「国番号5」はどこの国?電話とバーコードで意味がまったく違うって知ってた?
「国番号5」と聞いて、どの国を意味するかピンときますか?実はこの番号、国際電話とバーコード(JANコード/EANコード)でまったく異なる意味を持っています。この記事では、「国番号5」が指し示す内容について、電話とバーコードの両面からわかりやすく解説します。
電話における「国番号5」の意味
まず国際電話において「+5」で始まる番号は、中南米やヨーロッパ、中央アジアなどの地域に割り当てられています。ただし、「+5」自体が1つの国を示すのではなく、「+51」〜「+58」などの形式で具体的な国が識別されます。
たとえば:
- +51:ペルー
- +52:メキシコ
- +53:キューバ
- +54:アルゼンチン
つまり、「+5」単体では使われず、その後に続く数字で国を特定します。

▲+5で始まる国番号を持つ国の地図(Altタグ:+5で始まる国際電話番号が使われる中南米やヨーロッパの地図)
バーコードにおける「国番号5」の意味
次に、バーコードにおける「国番号5」についてです。バーコードの国番号とは、商品に印刷されたバーコードの最初の2〜3桁のことで、その商品がどこの国の事業者によって管理されているかを示します。
イギリス(英国)に割り当てられているバーコードの範囲は、「500」〜「509」です。つまり、「5」から始まるすべての番号ではなく、この範囲の番号のみがイギリスに該当します。
- 500〜509:イギリスの企業が取得
これは商品がイギリスで製造されたとは限らず、バーコードの登録事業者がイギリスにあるという意味になります。

▲日本のバーコード番号
「+5」=1つの国ではない?
「+5」だけを見ても、どの国かわからないという点は、誤解を生みやすいポイントです。多くの人が「+5」と表示された着信に対し、特定の国からの電話だと誤解してしまいます。
実際は、「+5」の後に続く番号が重要で、これによって初めて国が特定されるのです。また、「+5」で始まる番号を使った詐欺電話も報告されており、不審な着信には注意が必要です。
実際に報告されている事例では、「+53(キューバ)」や「+54(アルゼンチン)」などの番号を装い、着信履歴を残して折り返しを誘導するいわゆる「ワン切り詐欺」が行われています。折り返し通話をした場合、高額な国際通話料金を請求されるケースがあるため、心当たりのない「+5」から始まる番号には応答せず、調べるかブロックする対応が推奨されます。
総務省や携帯電話各社も注意喚起を行っており、公式サイトでも詐欺電話への対応方法が案内されています。
バーコードの国番号で分かること
一方で、バーコードに表示された「5」で始まる数字は、商品の流通元や管理国を知るヒントになります。バーコードの国番号は以下のように使われます:
- 商品情報のデータベース登録
- POSレジでの国別識別
- 模倣品・偽造品の判定補助
ただし、繰り返しますが、バーコードが「5」で始まる=製造国がイギリス、ではなく、あくまで登録した事業者の所在を意味します。
まとめ
「国番号5」と一言で言っても、電話とバーコードではまったく意味が違います。
・国際電話では「+5」だけでは国を特定できず、「+51」「+52」などの後続数字が重要
・バーコードでは「500〜509」で始まるコードはイギリスの事業者を示している
・「+5」で始まる番号からの着信には詐欺の可能性があり、安易な折り返しは危険
見た目は同じ「5」でも、その文脈によってまったく別の意味を持つため、混同しないようにしましょう。
今後は、番号を見るときには「それが何のための番号か」を考える視点を持つと、正確な情報判断ができるようになります。