが違う=必ず別JAN」と判断しないことも重要です。
バーコードが正しければ商品は本物?
バーコード番号の形式やチェックデジットが正しくても、それだけで商品の真贋を証明することはできません。
バーコードは商品などを識別するための仕組みであり、真正性を保証する証明書ではありません。
ブランド品や高額商品を確認するときは、JANコードだけでなく、メーカー公式情報、販売店、製品固有のシリアル番号や認証方法などを併せて確認してください。
バーコードの構造でよくある勘違い・失敗をまとめて確認
| よくある勘違い | 実際はどうなのか |
|---|---|
| 黒い線だけに情報がある | 白いスペースの幅も情報を構成しています。 |
| 黒い線1本が数字1つを表す | 複数のバーとスペースのパターンで数字を表します。 |
| 45・49なら日本製 | 日本で貸与されたGS1事業者コードに関係しますが、原産国を示すものではありません。 |
| バーコードの中に商品名が入っている | 一般的なJANシンボルではGTINを読み取り、データベースから商品情報を呼び出します。 |
| 一般的なJANコードには販売価格が入っている | 通常は店舗の商品マスター側で販売価格を管理します。 |
| バーコード画像は自由に縮小してよい | JANシンボルには規定された寸法範囲があります。 |
| 左右の白い部分は削ってよい | クワイエットゾーンは読み取りに必要です。 |
| チェックデジットが合えば本物 | 確認できるのは番号の整合性であり、商品の真贋ではありません。 |
| JANコードもQRコードのように欠損を復元する | QRコードのような誤り訂正機能を前提にはできません。 |
まとめ|バーコードはバー・スペース・数字を組み合わせた構造になっている
日本の商品で広く使われるJANシンボルは、単に黒い線を並べたものではありません。
黒いバー、白いスペース、モジュール、左右のクワイエットゾーン、ガードパターン、目視可能文字などが組み合わされ、商品識別番号であるGTINを機械で読み取れるようにしています。
特に覚えておきたいのは、黒い線だけではなく白い部分にも意味があることです。
1本の線が1つの数字を表しているのではなく、複数のバーとスペースの幅の組み合わせによって数字が表現されています。
13桁のJANコード、GTIN-13は、GS1事業者コード、商品アイテムコード、最後のチェックデジットから構成されています。
45や49から始まる番号をよく見かけますが、それだけで「日本製」と判断することはできません。
製造国や原産国を調べたい場合は商品表示を確認し、GTINを設定した事業者や登録商品を確認したい場合はVerified by GS1を利用すると目的を分けて調べられます。
また、バーコードが読み取れないときは黒い線の傷だけを見るのではなく、白いスペースの汚れ、左右の余白、画像の変形、印刷サイズ、配色、光沢、容器の曲面まで順番に確認すると原因を切り分けやすくなります。
手元にある商品を1つ取り出して、まず「黒いバー」「白いスペース」「左右の余白」「下の数字」の4か所を見比べてみてください。
普段何気なく見ていたバーコードが、余白まで含めて細かく設計された情報構造であることが分かりやすくなるでしょう。


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