キシリトールに虫歯予防の効果があることは、皆さんご承知のとおりです。それでは、「お肌への効果」はご存知ですか。
また、虫歯予防を売りにした「甘味料がキシリトール100%の子供向けのお菓子」についてはご存知でしょうか。
さらに、「妊婦さんのキシリトール摂取」についてはいかがでしょうか。
以下、これらについてお伝えします。
キシリトールの効果、肌には?
キシリトールには、虫歯を予防する効果の外に、肌を保湿する効果があるといわれています。
そのため、乳液や美白クリーム、ローションなどに配合されています。
キシリトールは水に溶けやすい性質で、保湿性を保ちながら肌へのなじみが良いため、肌を乾燥から守る効果があります。保湿性があるにもかかわらずべたつきが少ないということからべたつきを抑えたい化粧品に良く含まれている成分となっているのです。
またキシリトールは、肌のコラーゲンの生成を促したり、アトピー性皮膚炎の改善にも役立つとの研究結果も報告されており、肌に対する健康機能が注目されています。
キシリトールの原料でもある白樺には、ビタミンCやタンニン、サポニン、フラボノイドなどの成分が含まれています。
ビタミンCには活性酸素を除去したり、しみやそばかすの原因となるメラニン色素を抑える働きがあります。
タンニンには収れん作用があるので、毛穴を引き締める効果が、サポニンとフラボノイドには血流をよくする効果があります。血行がよくなるので、くすみも改善されます。
白樺にはデトックス効果もあるので、老廃物を排出し、肌荒れを改善する効果も期待できます。
これ以外にもストッキングやシャツなどの衣類にも配合されていることがあります。
キシリトールの効果、子供には?
むし歯は、歯の表面を覆う「硬いエナメル質」が、砂糖や人工甘味料によってつくられる「酸」に溶かされることによって発生するものです。キシリトールはその原因となる酸をつくらないため、虫歯になりにくくなり、虫歯の菌を減らして虫歯の進行を防ぐこともできるのです。
さらに、溶けてしまったエナメル質を修復できる「唾液」の分泌を促進する役割もあります。キシリトールガムを1日5粒食べていた園児はガムを食べなかった園児に対して1.25本虫歯が少ないという結果があるそうです。
ところで、「キシリトール入りのおやつ」といえば「ガム」と思われる方も多いと思いますが、実はガム以外にもいろんなおやつがあります。
「甘味料がキシリトール100%のおやつ」には、キャンディーやラムネ・キャラメル・グミ、なんとチョコレートまであります。歯みがきの後にチョコレートやグミを食べても良いなんて意外ですが、うまく活用して「歯みがきのご褒美」にすれば、親子で楽しく歯みがきができそうです。むし歯を気にせず食べさせられる「甘味料がキシリトール100%」のおやつ」は、歯科医院で販売しています。
なお、キシリトール以外の甘味料が入っているものは「甘味料(キシリトール、□□、△△)」と記載されていますので、原材料名の欄を確認してください。
あくまで補助的に利用するものとはいえ、おやつを食べて虫歯になりにくい強い歯になれるなんて嬉しいですね。
キシリトール入り製品の効果的な、なめ方・噛み方があります。
なめ方は、口に含んだときに唾液はすぐに飲み込まず、歯と歯の間、歯と歯肉の間を潤し、充分行きわたるようにします。
噛み方は、ガムであれば5分~10分間噛んで歯に唾液を充分行きわたらせ、潤すようにします。
このように、キシリトールはまるで万能薬のように聞こえるかもしれませんが、あくまでむし歯予防の一部であり、歯みがきの代わりになるわけではありませんし、キシリトールガムをいくら噛んでも、できてしまったむし歯が治るわけではありません。
キシリトールの効果、妊婦には?
妊娠すると歯が悪くなる原因として考えられることは、妊娠初期のつわりのため口腔内の清掃不良になりやすいことが考えられます。
また、食事・間食の増加傾向や甘味食品を摂取しがちになることで唾液のphが低下して酸性になる傾向にあります。酸は、歯のエナメル質を溶かして、虫歯の原因になります。これらの点を考慮すると、単にブラッシングを中心とした歯口清掃だけではなく、十分にブラッシングができないことなど妊婦特有の身体的・精神的状況からキシリトールの摂取が効果的と思われます。キシリトールは、虫歯菌(ミュータンス)のえさにならないので虫歯菌の数が減ります。それにより菌が出す酸の発生が抑えられ、虫歯自体が少なくなります。
また、キシリトールは歯の石灰化を促進し歯を丈夫にします。砂糖より溶け方が早く、良好な口腔環境を保持できることになります。口の中で溶ける際には、口中の温度をわずかに下げるので清涼感が爽やかです。
ガムを咀嚼することによる精神的リラックス効果も期待できます。
育児上では母親の口腔衛生管理の一環として、口腔内のミュータンス菌の数を減少させ、母から子への伝播をコントロールするためにも是非活用をお勧めします。ミュータンスは、お母さんの噛んだ食べ物を赤ちゃんに食べさせることを通して、伝播することが多いといわれています。
なお、キシリトールをとりすぎると腸内細菌のバランスをくずし、下痢を起こすこともあります。下痢に伴って子宮の収縮を起こす可能性もあります。
同様に口腔細菌のバランスも変化し、耐性菌など新たな問題が起こる可能性があります。とり過ぎには気を付けてください。通常量なら問題ありません。
キシリトールは、身近な果物や野菜、プラム、いちご、カリフラワー、レタス、ほうれん草等にも含まれています。
まとめ
以上、「キシリトールの肌への効果」、虫歯予防を目指した「キシリトール入りの子供向けお菓子の効果」、「妊婦さんのキシリトールの摂取」についてお伝えしました。
キシリトールを使う際のメリットとデメリットをよく把握して、快適な日々をお過ごしください。
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