- クレジットカードの店側手数料はいくら?決済手数料の相場・誰が払う・上乗せできるか解説
- クレジットカードの店側手数料はいくら?まず結論
- クレジットカードの店側手数料を金額で計算するといくらになる?
- 主要な決済サービスでは店側手数料はいくら?
- クレジットカードの店側手数料は誰が払って誰が受け取る?
- カード売上から店に実際いくら入金される?
- 店側がクレジットカード手数料を客に上乗せしてもいい?
- クレジットカード手数料で利益がどれくらい減る?粗利で考える
- 店主が実際に迷いやすいケース別に判断してみる
- カード手数料を上乗せせず店側の負担を減らす方法
- 個人店がクレジットカード決済を導入するときの確認手順
- 店側手数料を比較するときに見落としやすい費用
- 「手数料が安いサービス」を選んだのに損する失敗例
- 自分の店ではどの条件を優先する?店舗タイプ別の判断基準
- クレジットカードの店側手数料に関するよくある質問
- まとめ|クレジットカードの店側手数料は料率だけでなく年間総額で判断する
クレジットカードの店側手数料はいくら?決済手数料の相場・誰が払う・上乗せできるか解説
クレジットカードの店側手数料は、加盟店がカード決済を受け付けるために負担する費用です。「カード払いされると店は何%取られるの?」「1万円売ったら実際はいくら残る?」「カードのお客さんだけ手数料を上乗せしてもいい?」と疑問に思う店主や個人事業主も多いでしょう。
2026年9月3日時点の主要な店舗向け決済サービスを見ると、条件を満たす事業者向けには1%台後半から2%台の料率があり、通常プランでは3%台の料率もあります。つまり、「クレジットカードの店側手数料は一律3%」ではありません。カードブランド、年間決済額、業種、プランなどによって変わります。
たとえば1万円をカードで決済し、手数料率が3.24%なら手数料は単純計算で324円です。月のカード売上が100万円なら32,400円となるため、1回の決済では小さく見える差でも、月間・年間では大きな経費になります。
一方で、最も低い料率だけを見て契約するのも危険です。月額利用料、端末費、振込手数料、入金サイクル、低料率プランの適用条件などを含めると、「料率が低いサービス=自分の店で最も安いサービス」とは限らないからです。

クレジットカードの店側手数料はいくら?まず結論
店側が負担する決済手数料は売上に料率を掛けて計算するのが基本
クレジットカードの加盟店手数料は、カード決済された金額に契約上の料率を掛けて算出する方式が一般的です。
たとえば決済額が10,000円、料率が3.24%なら324円、2.5%なら250円です。同じ10,000円の売上でも74円の差が出ます。
74円だけを見ると小さく感じますが、同じ差が1か月に100回発生すれば7,400円です。年間なら88,800円になります。
店側の手数料を見るときは「1回いくら」だけでなく、月間のカード売上総額に料率を掛けて考えると負担感が分かりやすくなります。
2026年9月時点では1%台後半から3%台まで幅がある
現在の主要サービスを見ると、Airペイの通常のクレジットカード決済手数料は3.24%で、条件を満たし審査を通過した対象ブランドには2.48%のディスカウントプログラムがあります。
Airペイ公式「費用・料金・手数料・端末」、Airペイ「決済手数料ディスカウントプログラム」で最新条件を確認できます。
Squareは、年間キャッシュレス決済額3,000万円未満で主要カードブランドによる対面決済などの条件を満たす場合2.5%です。条件外の場合は3.25%以上またはカスタム手数料となる場合があります。
stera packのスモールビジネスプランではVisa・Mastercardが1.98%、JCB、American Express、Diners Club、Discoverが2.48%です。ただし対象となる事業者や業種、売上条件があります。
楽天ペイ実店舗決済では、中小加盟店向けのスタンダードプランが2.20%、ライトプランが2.48%、通常料率が3.24%です。
最安の数字だけを「相場」と考えるのではなく、自店がその料率の対象になるかまで確認する必要があります。
客が1万円払っても店に1万円がそのまま残るとは限らない
顧客がカードで10,000円を支払った場合、顧客側の買い物金額は通常10,000円です。一方、加盟店側は契約している決済会社との精算で決済手数料を負担します。
| 決済金額 | 手数料率 | 手数料の概算 | 手数料控除後の金額 |
|---|---|---|---|
| 10,000円 | 1.98% | 198円 | 9,802円 |
| 10,000円 | 2.50% | 250円 | 9,750円 |
| 10,000円 | 3.24% | 324円 | 9,676円 |
実際にはサービスごとの端数処理や、月額料金、振込関連費用などもあるため、銀行へ振り込まれる金額がこの表と完全に一致するとは限りません。
クレジットカードの店側手数料を金額で計算するといくらになる?
