- バーコードはいつから使われている?誕生の歴史と日本で普及した時期を解説
- バーコードはいつから使われている?まず年代を確認
- バーコードは誰がいつ発明したのか
- バーコード誕生から現在までの歴史を年表で確認
- なぜバーコードは発明から実用化まで20年以上かかったのか
- 日本でバーコードはいつから使われ始めた?
- 45と49から始まる日本のバーコードはいつから?
- 日本のスーパーでバーコードが普及したのはいつ?
- 昔のスーパーはバーコードなしでどうやって会計していた?
- 日本でバーコードが広がった理由
- JANコードはいつから使われている?バーコードとの違い
- 古い商品にバーコードがあれば年代を判断できる?
- 「バーコードはいつから?」でよくある勘違い・失敗例
- 年代を知りたいときは何を確認すればいい?目的別判断表
- バーコードが現在まで使われ続けている理由
- QRコードが普及しても1次元バーコードはなくならない?
- RFIDが普及したらバーコードはなくなる?
- バーコードの歴史でよくある質問
- まとめ|バーコードは1940年代後半に考案され1970年代に小売店で実用化された
バーコードはいつから使われている?誕生の歴史と日本で普及した時期を解説
スーパーやコンビニの商品に当たり前のように付いているバーコードには、70年以上にわたる歴史があります。現在のバーコードにつながる発想は1948~1949年ごろに生まれ、ノーマン・ジョセフ・ウッドランドとバーナード・シルバーが1949年10月20日に米国で特許を出願し、1952年10月7日に特許が成立しました。
ただし、「1952年からスーパーでバーコードが使われていた」という意味ではありません。米国の小売業界がUPCシンボルを利用することに合意したのは1973年4月3日で、米国オハイオ州のスーパーマーケットで商品バーコードが歴史的な初スキャンを迎えたのは1974年6月26日です。
日本では1978年にJANシンボルがJISとして制定され、同年に国際EAN協会へ加盟して国コード「49」を取得し、JANメーカーコードの登録受付も始まりました。その後、1979年から1981年にPOSシステムの店頭実験が行われ、1982年にはセブン‐イレブン・ジャパンがバーコードを活用したPOSシステムを導入しています。
そのため「バーコードはいつから?」という疑問に最も分かりやすく答えるなら、発想は1948~1949年ごろ、特許成立は1952年、小売用バーコードの標準化の大きな節目は1973年、スーパーでの歴史的な初スキャンは1974年、日本のJAN制度の大きな節目は1978年と分けて考えるのがポイントです。
「家にある古い商品のバーコードから年代を知りたい」「日本のスーパーではいつから使われたのか知りたい」「45や49から始まるJANコードはいつからあるのか」といった場合は、見るべき年代がそれぞれ違います。以下では、目的別に確認できるよう時系列と具体例を交えて整理します。
バーコードはいつから使われている?まず年代を確認
「いつから」の答えは何を知りたいかで変わる
バーコードについて調べると、1949年、1952年、1973年、1974年、1978年など複数の年代が出てきます。これは情報が食い違っているのではなく、それぞれ「発明」「特許」「標準化」「店舗での利用」「日本での制度整備」という別の出来事を表しています。
| 年代 | 主な出来事 | 「いつから?」との関係 |
|---|---|---|
| 1948~1949年ごろ | ウッドランドがバーコードにつながるアイデアを考案 | バーコードの発想・原型 |
| 1949年10月20日 | ウッドランドとシルバーが米国で特許出願 | 発明を特許として申請 |
| 1952年10月7日 | 米国特許2,612,994が成立 | 基本技術の特許成立 |
| 1973年4月3日 | 米国小売業界がUPCシンボルの利用に合意 | 小売用商品バーコード標準化の大きな節目 |
| 1974年6月26日 | オハイオ州のスーパーでUPCを歴史的に初スキャン | 小売レジでの実用化を象徴する出来事 |
| 1978年 | 日本でJANシンボルJIS制定、国コード49取得など | 日本のJAN制度整備 |
