結論:国番号「801」は正式な国番号ではない
国際電話をかける際には必ず「国番号」が必要になります。たとえば日本は「+81」、アメリカやカナダは「+1」といった具合です。しかし「+801」という国番号は正式には存在していません。にもかかわらず、近年「+801」から始まる不審な着信が報告されており、その多くが詐欺電話の可能性が高いと考えられています。存在しない国番号を装って利用することで、受信者に「海外からの重要な電話かもしれない」と思わせるのが典型的な手口です。
こうした着信は折り返すと高額な通話料を請求されたり、不審なガイダンスに誘導されるケースが多く確認されています。まず最初に押さえるべきことは、「801」という国番号は存在しないという事実です。
なぜ「+801」からの着信が詐欺電話の可能性が高いのか
存在しない番号を利用する手口
国際電話番号はITU(国際電気通信連合)が厳格に管理していますが、詐欺グループは「スプーフィング」と呼ばれる技術を使い、架空の番号をあたかも実在するかのように表示させます。「+801」はその代表的な例で、受信者が知らずに折り返し通話することを狙っています。
SMSや音声ガイダンスによる誘導
「料金未払いです」「荷物を受け取ってください」など、不安を煽る内容のSMSや自動音声が使われることもあります。これらは巧妙に作られており、クリックすると個人情報が抜き取られたり、不正請求につながる可能性があります。
国番号はどのように決められているのか
国際電気通信連合(ITU)の役割
国際電話の国番号は、ITUという国際機関が地域ごとに割り当てています。たとえばアジアは「6」や「8」から始まる番号帯が多く、ヨーロッパは「3」や「4」、北米は「1」が割り当てられています。したがって「801」という番号は公式のリストには存在しないため、不審な番号と判断できます。
アジア・欧州・北米など地域ごとの番号帯
実際に存在する番号帯を知っておくことは有効な防御策になります。例えば「+81」は日本、「+82」は韓国、「+86」は中国といったように隣国の番号は有名です。しかし「+801」はどの地域にも割り当てられていないため、受け取った時点で注意すべきシグナルです。
国番号「801」と誤解されやすい番号
米国・カナダの地域番号「801」
アメリカやカナダでは国番号が「+1」となり、その下に州や都市ごとの地域番号(エリアコード)が存在します。ユタ州ソルトレイクシティ周辺のエリアコードが「801」であるため、これが国番号と誤解されやすいのです。正しい表記は「+1-801」であり、「+801」とはまったく意味が異なります。
「+1-801」と「+801」の違い
「+1-801」はアメリカ宛ての正規の番号形式ですが、「+801」は存在しない番号です。この違いを知らない人が「アメリカからの電話だ」と誤認して折り返すケースもあり、詐欺グループはこの混乱を利用しています。
過去に報告された「801」関連の詐欺事例
日本で実際に報告された事例
日本の消費者センターやSNS上では「+801」からのワン切り着信が繰り返し報告されています。折り返すと国際料金が発生し、数分で数千円請求されるといった被害が出ています。特に夜間や休日に集中して着信するパターンが多く、不安心理を突いた手口といえます。
海外でのスプーフィング被害
海外でも「801」やその他存在しない番号を利用したスプーフィングが問題視されています。イギリスやアメリカでは規制当局が注意喚起を行っており、国際的な詐欺グループが関与していると見られています。
「+801」からの着信に出てしまった場合の対処法
万が一応答してしまった場合は、すぐに通話を終了し、不審な操作を求められても絶対に従わないことが大切です。さらに携帯キャリアや警察に相談し、利用明細を確認して不正請求がないかをチェックしましょう。もし折り返してしまった場合も、早めにキャリアへ連絡すれば請求の差し止めが可能なケースもあります。
詐欺電話を防ぐためのスマホ設定と心構え
着信拒否・フィルタリングアプリの活用
スマホには着信拒否機能や、不審な番号を自動でブロックするアプリがあります。これらを導入するだけでもリスクを大幅に減らすことができます。特に「海外からの不明番号を拒否する」設定を有効にしておくと安心です。
不審なSMSリンクを絶対に開かない
「+801」から届くケースの多いSMSにはリンクが記載されていることがありますが、絶対に開かないようにしましょう。リンク先はフィッシングサイトや不正アプリのダウンロードページになっている可能性が高く、個人情報やクレジットカード情報を盗まれる危険があります。
安心して国際電話を利用するためのポイント
正しい国番号の確認
国際電話をかけるときは、必ず正しい国番号を調べてから入力しましょう。例えば日本は「+81」、ドミニカ共和国は「+1-809」、UAEは「+971」などです。知らない番号から着信があった場合も、国番号を確認するだけで正規かどうか判断できます。
怪しい着信を無視する勇気
不審な番号からの着信は折り返さないことが一番の対策です。必要な連絡であれば、相手は必ず再度かけ直してきたり、メールなど他の手段で連絡してきます。心当たりのない番号は無視する勇気を持ちましょう。
総務省・警察庁の注意喚起をチェックする
日本の総務省や警察庁は、国際電話詐欺に関する注意喚起を定期的に発表しています。最新の情報をチェックしておくことで、詐欺の新しい手口にいち早く対応できます。

まとめ|「+801」は国番号ではなく詐欺に使われやすい番号
結論として「+801」は正式な国番号ではなく、詐欺電話に悪用されることが多い番号です。国際電話の仕組みを知り、正しい国番号を確認することが被害を防ぐ第一歩となります。不審な着信には応答せず、必要ならキャリアや警察に相談しましょう。安心して国際電話を利用するためにも、知識を身につけて冷静に対応することが重要です。
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