1,000円・5,000円・10,000円・50,000円で比較
2.5%と3.24%を使って、実際の販売金額ごとの手数料を比べると次のようになります。
| カード売上 | 2.5%の場合 | 3.24%の場合 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 25円 | 32.4円 |
| 5,000円 | 125円 | 162円 |
| 10,000円 | 250円 | 324円 |
| 50,000円 | 1,250円 | 1,620円 |
1,000円程度の少額決済では数円の差ですが、美容室、家電販売、宿泊など客単価が高い業種では、1件の決済だけでも数百円の差になることがあります。
月のカード売上30万円・100万円・300万円で比較
| 月間カード売上 | 2.5%の場合 | 3.24%の場合 | 月間差額 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 7,500円 | 9,720円 | 2,220円 |
| 100万円 | 25,000円 | 32,400円 | 7,400円 |
| 300万円 | 75,000円 | 97,200円 | 22,200円 |
月300万円のカード売上がある店なら、2.5%と3.24%の差は年間266,400円です。
このように、カード売上が増えるほど「0.1%くらいなら気にしなくてもいい」とは言いにくくなります。一方でカード売上が少ない店では、料率差より月額固定費の有無のほうが大きく影響する場合があります。
主要な決済サービスでは店側手数料はいくら?
| サービス | 主な公開料率 | 確認したい条件 |
|---|---|---|
| Airペイ | 通常3.24%、対象条件を満たす場合2.48% | 対象ブランドごとの審査・プログラム条件 |
| Square | 条件を満たす主要ブランドの対面決済2.5% | 年間キャッシュレス決済額など |
| stera pack | スモールビジネスプラン1.98%・2.48% | 対象業種、企業規模、売上条件 |
| 楽天ペイ実店舗決済 | スタンダード2.20%、ライト2.48%、通常3.24% | 中小加盟店要件、月額料金、プラン条件 |
Squareの最新料金はSquare公式「料金体系」、stera packは三井住友カード「stera pack料金・プラン」、楽天ペイは楽天ペイ店舗向け「各種ブランドの決済手数料」で確認できます。
stera packは1.98%だけを見て決めない
stera packのスモールビジネスプランでは、Visa・Mastercardが1.98%という低い料率になっています。
ただし中小企業者向けで、たばこ店、百貨店、旅行代理店、宿泊施設、運輸、不動産など一部対象外業種があります。また、直近1年間のVisa・Mastercardの売上が2,500万円を超えた場合はスタンダードプランへ変更される条件があります。
サービス利用料は1年間0円ですが、2年目以降は端末1台あたり月3,300円です。直近1年間の累計キャッシュレス売上が3,000万円以上の場合には、サービス利用料が永年無料になる条件も案内されています。
さらに、振込先が三井住友銀行なら振込手数料0円、それ以外の銀行は220円です。
「1.98%だから一番安い」で終わらず、自店がスモールビジネスプランの対象か、2年目の固定費はいくらかまで計算することが必要です。
楽天ペイはスタンダードとライトの損益分岐を計算できる
楽天ペイのスタンダードプランは2.20%で月額2,200円、ライトプランは2.48%で月額0円です。
単純にクレジットカード決済手数料と月額料金だけを比べ、すべてのカード売上にそれぞれの料率が適用されると仮定すると、料率差は0.28ポイントです。
2,200円÷0.0028で計算すると、月間カード売上が約78万6,000円で月額料金と料率差がほぼ同額になります。
つまり、通常月額が適用される時期で、ほかの条件を同じと仮定すれば、月間カード売上が約78万6,000円より少ない店ではライトプラン、これを上回る店ではスタンダードプランの料率差が有利になる可能性があります。
ただし、これは決済手数料と月額費だけを比較した単純な試算です。実際には対象条件、決済ブランド、キャンペーンなどを確認してください。
2026年9月3日時点では、スタンダードプランについて2026年9月30日までの申込を対象とした月額0円キャンペーンが案内されており、条件を満たす場合は2026年12月分まで月額0円、2027年1月分から通常月額が発生する予定です。楽天ペイ公式の申込・料金案内で最新情報を確認してください。
Squareは店頭とネットショップで手数料が違う
Squareでは、年間キャッシュレス決済額3,000万円未満などの条件を満たす主要カードブランドの対面決済が2.5%です。一方、オンライン決済は3.6%です。
つまり、実店舗でSquareを使っている店がネットショップを始めた場合、店頭の2.5%をそのままネット販売の原価計算へ使うとズレが生じます。
実店舗とECを両方運営する場合は、販売チャネル別に手数料を分けて計算すると利益を把握しやすくなります。

クレジットカードの店側手数料は誰が払って誰が受け取る?