| 1979~1981年 | 日本でPOSシステム店頭実験 | 国内店舗での実証 |
| 1982年 | セブン‐イレブン・ジャパンがPOSシステムを導入 | 国内小売への普及を示す節目の1つ |
| 1992年 | 日本が国コード45を追加取得 | 45から始まる番号の歴史 |
| 1995年 | 45によるJANメーカーコードの貸与開始 | 45から始まるコードの実際の付番開始 |
たとえば「バーコードを発明したのはいつ?」なら1940年代後半から1952年までを見る必要があります。「スーパーで実際にスキャンされたのはいつ?」なら1974年です。「日本の商品にJANコードが使われ始めたのは?」なら1978年以降の歴史を確認します。
検索結果で「1952年」と「1974年」が並んでいても、どちらかが間違いとは限りません。何の開始時期を説明しているかを確認することが、バーコードの歴史を調べるときの最初の判断ポイントです。
バーコードは誰がいつ発明したのか
ウッドランドとシルバーが1940年代後半に考案
バーコードの発明者として知られているのが、ノーマン・ジョセフ・ウッドランドとバーナード・シルバーです。GS1のバーコード誕生に関する公式解説では、ウッドランドが1948~1949年ごろに現在のバーコードにつながる着想を得たことが紹介されています。
出発点にあったのは、小売店で商品をもっと効率よく識別できないかという課題です。現在ならレジで商品をスキャナーへ通すだけですが、当時は商品を自動的に識別する共通の仕組みが整っていませんでした。
商品へ機械が読み取れる印を付け、そのパターンから商品を判別できれば、レジや商品管理を効率化できます。この考えが後のバーコードにつながりました。
モールス信号がバーコードの発想につながった
GS1によると、ウッドランドは少年時代に学んだモールス信号から着想を得ました。モールス信号では点と線の組み合わせによって情報を伝えます。それを商品の識別へ応用できないかと考えたのです。
有名なのが、ウッドランドが米国フロリダ州のマイアミビーチで砂の上に線を描いたというエピソードです。1948~1949年ごろ、砂の上に4本の指を置いて線を引き、その線を広げることで幅の異なる線から情報を表す考えを発展させたとGS1は説明しています。
現在の商品パッケージに印刷されている黒と白の線は非常に単純に見えますが、その原点には「モールス信号の情報表現を、機械が読み取れる図形へ変える」という発想がありました。
1949年に特許を出願し1952年に成立
ウッドランドとシルバーは1949年10月20日、「Classifying Apparatus and Method」と題する特許を米国で出願しました。
米国特許2,612,994の記録では、発明者としてNorman J WoodlandとBernard Silverが記載され、1952年10月7日に特許が成立したことが確認できます。
特許には、物品へ付けた線などの識別パターンを光学的に読み取り、分類する仕組みが記されています。ただし、1952年に現在のスーパーにあるJANバーコードやPOSレジが完成していたわけではありません。
現在の商品バーコードへつながるまでには、読み取り装置、コンピューター、商品番号の標準化など、さらに多くの技術と仕組みが必要でした。
最初のバーコードは現在と同じ形ではなかった
現在の商品バーコードは、黒と白の縦線が横方向に並ぶ形が一般的です。しかし、ウッドランドが最初に考えたバーコードには同心円状の「ブルズアイ型」と呼ばれるデザインがありました。
GS1の公式資料でも、ウッドランドの最初のバーコード案が円形だったことが紹介されています。
円形にすることで、どの方向からでも読み取りやすくしようという考えがありました。実際の特許資料には、同心円状のパターンと直線状のパターンの両方が描かれています。
古い資料で円形のコードを見つけて「これはバーコードではないのでは?」と思った場合でも、初期のバーコード研究にはそのような形があったことを知っておくと理解しやすくなります。
バーコード誕生から現在までの歴史を年表で確認
1973年にUPCシンボル利用で米国小売業界が合意
