国番号+83の正体とその背景
国際電話の番号表示で「+83」から始まる着信があった場合、多くの人は「どこの国からの電話だろう?」と気になります。しかし実際には、国番号+83は現在、ITU(国際電気通信連合)によってどの国にも割り当てられていない未使用コードです。つまり、+83という国番号は存在しておらず、正規の国や地域からの発信ではない可能性が高いのです。
なぜ+83の着信があるように見えるのか?
存在しないはずの+83から着信があったように見える理由はいくつかあります。
【1】端末やアプリの誤認識
スマートフォンや一部の通信アプリでは、電話番号の国番号部分を自動的に判断して国名表示する仕様があります。番号の頭に「83」などの数字がついていると、内部処理上で誤って+83と認識してしまうケースがあります。
【2】国内番号との誤解
例えば日本の市外局番や携帯番号の一部が「083」から始まるものがあります。これを「+83」と誤認したり、表示形式の違いによって混同が起きたりする場合があります。
【3】詐欺やスパムによる番号偽装(スプーフィング)
国際電話詐欺やスパム業者が、存在しない国番号を使って信頼性の低い番号を装う手口も存在します。これにより、受信者に違和感や興味を与え、折り返しの通話を誘発することがあります。

8から始まる国番号の一覧と+83の位置づけ
+83は未使用ですが、+80番台には多くの正規国番号が存在します。以下は主な例です。
- +81:日本
- +82:韓国
- +84:ベトナム
- +85:香港・マカオ(+852、+853)
- +86:中国
- +87:INMARSAT(衛星通信専用コード)
- +88:国際ネットワーク用コード(+881〜+889)
- +89:未割当
このように、+83だけが不自然に空白となっていることが分かります。これは将来的な割当の可能性や、過去の割当構想が存在しないことを示しています。
+83を装った詐欺事例と対策
近年では、+83を含む存在しない国番号を装った詐欺電話の報告もあります。例えば、「海外からの重要な連絡」や「国際賞の当選」などを騙ったメッセージで、ユーザーを不安にさせたり期待させたりして通話や個人情報の入力を促すケースが見られます。
- 手口1:1コールだけ鳴らして切る「ワンギリ詐欺」
- 手口2:国際料金がかかるプレミアム番号に折り返させる
- 手口3:架空請求詐欺の入口として電話を誘導
対策方法
- 知らない番号には出ない・折り返さない
- 番号検索サイトで調べる
- スマホの迷惑電話フィルターやアプリを活用
- 繰り返し着信があればキャリアや警察に相談

まとめ:+83は今後も注視すべき番号帯
国番号+83は、現在どの国にも割り当てられていない未使用コードです。それにもかかわらず、+83からの着信があるように見える場合は、誤認識・偽装・詐欺の可能性を疑い、慎重に対応することが重要です。国際電話の仕組みや番号帯の意味を知ることで、情報リテラシーを高め、危険な通話から自分や家族を守ることができます。
今後もし+83が何らかの用途で割り当てられる日が来る可能性もありますが、現時点ではその兆候はありません。したがって、+83の番号を見たら「未割当であること」を前提に冷静な対応を心がけましょう。
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