加盟店が契約している決済事業者へ負担するのが基本
顧客がクレジットカードで商品を購入したとき、加盟店側は契約するアクワイアラーや決済代行事業者などを通じて売上金の精算を受けます。
カード決済の仕組みにはカード発行会社、加盟店契約会社、国際ブランドなど複数の事業者が関係しますが、小規模店舗がVisaやMastercardへ取引ごとに直接手数料を送金するという意味ではありません。
「売上10万円なのに入金が96,760円」は必ずしも入金ミスではない
たとえば10万円のカード売上に3.24%の決済手数料がかかり、売上金から手数料を差し引いて振り込む契約なら、手数料は3,240円です。
銀行口座への入金が96,760円だった場合、「3,240円足りない」と慌てる前に決済サービスの精算明細を確認しましょう。
Squareは、決済手数料を銀行口座へ売上金を振り込む前に差し引くと案内しています。Squareヘルプ「Squareの手数料について」で確認できます。
カード売上から店に実際いくら入金される?
税込金額で決済した場合は実際に処理した取引総額を確認する
本体価格10,000円、消費税1,000円で顧客が11,000円をカード決済した場合、「手数料は本体10,000円だけにかかる」と思い込まないようにしましょう。
Squareでは税金などを含む総取引額から決済手数料を計算すると公式ヘルプで説明しています。
11,000円に3.24%を掛けるなら単純計算で356.4円です。実際の端数処理はサービスのルールによります。
自店で手数料を試算するときは、帳簿上の税抜価格ではなく、決済端末で実際に処理する金額を基準に契約先の算定方法を確認するとズレを防ぎやすくなります。
決済手数料の消費税は「全部同じ」と決めつけない
国税庁は、信販会社が加盟店から債権を譲り受け、その債権額と加盟店への支払額との差額として受け取る手数料について非課税と説明しています。
一方、実際の決済サービスにはさまざまな契約形態や決済手段があります。
Airペイはクレジットカード決済手数料を非課税と表示し、Squareも同社の決済手数料を不課税と案内していますが、自店の会計処理では利用しているサービスの明細を確認してください。
国税庁「クレジット手数料」では、国税庁が示す具体的な取引関係を確認できます。
返金したときの決済手数料も確認する
返品や予約キャンセルが多い店では、通常の決済手数料だけでなく返金時の扱いも重要です。
Squareでは、元の取引日から原則1年以内のカード決済などについて払い戻しが可能で、払い戻し処理自体に追加手数料はかかりません。また、返金可能な決済方法で払い戻した場合には決済にかかった手数料も返金されると案内されています。
ただし交通系ICではSquare上で払い戻しできず、現金返金を行った場合も決済手数料は返金されません。
返金条件はSquareヘルプ「お客さまへの払い戻しを管理する」で確認できます。
ホテル、美容室、予約制サービス、ネットショップなどキャンセルが起こりやすい業種では、「決済するとき何%か」だけではなく「返金すると何が戻るか」まで契約前に確認しておくと安心です。
店側がクレジットカード手数料を客に上乗せしてもいい?