1952年に特許が成立しても、バーコードはすぐ世界中の店舗へ広がりませんでした。現在の商品流通につながる大きな転換点となったのが1973年です。
GS1 Japanの「バーコード50年」によると、1973年4月3日、米国の小売業界のリーダーたちが商品識別コードを表示するバーコードとしてUPCシンボルを利用することに合意しました。
この「共通ルール」が非常に重要です。メーカーごと、スーパーごとに異なるバーコードを使っていたら、1つのスキャナーやシステムで多くの商品を扱えません。
メーカーが付けた商品識別コードを、多数の小売店でも同じ意味で読み取れるようにする標準が整ったことで、バーコードを広範囲に利用する条件が整っていきました。
1974年6月26日にスーパーで歴史的な初スキャン
1974年6月26日は、小売用商品バーコードの歴史を語るうえで重要な日です。
GS1 Japanの公式年表では、この日に米国オハイオ州のスーパーマーケット「Marsh」のレジで、世界で初めてWrigley社のガムのバーコードがスキャンされたと説明しています。
スミソニアン国立アメリカ歴史博物館のスーパー用スキャナー資料でも、1974年6月26日にオハイオ州トロイのMarsh Supermarketで最初のスーパー用スキャナー設備が稼働したことが記録されています。
歴史的な初スキャン商品として知られているのが、Wrigley社のJuicy Fruitチューインガムです。
ここで間違えやすいのは、「1974年=バーコードが発明された年」としてしまうことです。1974年は発明年ではなく、UPCを使った小売レジでの歴史的な初スキャンの年と覚えましょう。
なぜバーコードは発明から実用化まで20年以上かかったのか
バーコードの線だけではスーパーの会計システムにならない
1952年に特許が成立し、スーパーでの歴史的な初スキャンが1974年ですから、約22年の間があります。「そんな便利な仕組みなら、なぜもっと早く使われなかったの?」と思うかもしれません。
理由は、商品へバーコードを印刷するだけでは自動会計ができないからです。少なくとも次の3つが必要になります。
- バーコードを短時間で正確に読む装置:レジで商品を次々に処理するには、実用的なスキャナーが必要です。
- 読み取った番号を処理するコンピューター:商品番号から商品名や販売価格などを呼び出すシステムが必要です。
- 企業をまたいで利用できる商品コードの標準:メーカーと小売店で同じ商品を同じ番号として扱える仕組みが必要です。
GS1のバーコード誕生史でも、初期の発明は長く実用化されず、その後のレーザースキャン技術やマイクロプロセッサーの登場によってバーコードが実用的になったことが説明されています。
スキャナーが遅ければ手入力より便利にならない
スーパーのレジを想像すると分かりやすいでしょう。バーコードを読むたびに商品を何度も置き直したり、数秒待ったりしなければならないなら、価格を直接入力した方が早い場合があります。
実用化するには、商品を次々と通しても素早く読み取れることが重要です。レーザーなどの光学技術の発達は、バーコードを小売店で利用できる仕組みにするための重要な要素でした。
読み取った数字と商品情報を結び付ける必要がある
バーコードリーダーが商品をスキャンしても、それだけで「商品名」「価格」「在庫数」まで自動的に分かるわけではありません。
読み取った商品識別コードをコンピューターが処理し、商品マスタなどから該当する情報を呼び出す必要があります。
現在のスーパーなら一瞬で行われる処理ですが、コンピューターが大型で高価だった時代には、多数の小売店へ同じ仕組みを導入することは容易ではありませんでした。
商品番号を各社が好きに決めていては普及できない
もう1つ見落としやすいのが標準化です。
メーカーAの商品番号が「123」、スーパーAでは同じ商品を「456」、スーパーBでは「789」と管理していたら、メーカーが商品パッケージへ1つの共通バーコードを印刷して利用することが難しくなります。
1973年のUPCシンボル利用合意は、こうした問題を解決して小売業界で共通の仕組みを利用するための重要な出来事でした。
日本でバーコードはいつから使われ始めた?
