バーコードの国番号「88」はどこの国?意味と見分け方をわかりやすく解説

社会
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バーコードの国番号「88」はどこの国?意味と見分け方をわかりやすく解説

スーパーやドラッグストアで商品を手に取ったとき、バーコードの下の数字の先頭に「88」が並んでいるのを見て、「これってどこの国の製品なんだろう?」と気になったことはないでしょうか。インターネット上では「88は〇〇国」などと断定する情報もありますが、実は「88=ひとつの国」ではなく、88で始まる複数の国・地域の番号帯が存在します。また、そもそもバーコードの「国番号」は製造国そのものを示すものではないという点も誤解されがちです。

この記事では、バーコードの国番号(プレフィックス)の基本的な仕組み、「88」で始まる番号帯に割り当てられている主な国・地域、さらに「88だから危険」「品質が悪い」といったよくある誤解まで、やさしく解説していきます。バーコードの意味を正しく理解しておけば、ネット上の断片的な情報に振り回されず、冷静に商品を選べるようになります。

商品パッケージに印刷されたバーコードをクローズアップし、先頭に「88」が付いた数字部分を強調した写真。無料素材サイトで入手できるバーコードのイメージ画像。
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バーコードの国番号「88」はどこの国?基本の仕組みを解説

バーコードの「国番号(プレフィックス)」とは?

まず押さえておきたいのは、バーコードの先頭に付いている数字のまとまりは、一般に「GS1事業者コードのプレフィックス」と呼ばれるものだという点です。世界共通のバーコード規格であるEANコード / JANコードは、GS1(ジーエスワン)という国際非営利組織によって管理されており、各国・地域のGS1機関に対して「000〜999」の番号帯が割り当てられています。

日本の一般的なJANコードでは、先頭の「45」「49」といったプレフィックスが「GS1 Japan(日本のGS1機関)で登録されたコード」であることを示します。同じように、ヨーロッパやアジア各国にもそれぞれ番号帯が割り当てられています。プレフィックスは通常先頭3桁で見ることが多く、「〇〇〇〜〇〇〇」というレンジで各国・地域のGS1機関に配分されています。

「88」が割り当てられている国・地域はどこ?

ここでポイントになるのが、実際の割り当ては「88」という2桁だけではなく、「880」「885」「888」「890」といった3桁のプレフィックス単位で行われているという点です。88で始まる主なGS1プレフィックスには、次のようなものがあります。

  • 880:韓国のGS1機関(GS1 Korea)
  • 884:カンボジアのGS1機関
  • 885:タイのGS1機関
  • 888:シンガポールのGS1機関
  • 890:インドのGS1機関
  • 893:ベトナムのGS1機関
  • 896:パキスタンのGS1機関
  • 899:インドネシアのGS1機関

このように、「88」で始まる番号帯はアジア各国のGS1機関にまたがって割り当てられているため、「88=どこか一つの国」という見方は正しくありません。商品に印刷されたバーコードから情報を読み取るときは、必ず先頭3桁(例:880、885、888など)で確認する必要があります。

JANコードとEANコードの違いについて

日本で使われている「JANコード」は、国際規格の「EANコード」の日本版です。どちらも仕組みはほぼ同じで、13桁(または8桁)の数字から構成されています。先頭のプレフィックス部分の見方も共通しており、バーコードの国番号のルールは世界共通と考えて問題ありません。

つまり、「88」で始まるバーコードであっても、それが日本国内の商品であれば、単に海外のGS1機関で付与されたコードを利用しているだけという可能性もあります。この点を理解しておくと、「見慣れない番号だから不安」という気持ちを持たずに、落ち着いてバーコードを読み取れるようになります。

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バーコードで国番号「88」を見分ける方法

バーコードの先頭3桁の読み方

実際に商品を手にしたとき、「88」が含まれているバーコードを見分けるには、バーコード下の数字の先頭3桁に注目します。たとえば次のような並びの場合です。

  • 880 1234 567890:韓国のGS1機関で登録された事業者コード
  • 885 9876 543210:タイのGS1機関で登録された事業者コード
  • 888 1111 222233:シンガポールのGS1機関で登録された事業者コード

いずれも「88」で始まっていますが、実際に意味を持つのは880/885/888といった3桁単位です。通販サイトの商品画像などでバーコードが写っている場合も、この3桁をチェックすれば、どの国のGS1機関で登録されたコードなのかをある程度推測できます。

メーカーコードと国番号の関係

バーコードのプレフィックス(先頭3桁)の後ろには、メーカーコード(事業者コード)が続きます。これはメーカーや販売会社ごとにGS1機関から付与される番号で、プレフィックス+メーカーコードで「どの事業者が登録したコードか」を一意に識別できるようになっています。

たとえば、「885 1234 〜」というコードであれば、「885」はタイのGS1機関で登録された番号帯、「1234」はその中の特定のメーカーを表す番号、といった形です。このように、国番号はあくまでGS1機関の所属を示すラベルであり、メーカーコードとセットで初めて意味を持ちます。