「カード払いは3%増し」は加盟店規約に注意
店側が3%前後の手数料を負担していると、「カード客だけ3%追加すれば店の負担はなくなる」と考えたくなるかもしれません。
しかし、クレジットカード手数料の上乗せについては、単純に法律だけを見て判断せず、契約しているカード会社・アクワイアラー・決済サービスの加盟店規約を確認する必要があります。
JCBは、加盟店との契約で手数料の上乗せ行為を禁止していると明記しています。JCB「カードで支払うと手数料がかかると言われました」で確認できます。
三井住友カードも加盟店向けの解説で、カード決済時のみ利用者へ手数料を上乗せする行為は加盟店規約違反に該当すると説明しています。三井住友カード「クレジットカードの決済手数料」も参考になります。
「カードは5,000円以上から」も自己判断で決めない
たとえば客単価800円の喫茶店では「少額決済までカードにされたら手数料がもったいない」と感じることがあります。
そこで「カードは5,000円以上」と設定したくなるかもしれませんが、JCBは加盟店との契約でカード取扱いの金額や時間帯に制限を設けることを禁止しています。
JCB「加盟店から金額や時間帯によってカードの利用を断られるのはなぜですか?」で確認できます。
他店が行っているから大丈夫と考えず、自分が契約した加盟店規約を確認してください。
クレジットカード手数料で利益がどれくらい減る?粗利で考える
売上の3%と利益の3%は違う
店側にとって特に重要なのが、手数料を売上ではなく粗利との関係でも見ることです。
売価10,000円、粗利率50%の商品なら粗利は5,000円です。決済手数料を3%の300円とすると、売上に対しては3%ですが、粗利に対しては6%です。
一方、同じ10,000円の商品でも粗利率20%なら粗利は2,000円です。300円の決済手数料は粗利の15%に相当します。
| 売価 | 粗利率 | 粗利 | 手数料300円の粗利に対する割合 |
|---|---|---|---|
| 10,000円 | 50% | 5,000円 | 6% |
| 10,000円 | 30% | 3,000円 | 10% |
| 10,000円 | 20% | 2,000円 | 15% |
薄利の商品を扱う店ほど「たった3%」とは感じにくい理由が分かります。
店主が実際に迷いやすいケース別に判断してみる
ケース1|月のカード売上30万円の小さなカフェ
月商80万円、そのうちカード売上が30万円程度のカフェを想定します。
カード売上30万円なら、2.5%で月7,500円、3.24%で9,720円です。差は月2,220円、年間26,640円です。
この規模では、料率を0.74ポイント下げるために毎月3,000円以上の固定費が増えるなら、単純な総額ではかえって高くなる可能性があります。
小規模店舗では、低料率だけでなく月額0円、振込手数料、端末費も大きな判断材料になります。
ケース2|月100万円をカード決済する美容室
客単価10,000円で月100人がカード決済し、カード売上が100万円ある美容室を想定します。
2.5%なら月25,000円、3.24%なら32,400円で、差は7,400円です。1年間では88,800円になります。
このくらいのカード売上になると、月額固定費が多少発生しても低い料率のプランが有利になるケースが出てきます。
ただし美容室では予約変更や返金が生じることもあるため、料率だけでなく返金処理のしやすさも確認したいところです。
ケース3|月200万円のカード売上がある飲食店
月のカード売上200万円なら、2.5%で50,000円、3.24%で64,800円です。毎月14,800円、年間177,600円の差になります。
この規模なら料率差の影響は大きくなりますが、飲食店では毎週の食材仕入れや給与支払いもあります。
たとえ料率が安くても、入金サイクルが自店の資金繰りに合わなければ運転資金が苦しくなることがあります。
飲食店では「何%か」と「何日に入るか」をセットで比較することが重要です。
カード手数料を上乗せせず店側の負担を減らす方法
まず現在の年間カード手数料を出す
乗り換えを考える前に、現在1年間でいくら払っているかを確認します。
たとえば毎月100万円のカード売上、手数料率3.24%なら、年間カード売上は1,200万円、単純計算の決済手数料は388,800円です。
候補サービスが2.5%なら年間300,000円で、料率だけなら88,800円下がります。
そこへ新サービスの月額料金、端末費、振込手数料などを足して、それでも安くなるかを確認します。
「年間総コスト」の式を作る
比較するときは次の考え方が分かりやすいです。
年間総コスト=年間カード売上×決済手数料率+年間月額料金+端末費+振込関連費用
この式を候補サービスごとに当てはめれば、広告に表示された最安料率だけに引っ張られにくくなります。