1978年が日本のJAN制度の大きな節目
日本のバーコード史でまず覚えておきたいのが1978年です。
GS1 Japanの公式年表では、1978年にJANシンボルがJISとして制定され、日本が国際EAN協会へ加盟し、国コード「49」を取得、JANメーカーコードの登録受付を開始したとされています。
つまり、日本で商品を共通の番号で識別し、その番号をバーコードによって機械で読み取るための基盤が整っていった時期です。
ただし、ここで「1978年から日本中のスーパーの商品に一斉にバーコードが付いた」と考えるのは間違いです。制度が整った後、メーカーの商品表示や店舗のPOS設備が段階的に対応していきました。
1979年から1981年にはPOS店頭実験が行われた
日本ではJAN制度を作っただけでなく、実際の店舗でPOSが機能するかを確認する実験も行われました。
GS1 Japanによると、1979年に第1次POSシステム店頭実験が行われ、その後1981年の第3次実験まで継続しています。
この流れを見ると、日本では「1978年に規格・コードの基盤を整える→1979年以降に店舗で試す→1980年代に企業で利用が広がる」という段階を踏んだことが分かります。
1982年にはセブン‐イレブンがバーコードを活用したPOSを導入
国内小売での具体例として分かりやすいのがセブン‐イレブンです。
セブン‐イレブン・ジャパンのイノベーション史では、1982年に単品ごとの販売データを検証するため、バーコードを活用したPOSシステムを採用したことが紹介されています。
POSを利用すれば、単に会計するだけでなく「どの商品が何時ごろ何個売れたのか」といった販売データを把握しやすくなります。このデータは品ぞろえや発注にも利用できます。
そのため、バーコードの普及はレジ作業を楽にしただけではなく、小売業の商品管理そのものを変える出来事でもありました。
45と49から始まる日本のバーコードはいつから?
日本では最初に49、後から45が追加された
古い商品を調べていると、「バーコードの最初が49の商品と45の商品があるけれど、年代に違いがあるの?」と疑問に思うことがあります。
GS1 Japanの年表では、日本は1978年に国コード「49」を取得し、その後1992年に「45」を追加取得しています。45によるJANメーカーコードの貸与が始まったのは1995年です。
| 年 | 45・49に関する出来事 |
|---|---|
| 1978年 | 日本が国コード49を取得 |
| 1992年 | 国コード45を追加取得 |
| 1995年 | 45によるJANメーカーコードの貸与開始 |
現在のGS1 JapanのGTIN(JANコード)の説明でも、GS1 Japanが45または49で始まるGS1事業者コードを貸与していることが確認できます。
45なら「1995年より前の商品ではない」と断定できる?
古いパッケージの年代を調べるときには有力な手掛かりになりますが、バーコードだけで製造年月を断定するのは避けた方がよいでしょう。
少なくとも、日本で45によるJANメーカーコードの貸与が始まったのは1995年です。そのため、当時のままの真正な商品パッケージに45から始まるJANコードが印刷されているなら、年代を考える1つの材料になります。
ただし、後年に復刻されたパッケージ、再販商品、包装だけ変更された長寿商品などもあります。バーコードだけではなく、企業名、住所、ロゴ、容量、食品表示、著作権表示なども合わせて確認するのが安全です。
45・49は商品の原産国を示しているわけではない
もう1つ多い勘違いが「45・49から始まるなら日本製」というものです。
45や49はGS1 Japanから貸与されたGS1事業者コードに関係しますが、商品が日本国内で製造されたことを証明する番号ではありません。45・49の意味と原産国表示の違いは、バーコードの国番号で日本は何番かを解説した記事でも確認できます。
日本企業が海外工場で製造した商品にも45・49から始まるGTINが使われることがあります。逆に日本国内で製造された商品でも、海外のブランドオーナーが設定したGTINなら別のGS1 Prefixから始まることがあります。
日本のスーパーでバーコードが普及したのはいつ?
全国一斉の「普及日」があるわけではない
「日本のスーパーは1982年からバーコードを使った」と1年だけで説明するのも正確ではありません。日本には多数のスーパーや小売企業があり、すべてが同じ時期に同じPOSシステムへ切り替えたわけではないからです。
大まかな流れは次のように整理できます。
| 年代 | 普及の段階 |
|---|---|
| 1978年 | JANシンボルや共通商品コード運用の基盤が整う |
| 1979~1981年 | POSシステムの店頭実験 |
| 1982年 | セブン‐イレブンなど実店舗へのPOS導入が進む |
| 1980年代 | 小売業でJANコードとPOSの活用が段階的に拡大 |
| 1988年 | JICFSやRDSにより商品情報・POSデータ活用も発展 |
したがって「日本ではいつから普通に見かけるようになったのか」という質問なら、1970年代後半に基盤が作られ、1980年代にPOSとともに利用が広がったと答えるのが実態に近いでしょう。
1988年にはJANコードとPOSデータの活用がさらに発展
バーコードの普及は、商品をレジで読み取れるようになったところで終わりではありません。
GS1 Japanの年表では、1988年に全国の小売業からPOSデータを集めて提供するRDSのサービス提供が始まり、JANコードと商品情報を提供するJICFSも開始されたとされています。
これにより、「バーコードを読む」ことから、「JANコードをキーにして商品情報や販売実績を活用する」方向へ利用範囲が広がりました。
昔のスーパーはバーコードなしでどうやって会計していた?