「88」と表示される代表的な商品カテゴリ

「88」で始まるバーコードは、アジア各国の輸入食品、飲料、日用品、化粧品など、さまざまなカテゴリで見かけます。たとえば、韓国コスメのパッケージには「880〜」で始まるバーコードが印刷されていることが多く、タイ産のスナック菓子や調味料には「885〜」のバーコードが付いていることがよくあります。

ただし、これらの商品が必ずしもその国だけで製造されているとは限りません。中国やベトナムなど他国の工場で生産されたうえで、韓国やタイの企業が輸入・企画を行い、その企業のGS1コードが使われているケースもあります。このように、商品カテゴリから国番号をざっくり推測することはできても、「88だから〇〇製」と断定することはできない点に注意が必要です。

バーコードの構造を分解して、先頭3桁の国番号・メーカーコード・商品コードの位置関係を日本語で示した図解イラスト。無料素材サイトで作成・入手できる説明用図。
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バーコードの「88」は製造国を示すとは限らない理由

“国番号=製造国” ではない仕組み

ここがもっとも誤解されやすいポイントですが、GS1が公式に明言している通り、プレフィックスは製造国(原産国)を示すものではありません。プレフィックスはあくまで「どの国・地域のGS1機関がその事業者コードを発行したか」を示すだけであり、商品自体の生産地とは必ずしも一致しません。

たとえば、日本企業が中国の工場で製造した商品を、シンガポールの関連会社経由で世界展開し、そのシンガポール法人のGS1コード(888〜)を使って商品を登録する、といったケースもありえます。この場合、バーコードは「888〜」で始まりますが、製造国は中国、販売会社はシンガポール法人、日本企業が企画…というように、国が複数またがる形になります。

国番号は「登録された国のGS1機関」を示すだけ

プレフィックスを正しく理解するうえで重要なのは、「国番号=GS1機関の所在国であって、工場の住所ではない」という点です。GS1は各国・地域ごとに事務局(GS1 Japan、GS1 Koreaなど)を持ち、そこに加盟した企業に対して事業者コードを発行しています。

つまり、プレフィックスを見てわかるのは「このバーコードはどのGS1機関から事業者コードを取得した会社が登録したか」ということだけです。原材料の原産地、工場の所在地、最終的な組み立て国といった情報は、バーコードを見ただけでは判断できません。

実際の製造国を確認する際の注意点

実際に製造国を確認したい場合は、パッケージ表示の「原産国」や「製造国」表記を見るようにしましょう。食品であれば「原産国名」「製造者」「販売者」といった欄があり、そこに国名や住所が明記されていることが多いです。

もし原産国や製造国がどうしても気になる場合は、バーコードではなく、ラベル表示・品質表示・企業の公式サイトを参考にするのが正しい確認方法です。バーコードの国番号を、製造国や品質の良し悪しの判断材料としてそのまま使ってしまうと、誤解や偏見につながるおそれがあります。

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バーコードの国番号「88」に関するよくある誤解

「88だから危険」「品質が悪い」は本当?

ネット上では、「このバーコードは88だから危険」「この国の製品は品質が低い」といった断定的な言説が見られることがあります。しかし、先に説明した通り、プレフィックスは製造国でも品質ランクでもありません。88で始まるバーコードの商品にも、高品質なものもあれば、ごく一般的な品質のものもあり、日本のコードを使っている商品でも品質には大きな差があります。

品質を判断する際は、バーコードの先頭数字だけでなく、メーカーの実績・口コミ・安全基準への対応など、複数の情報を組み合わせて判断するのが現実的です。バーコードの数字だけを根拠に、国や企業を一括りに評価してしまうのは避けたほうがよいでしょう。

並行輸入品・OEM商品のケース

「88で始まるバーコードなのに、パッケージは日本語表記」という商品もあります。これは、海外のメーカーが製造した商品を、日本の販売会社が並行輸入品として扱っているケースや、OEM商品としてブランド名だけ変えて販売しているケースなどが考えられます。

このような商品では、バーコードのプレフィックスは海外のGS1機関の番号のまま使われていることが多く、日本の「45」「49」が付かないからといって問題があるわけではありません。むしろ、海外市場向けの商品仕様をそのまま輸入していることが多く、成分や内容量が現地仕様のままの場合もあります。

国番号が同じでも品質に差が出る理由

同じ「880」や「885」のバーコードであっても、品質や価格帯が大きく異なる商品が存在します。これは、プレフィックスが共通でも、メーカーコードやブランドが異なれば、企画・品質管理・価格戦略がまったく違うためです。

たとえば、韓国コスメの中にも高価格帯のプレミアムブランドと、ドラッグストア向けの低価格ブランドが共存していますが、どちらも「880」で始まるバーコードを使っていることがあります。品質や安全性をチェックする際は、プレフィックスではなく、ブランドや製造元の情報を基準に判断することが大切です。