低料率の適用条件から外れた場合も確認する
現在は中小事業者向けの低料率プランを利用できても、売上が増えたり事業条件が変わったりすると、別プランへ変更される場合があります。
「今年は安い」だけでなく、年間売上が増えたときに何%になるのかも契約前に確認しておくと、成長後に突然コストが増えることを把握しやすくなります。
個人店がクレジットカード決済を導入するときの確認手順
- 月のカード売上見込みを出す。月商ではなく、実際にカードで払われそうな金額を想定します。
- 候補サービスの自店適用料率を確認する。広告の最安料率ではなく、自分の業種・売上条件で適用される数字を使います。
- 月間・年間の手数料を計算する。カード売上に料率を掛けて年間負担を出します。
- 固定費を足す。月額利用料、端末費、振込手数料などを加えます。
- 入金日を確認する。家賃、給与、仕入れ代の支払いより前に必要な資金が入るかを見ます。
- 返金条件を確認する。決済手数料が戻るか、返金期限があるかを確認します。
- 解約条件を確認する。端末の返却、最低利用期間、違約金などをチェックします。
- 加盟店規約を読む。手数料上乗せや最低利用金額を独自に設定してよいと思い込まないようにします。

店側手数料を比較するときに見落としやすい費用
「端末0円」が本当に無条件なのか確認する
「端末無料」「初期費用0円」と書かれていても、端末の所有権が店に移るとは限りません。
貸与方式の場合は解約時の返却が必要なことがあります。紛失や故障時の費用、契約終了時の返却条件まで確認してください。
月額料金を12倍して年間負担を見る
月額3,300円なら1年間で39,600円です。
料率を下げたことで年間20,000円しか節約できないのに月額料金が39,600円増えるなら、決済手数料だけを見た乗り換えでは総費用が増えます。
入金サイクルを確認する
Airペイは対面決済について月3回または6回などの入金サイクルを案内しており、振込手数料はすべての銀行で0円としています。
stera packも複数の入金サイクルを用意しています。
資金繰りが重要な個人店では、手数料率だけでなく「売上が何日後に現金化されるか」も重要です。
「手数料が安いサービス」を選んだのに損する失敗例
失敗1|広告の最安料率が自分にも適用されると思った
「1.98%」「2.20%」と大きく表示されていても、すべての加盟店がその料率になるとは限りません。
業種、年間決済額、中小企業者の条件などを見落とすと、申込後に想定していた料率と違うことがあります。
失敗2|月額料金を計算に入れていなかった
カード売上が月20万円しかない店舗では、0.3ポイントの料率差は月600円です。
そのためだけに月2,000円以上の固定費が増えるなら、単純計算では得になりません。
失敗3|キャンペーン料金を永年料金だと思った
「月額0円」と表示されていても、期間限定キャンペーンの場合があります。
契約前にはキャンペーン中・キャンペーン終了後・2年目以降の3つの料金を確認すると失敗しにくくなります。
失敗4|手数料が高いのでカード客だけ3%増しにした
店の利益を守るつもりでも、カード利用者だけ価格を高くすると加盟店規約に抵触する場合があります。
料金を見直すなら、契約先の規約を確認したうえで、カード客だけに負担させるのではなく店舗全体の価格設計として考える必要があります。
失敗5|少額決済を勝手に断るルールを作った
「1,000円以下は現金のみ」のようなルールも、契約しているブランドや加盟店規約によって問題になる場合があります。
少額決済の負担が気になるなら、まず自店の加盟店規約と実際の年間手数料を確認してください。
自分の店ではどの条件を優先する?店舗タイプ別の判断基準
| 店舗タイプ | 優先して確認したい条件 |
|---|---|
| 開業したばかりの個人店 | 月額固定費、端末費、解約条件 |
| カード売上が多い店 | 決済料率、低料率適用条件、年間総コスト |
| 飲食店 | 入金サイクル、会計速度、タッチ決済 |
| 美容室 | 高単価決済の手数料額、返金・取消方法 |
| 観光客が多い店 | 対応ブランド、海外発行カード、タッチ決済 |
| ネットショップ併設店 | オンライン決済料率、返金、不正利用対策 |
たとえば月20万円しかカード売上がない新規店舗なら、0.1%の差より月額固定費0円のほうが重要になることがあります。
反対に月500万円をカード決済する店なら、0.1ポイントでも月5,000円、年間60,000円の差になるため、細かな料率差を比較する価値が高くなります。
クレジットカードの店側手数料に関するよくある質問
クレジットカードの手数料は店と客のどちらが払うのですか?
加盟店手数料は基本的に店側が契約している決済事業者へ負担します。カード利用者が分割払いやリボ払いなどで負担する手数料とは別のものです。
カードで1万円売ったら店にはいくら残りますか?
