「国番号59」はどこの国?電話とバーコードで全く違う意味を持つ不思議な番号
「国番号59」――この数字にピンとくる人は少ないかもしれません。実は「59」という数字は、国際電話における国番号としての側面と、バーコードにおける国コードとしての側面で、全く異なる意味を持っています。どちらの情報も日常生活に密接に関わっているにもかかわらず、誤解されやすい番号の一つです。この記事では、その「59」の正体を、電話とバーコードの両面から掘り下げていきます。
電話における「国番号59」の実態
国際電話において「+59」で始まる番号が存在するかどうかについて、まず整理しましょう。実際には「+59」単体の国番号は存在しません。しかし「+590」「+591」など、59から始まる番号は確かに複数存在しています。
- +590:グアドループ
- +591:ボリビア
- +592:ガイアナ
- +593:エクアドル
- +594:フランス領ギアナ
- +595:パラグアイ
- +596:マルティニーク
- +597:スリナム
- +598:ウルグアイ
- +599:旧オランダ領アンティル(現在は複数地域に分割)
このように、「59」から始まる国番号は中南米・カリブ地域の小規模国家や地域に割り当てられているのが特徴です。

▲59X番台の国番号が割り当てられている中南米の地域マップ
バーコードにおける「590〜599」の意味
一方で、商品パッケージなどで見かけるバーコードにおける「59」も、国と関連があります。バーコードの最初の3桁は、そのコードを管理している事業者の所在国を示します。
「590〜599」で始まるバーコードは、以下の国・地域に割り当てられています:
- 590:ポーランド
- その他の591〜599:現時点では未割り当て、または特殊用途
つまり、「59」で始まるすべてのバーコードが中南米ではなく、590だけがポーランドに割り当てられており、それ以外の番号は明確な国の割当がない、あるいは今後割り当てられる可能性がある番号です。

▲49番で始まる日本のバーコード
詐欺電話としての「+59」のリスク
「+59」で始まる不明な電話番号からの着信には注意が必要です。これらの番号を悪用した国際ワン切り詐欺が報告されており、日本国内でも事例があります。例えば「+591」や「+592」など、正規の国番号を使って着信履歴を残し、折り返し通話を誘う手口です。
折り返すと高額な国際電話料金が発生し、知らない間に数千円〜数万円の通話料が請求されるケースもあります。総務省や携帯各社もこの点について公式に注意喚起をしています。
知らない番号からの着信が「+59」で始まっていたら、絶対に折り返さず、番号を調べるなど冷静な対応が大切です。
まとめ
「国番号59」は、国際電話とバーコードで意味が大きく異なる番号です。
・電話では「+59」で始まる多くの番号が中南米・カリブ地域の国に割り当てられている
・バーコードにおいて「590」はポーランドを示すが、それ以外の「591〜599」は未使用または将来用
・詐欺電話として悪用されることもあるため、「+59」の着信には注意
このように、同じ数字でも使われる文脈によって意味はまったく異なります。「国番号」や「バーコードの国コード」に関する基本知識は、日常の安心・安全を守るうえで意外と重要です。
数字の背後にある意味を正しく理解し、振り回されないようにしましょう。