コーヒーの効果は、さまざまあるようですが、今回は、「血圧への効果」、「便秘への効果」、「美容への効果」をお伝えします。
お好きなコーヒーを飲みながら、お読みください。
コーヒーの効果血圧では?
これまでコーヒーは、心臓に直接作用して血圧を上昇させるカフェインが含まれているため高血圧症を引き起こすものと考えられてきました。
しかし最近では、「コーヒーを飲んだ直後、カフェインの作用により血圧はわずかに上昇するが、継続的飲用で血圧が高くなることはない」というのが一般的な考えのようです。
例えば、アメリカのある施設が、高血圧症の女性約3万人を対象に12年間、習慣的なコーヒーの摂取と高血圧症の関係を調べた研究では、結果としてコーヒーと高血圧症に関係が認められなかったばかりか、逆に高血圧症になる危険性が下がるという傾向が認めらたそうです。
また、日本においても、少し特殊なケースではありますが、コーヒーと高血圧症の関係を調べた研究があります。習慣的にお酒を飲む20歳~79歳の男性をいくつかのグループに分け、コーヒーと高血圧症の関係について調査を行ったものですが、コーヒーを飲まなかったグループに比べ、飲んだグループの方が高血圧の人の割合が少ないという結果が出ています。
しかし、次のような報告もあります。
平均1日5杯、8週間の摂取で、軽度ながら(収縮期2.4mmHg、拡張期1.2mmHg)血圧が上がることがわかりました。24時間血圧を調べた研究でも、軽度の血圧上昇が認められています。
ただ、この数値は、歩いたり食事をとったりした時でも血圧は8~12mmほど上がることからすれば、コーヒーの影響はとても小さいといえるようです。
ただし、飲みすぎるとカフェインや糖分の過剰摂取につながります。1日1~3杯程度が適量といえましょう。
なお、コーヒー1杯に含まれているカフェインの量は1杯100mlに対して40mgと言われています。
コーヒーの効果便秘では?
コーヒーには、便秘解消にいいという話もあれば、その一方で悪化させるという話もあります。
まず、コーヒーが便秘に効果的だといわれる理由のひとつは、コーヒーの代表的な成分である「カフェイン」です。
カフェインには、大腸の収縮を助け、胃の働きを活発にする効果があります。そのため、コーヒーを飲むとカフェインの効果で消化がよくなり、便秘の症状を改善できるのです。
また、コーヒーが便秘に効果的であるというもう一つの理由は、コーヒーに入れて飲む「コーヒーオリゴ糖」の存在です。
コーヒーオリゴ糖はコーヒー豆のカスから抽出してできるのですが、砂糖よりもカロリーが低いため、コーヒーの甘味料として用いられています。
コーヒーオリゴ糖は腸内にいる善玉菌のエサとなって腸内の働きを活発にし、便秘症状の改善を手助けします。腸内環境を活発にしてくれることで、便を出すように促してくれるのです。
たとえば朝食後1杯のコーヒーを飲めば、ほどよく大腸を刺激し、便通を促すことができるでしょう。
次に、コーヒーが便秘を悪化されると言われる理由をお伝えします。
コーヒーには「クロロゲン酸」という成分が含まれています。この成分はポリフェノールの一種で、体によい影響を与える成分なのですが、その一方で胃や腸の働きを抑える働きがあります。
そのため、便秘の時にコーヒーを飲むと胃や腸の働きが余計に悪くなり、便秘が悪化してしまいます。
ちなみに、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は少量なので、コーヒーをガブ飲みするようなことがなければ、それほど気にする必要はないようです。
コーヒーの効果美容にはいいの?
コーヒーには脂質やタンパク質といった栄養素以外にカフェイン、ポリフェノール(クロロゲン酸)トリゴネリンなどが含まれており、美容効果があるといわれています。
まず、カフェインは自律神経の働きを促進し、脂肪の代謝を高める効果も期待できます。自律神経の「交感神経」は、体重や体脂肪の量を調整しているため交感神経の働きが促進されることは食欲抑制につながるからです。
また、カフェインには、血流量を増やし、肌のくすみを改善させる可能性があります。
琉球大学の研究では、コーヒーに含まれるカフェインが血管機能を30%も改善する事が報告されています。血管がしなやかになる事によって血流も良くなり全身に酸素や栄養素が運ばれるため肌のくすみ改善が期待できます。
次に、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は、シミを予防するのに役立ちます。クロロゲン酸はコーヒーの色、香り、味の元になっている成分で、強力な抗酸化作用を持っています。抗酸化作用とは細胞が酸化するのを防ぐ働きのことで、活性酸素を除去してメラニン色素ができないようにしてくれます。体内に活性酸素が増えると、その刺激から肌を守ろうとしてメラニン色素が作られます。これが沈着するとシミになってしまうからです。
ですからメラニンをいかにして作らないようにするかが大事なのですが、コーヒーのクロロゲン酸がそれを防いでくれるのです。神戸大学の市橋正光先生グループの研究によるとクロロゲン酸の働きによってシミの原因となる色素成分のメラニン生成が30%抑えられたそうです。
トリゴネリンは、脳神経細胞を活性化させ正常に働かせることで、ストレスのない健康な脳の状態を保ちます。ストレスの少ない、心身ともにリラックスした生活は美容効果につながります。
なお、コーヒーの生豆に多く含まれており、焙煎温度が高温になるとトリゴネリンが無くなってしまう性質がありますのでご注意ください。
まとめ
コーヒーには、味と香りの外にも、健康・美容効果が期待されるカフェイン、ポリフェノールの一種であるクロロゲン、トリゴネリンが含まれていることをお伝えしました。ゆったりとスコーヒータイムを楽しみながら、健康・美容効果を高めてください。
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