決済手数料率3.24%で他の控除がないなら324円が手数料となり、9,676円が手数料控除後の金額です。
2.5%なら250円で9,750円です。実際の振込額については月額料金や振込関連費用、精算方法も確認してください。
クレジットカードの店側手数料は経費にできますか?
事業上の売上を得るために負担する決済手数料は、一般に事業上の費用として処理する対象になります。
個人事業主について国税庁は、総収入金額を得るために直接要した費用や、その年に生じた販売費、一般管理費などを必要経費としています。
具体的な勘定科目や消費税区分は契約内容などによって確認してください。国税庁「必要経費の知識」も参考になります。
個人事業の支払いと私用を分けて管理したい場合は、個人事業主のクレジットカードの選び方と経費管理の考え方もあわせて確認できます。
個人店は大手チェーンより手数料が高いのですか?
必ず高いとは限りません。大規模加盟店には取扱高などに応じて個別条件が設定されることがありますが、中小事業者向けに1%台後半や2%台の公開プランもあります。
「個人店だから3%台しか選べない」と決めつけず、自店が低料率プランの対象か確認してください。
カード払いだけ料金を高くしてもいいですか?
加盟店規約を確認する必要があります。JCBは加盟店との契約で手数料上乗せを禁止しています。三井住友カードも加盟店向け案内で、カード利用者だけへの手数料上乗せは規約違反に当たると説明しています。
「カードは5,000円以上から」と決めてもいいですか?
自己判断ではなく契約先の規約を確認してください。JCBでは加盟店との契約で、カード取扱いについて金額や時間帯による制限を禁止しています。
少額決済でも同じ料率ですか?
取引金額に一定の料率を掛ける契約では、少額決済でもその料率に基づいて手数料が計算されます。
最低手数料など独自条件があるかどうかは、自店が契約するサービスで確認してください。
返金すれば決済手数料も必ず戻りますか?
サービスと決済方法によって異なります。
Squareでは返金可能なカード決済などについて決済手数料も返金されると案内していますが、交通系ICのように扱いが異なる決済方法もあります。
返品やキャンセルが多い店では、返金方法を契約前に確認しておきましょう。
決済サービスを変更すれば必ず安くなりますか?
必ず安くなるわけではありません。
料率が3.24%から2.5%になっても、新たに月額料金や端末費用が発生すれば、カード売上の少ない店では年間総額が増える場合があります。
クレジットカード決済を導入しない店があるのはなぜですか?
利益率が低い、現金客が中心、手数料負担が重い、端末管理を増やしたくない、入金サイクルが合わないなど理由はさまざまです。
一方、カードが使えないことで購入をやめる顧客がいる可能性もあるため、「現金だけなら手数料0円だから必ず得」とも言い切れません。
まとめ|クレジットカードの店側手数料は料率だけでなく年間総額で判断する
クレジットカードの店側手数料は、加盟店がカード決済を受け付けるために負担するコストです。2026年9月3日時点では、条件を満たす店舗向けに1%台後半から2%台の料率があり、通常プランでは3%台の料率もあります。
店側が最初に行うべきなのは、「一般的な相場は何%か」を知るだけではなく、自店の月間カード売上へ実際の料率を掛けることです。
月のカード売上が100万円なら、2.5%で25,000円、3.24%で32,400円です。これだけでも年間88,800円の差になります。
そのうえで、月額料金、端末費、振込手数料、入金サイクル、返金条件、低料率プランの条件を追加してください。
契約・乗り換え前には、次の順番で確認すると比較しやすくなります。
- 自店の月間カード売上を確認する
- 自店に実際に適用される料率を確認する
- 1年間の決済手数料を計算する
- 月額料金・端末費・振込費用を加える
- 入金日と返金条件を確認する
- 低料率プランから外れた場合の条件も見る
- 解約・端末返却条件を確認する
- 手数料上乗せや最低利用金額に関する加盟店規約を確認する
また、手数料が高いからといって、カード利用客だけ料金を上乗せしたり、独自に最低利用金額を設定したりすると、契約先の加盟店規約に抵触する場合があります。
「何%が最安か」ではなく、「自分の店なら1年間で実際に何円負担し、その費用でどの決済機能や入金条件を得られるのか」まで比べることが、クレジットカードの店側手数料を判断するときの最も実用的な基準です。


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