値札などを確認して価格をレジへ入力していた
バーコードスキャナーが一般化する前の店舗では、商品の価格表示や値札などを確認し、レジ担当者が価格を入力して会計する方法が使われていました。
商品が10点なら10点分の価格を確認する必要があります。似た商品や特売商品が多ければ、確認や入力に手間がかかり、入力ミスが起こる可能性もあります。
バーコードとPOSを組み合わせると、商品をスキャンすることで商品識別コードを自動入力できるため、人が数字を1桁ずつ入力する作業を大幅に減らせます。
バーコードの中に商品の販売価格が書かれているわけではない
レジでスキャンした瞬間に「198円」などと表示されるため、「バーコードの線に198円という価格情報が入っている」と思う人もいます。
しかし、一般的なメーカー商品に表示されるJANシンボルは、GTINという商品識別コードを表しています。GS1 JapanのGTIN公式解説では、GTINは企業間で取引される商品を識別するための国際標準の商品識別コードとされています。
POSは読み取ったGTINをキーとして、その店舗の商品マスタなどに登録された情報と照合します。
たとえば通常価格198円の商品を特売日に178円で販売する場合、通常の商品であればパッケージのJANコードを「178円用」に印刷し直す必要はありません。店舗側の価格情報を変更して運用できます。
日本でバーコードが広がった理由
レジ以外にも発注・検品・在庫管理で利用できる
バーコードが小売業に定着した理由を「レジが速くなったから」だけで説明すると、重要な部分が抜けてしまいます。
GS1 JapanのGTIN利用形態では、JANシンボルが小売業のPOS精算だけでなく、商品の発注、入出荷検品、在庫管理などにも利用されていることが説明されています。
たとえば商品Aに同じGTINが設定されていれば、メーカーから出荷するとき、卸で入荷するとき、小売店へ配送するとき、レジで販売するときに同じ商品を識別できます。
人によって「Aジュース」「ジュースA」「A社500ミリリットル」のように異なる商品名を入力するより、標準化された識別コードを利用した方がシステム間で商品を対応させやすくなります。
商品バリエーションが多いほど識別コードが役立つ
実際の商品管理を想像すると分かりやすいでしょう。
「オレンジジュース」というシリーズでも、500ミリリットルと1リットルでは別商品です。無糖と加糖、通常品と別容量の商品も取引上区別する必要があります。
商品名だけでは似ていても、GTINを使えばシステム上で別々の商品として扱えます。この商品識別の仕組みが、レジだけでなく物流や在庫管理でも役立ちます。
JANコードはいつから使われている?バーコードとの違い
JANコードとJANシンボルは厳密には別
商品に付いた黒い線と下の数字をまとめて「JANコード」と呼ぶことがありますが、仕組みを理解するなら「JANコード」と「JANシンボル」を分けて考えると分かりやすくなります。
GS1 JapanのGTIN(JANコード)の説明では、GTINは国際標準の商品識別コードで、日本国内ではJANコードとも呼ばれるとされています。
一方、GS1 JapanのJANシンボルの説明では、JANコードを情報機器へ自動入力するために標準化されたバーコードがJANシンボルとされています。
簡単に整理すると、数字としての商品識別情報がGTIN(JANコード)、その数字を黒と白のバーで表示したものがJANシンボルです。
「JANコードの歴史」と「バーコードの発明史」を混同しない
バーコードという技術の原型は1940年代後半にまでさかのぼります。一方、日本でJANシンボルがJISとして制定され、JANメーカーコードの登録受付が始まったのは1978年です。
したがって、「日本のJANコードは1978年からだから、バーコードも1978年に発明された」という説明は間違いです。
世界的なバーコードの発明史と、日本の商品コード制度の開始時期は別と覚えておきましょう。
古い商品にバーコードがあれば年代を判断できる?
