まず押さえたい要点
+81は日本の国番号です。国際表記では+81の直後に国内番号(先頭の0を外す)を続けます。着信やSMSに+81が付いていても、それだけで「日本発=安全」とは限りません。出ない・折返さない・公式で確認の基本手順で、内容の正当性を必ず裏取りしましょう。日本の国番号・プレフィックスは総務省/ITUの番号計画とE.164に基づき運用されています。

国番号81の基本と「+81」表示の仕組み
国番号81と国内番号の関係
日本の国番号は81。国内の多くの番号は先頭に0(トランクプレフィックス)が付きますが、国際表記ではこれを外し、+81の後ろに続けます。例:国内 03-xxxx-xxxx → 国際 +81 3 xxxx xxxx/国内 090-xxxx-xxxx → 国際 +81 90 xxxx xxxx。固定電話・携帯・050(IP電話)など日本の各種番号は、国内では0始まりでも国際表記では+81で統一されます。
「+81」がSMSや着信に付く代表的なケース
- 日本の番号からの発信(場所は不問):発信者の契約番号が日本の番号であれば、海外ローミング中でも受信側には+81で表示されます。逆に、現地の海外番号から発信された場合は、その国の国番号(例:+1米国、+44英国)になります。番号はE.164形式で運搬されるのが基本です。
- A2P(企業→個人)SMSでの番号正規化・置換:海外経由のゲートウェイや国内ゲートウェイの仕様により、送信者番号が長番号・短番号・共通IDへ置換されることがあります。日本向けでは、国際経路と国内経路で送信者IDの取り扱いが異なり、キャリアによっては数値送信者IDを上書きする運用もあります。
- 端末やアプリ側の整形表示:iPhoneのダイヤルアシストは主に「発信時」に国番号や市外局番を自動補完する機能です(着信表示を変更する機能ではありません)。着信側の表示は回線から渡される発信者番号を端末が整形して見せているだけで、番号の実体はE.164の形式が基準です。
- なりすまし(スプーフィング):発信者が表示番号を偽装する手口。見た目が+81でも、実際は海外や第三者ということがあります。各国規制当局も注意喚起し、認証技術の導入を進めています。
よくある誤解と正しい理解
- 誤:「海外からの発信なら+81にはならないはず」→ 正:「日本の番号が発信元であれば、海外に居ても+81で届けられます」。現地の海外番号から発信された場合のみ、その国の国番号になります。
- 誤:「+81表示=日本国内からの安全な発信」→ 正:「表示は正規の国際形式・ゲートウェイ仕様・偽装など複数要因で付与されます。表示だけで安全性は判断できません」。
実務で役立つ:安全確認と設定のベストプラクティス
詐欺・迷惑への初動(内容優先の三原則)
- 出ない・折返さない・公式で確認:心当たりがなければ出ない。折返しはせず、企業なら公式サイト掲載の代表番号へ自分から発信して裏取り。
- SMSのURLは踏まない:アカウントや配送の確認は、必ず公式アプリ本体やブックマークから。A2P経路では表示番号が置換されることもあるため、番号一致は判断材料になりにくい。
- 認証コードは共有しない:電話やSMSで認証コード・パスワードを伝えない。疑わしい場合は別経路で照合。
端末・回線の設定を固める(予防)
- スマホの国際・非通知・未登録ブロックや連絡先以外の留守電振り分けを活用。
- 連絡先は最初から+81形式(E.164)で登録して、表示のゆらぎに左右されない運用に。
- 固定回線は不要期間に国際発着信の休止を検討。公衆電話等の案内も最新情報を確認。
料金と発信のコツ
国際通話・SMSの料金はキャリア・プラン・経路で変わります。国際SMSは文字数分割課金になることもあるため、要件は短く・必要時のみ。発信は+(プラス)で国番号を付けるのがミスが少なく、旧来の選択型プレフィックスは段階的に統合・終了が進んでいます(NTTドコモの0033国際通話は2024年1月30日で終了)。
すぐにできる最小セット
- 連絡先を+81形式で統一保存(先頭0を外す)。
- スマホのブロック/留守電振分けをON。
- 疑わしい連絡は公式の代表番号で裏取り。

まとめ:+81の意味を正しく理解し、「手順」で守る
+81は日本の国番号。国際表記では先頭の0を外して並べます。+81表示は、(1)日本の番号からの発信(海外ローミング中を含む)、(2)A2Pやゲートウェイの仕様による送信者IDの正規化・置換、(3)スプーフィングといった複数の要因で現れます。よって表示だけで真偽は判断せず、出ない・折返さない・公式で確認という運用手順と、端末・回線の設定を組み合わせた三層防御で備えるのが最も実務的です。
国際発信の基本リマインド
- スマホ:+ 国番号 → 0抜きの国内番号で発信。
- 固定電話(日本):010 → 国番号 → 0抜きの国内番号。
参考:日本の番号計画(国番号81、国際アクセス010、0始まりの国内番号体系、050(IP電話)等)、E.164の国際番号規格、A2P送信者IDの取り扱い、スプーフィング対策に関する一次情報・主要ベンダー資料を本文各所に引用しています。
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