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国番号「88」のバーコードが使われる主な国・地域一覧

国番号「88」の割り当て状況

ここまで解説してきたように、バーコードの先頭にある数字は、正確にはGS1プレフィックスと呼ばれ、各国・地域のGS1協会ごとに割り当てられています。「88」で始まるプレフィックスはアジア地域に多く割り当てられており、代表的な国・地域は次の通りです。

  • 880:韓国(GS1 Korea)
  • 884:カンボジア(GS1 Cambodia)
  • 885:タイ(GS1 Thailand)
  • 888:シンガポール(GS1 Singapore)
  • 890:インド(GS1 India)
  • 893:ベトナム(GS1 Vietnam)
  • 896:パキスタン(GS1 Pakistan)
  • 899:インドネシア(GS1 Indonesia)

このように、「88」で始まるプレフィックスは1つの国を指す番号ではなく、アジアの複数の国・地域に分散して割り当てられている番号帯です。また、88から始まるすべての3桁が使われているわけではなく、881〜883、886〜887、889、891〜892、894〜895、897〜898などは現時点では未割り当て(将来用やGS1の内部管理用)とされています。

そのため、バーコードを見て「先頭が8だから韓国製」「88だから東南アジアの商品」といった大ざっぱな判断をするのではなく、必ず3桁のプレフィックス全体(例:880、885、893など)を確認することが大切です。たとえば、8801234〜であれば韓国、8850〜であればタイ、8991〜であればインドネシアから来た商品である可能性が高い、というように読み取ります。

なお、プレフィックスはあくまで「どの国・地域のGS1機関で事業者コードが発行されたか」を示すための番号です。同じ「88」帯の中でも、国ごとに経済規模や得意な産業が違うため、店頭に並ぶ商品ジャンルにも特徴が出やすいという傾向があります。

海外のGS1機関で登録された製品の特徴

「88」で始まるバーコードを持つ商品は、日本国内のスーパーやドラッグストア、ネット通販などでも少しずつ見かける機会が増えています。具体的には、次のようなパターンが代表的です。

  • 880:韓国のコスメ・食品
    韓国コスメブランドのスキンケアやメイク用品、インスタントラーメンやお菓子などの食品は、880プレフィックスのバーコードが付いていることが多くあります。韓国国内のメーカーがGS1 Koreaでコードを取得し、そのまま日本や世界各国へ輸出しているケースです。
  • 885:タイの加工食品・調味料
    ナンプラーやチリソース、インスタント麺など、タイ産の食品には885で始まるコードがよく使われています。タイは食品輸出が盛んな国の1つで、日本のエスニック食材コーナーでも885プレフィックスはよく見かけます。
  • 888:シンガポール企業の飲料・健康食品
    シンガポールは物流や商社機能が強い国で、現地企業が企画した飲料やサプリメントなどに888のバーコードが付いていることがあります。製造自体は他国で行い、企画会社がシンガポールにあるケースも少なくありません。
  • 890・893・899:インド・ベトナム・インドネシアの加工食品や日用品
    スパイス、レトルト食品、インスタントコーヒー、洗剤や日用品など、さまざまなジャンルの商品で見かけるプレフィックスです。アジア各国のメーカーが自国のGS1機関に登録し、そのまま日本市場にも流通しています。

一方で、日本企業が現地に子会社や合弁会社を設立し、その現地法人を通じてGS1コードを取得しているケースもあります。この場合、バーコードのプレフィックスは現地の番号帯(たとえば885や899)になりますが、商品企画や品質管理の主体は日本企業ということもあります。見た目だけでは日本企業の商品かどうか判断できないため、裏面の製造者名や輸入者名、原産国表示も併せて確認することが大切です。

つまり、「88で始まる=この国の品だから良い・悪い」といった判断はできないということです。バーコードのプレフィックスはあくまで物流や商品管理のための識別情報であり、品質そのものを保証したり否定したりするものではありません。国番号の意味を正しく理解しつつ、成分表示や賞味期限、メーカー情報なども合わせてチェックすることで、より納得して商品を選べるようになります。

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まとめ:バーコードの「88」の意味を正しく理解しよう

バーコードの先頭にある「88」は、一見すると特定の国を示しているように感じられますが、実際には「880」「885」「888」など複数のプレフィックスに分かれた番号帯であり、韓国・タイ・シンガポール・インドなど、アジアのさまざまな国のGS1機関に割り当てられています。また、プレフィックスはあくまでGS1機関の所在国を表すものであり、商品の製造国や品質を直接示すものではありません

そのため、「88だから危険」「88だから品質が悪い」といった断定的な情報に惑わされる必要はなく、実際の原産国や製造元、ブランドの信頼性、成分表示などを総合的に見て判断することが大切です。気になる商品を見つけたら、バーコードの先頭3桁とパッケージ表記をセットで確認しながら、情報を読み解いてみてください。

バーコードの仕組みを正しく理解しておけば、インターネット上の噂や断片的な情報に振り回されることなく、落ち着いて賢く商品を選べるようになります。日常の買い物の中で、「このプレフィックスはどこのGS1機関かな?」と少し意識して見てみると、新しい発見があり、買い物が少しだけおもしろく感じられるかもしれません。

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