バーコードだけで製造年は特定できない
実際に「バーコード いつから」と検索するきっかけとして多いのが、押し入れや倉庫から古い商品が出てきたケースです。
たとえば、昔の缶詰、お菓子の箱、化粧品、玩具などにJANバーコードが付いていて、「これは昭和の商品なのか、平成の商品なのか」と調べたい場合があります。
日本では1978年にJAN制度の基盤が整えられ、その後利用が広がったため、バーコードの有無は年代を推測する材料にはなります。しかし、バーコードがあるだけで「1985年製」などと正確な年を断定することはできません。
古い商品の年代を調べる5つの確認手順
- 1.JANシンボルが付いているか確認する:日本では1978年以降にJAN制度が整備されています。バーコードがある場合は、その後の時代を考える材料になります。
- 2.45か49かを見る:49は1978年からの日本JANの歴史につながります。45によるJANメーカーコードの貸与開始は1995年です。
- 3.会社名と住所を確認する:旧社名、合併前の会社名、昔の本社住所などが分かれば年代をさらに絞れることがあります。
- 4.パッケージ表示を確認する:ロゴ、内容量、食品表示、電話番号、郵便番号なども年代の手掛かりになります。
- 5.バーコードだけで結論を出さない:復刻版、再発売、パッケージ変更などがあるため、複数の情報を組み合わせます。
想定例|45から始まる古そうなお菓子の箱を見つけた場合
見た目は昭和風のお菓子の箱なのに、JANコードが45から始まっているとします。
「昔っぽいデザインだから1980年代の商品」と考える前に、45によるJANメーカーコードの貸与が始まった時期を確認します。GS1 Japanの年表では、45による貸与開始は1995年です。
そのため、箱そのものが真正な当時の商品でコードも当時印刷されたものなら、1980年代のパッケージとは考えにくくなります。実際には復刻版だったり、昔のデザインを使った後年の商品だったりする可能性も考えられます。
このように、バーコードは「製造年月を直接表示する情報」ではありませんが、他の情報と組み合わせることで年代の矛盾を見つける材料にはなります。
古い本を調べる場合は1990年も参考になる
書籍については別の節目もあります。GS1 Japanの年表では、1990年に日本図書コード管理委員会との連携で書籍JANコードの登録受付を開始し、バーコード表示が始まったとされています。
ただし、古い小説の裏表紙にバーコードがあるからといって、作品自体が1990年以降に初めて出版されたとは限りません。
たとえば1970年代に初版が出た作品でも、1995年に重版された本なら、その版にはバーコードが付いている可能性があります。作品の初版年と、手元にある本そのものが印刷された時期を分けることが重要です。
「バーコードはいつから?」でよくある勘違い・失敗例
失敗例1|1952年からスーパーで使われていたと思う
1952年はウッドランドとシルバーの特許が成立した年です。現在のスーパーで使われているUPCやJANシンボルによるPOS会計が始まった年ではありません。
年代を紹介するときは「1952年にバーコードが実用化された」とまとめず、「基本技術の特許が成立した」と表現する方が正確です。
失敗例2|1974年をバーコードの発明年とする
1974年6月26日は、小売店での歴史的な初スキャンの日です。
バーコードの発想や特許はそれより前に存在します。「発明されたのは1974年」とすると、1940~1950年代のウッドランドとシルバーの発明史が抜けてしまいます。
失敗例3|1978年から日本中の店が一斉にバーコード化したと思う
1978年は日本にとって非常に重要ですが、全国の店舗が一斉に対応した年ではありません。
1979~1981年にはPOSシステムの店頭実験が続き、1982年にはセブン‐イレブンでPOSが導入されています。普及は段階的でした。
失敗例4|45・49を見て商品の製造国を判断する
45や49は「Made in Japan」を意味しません。GS1 Japanから貸与されたGS1事業者コードに関係する数字です。
商品の原産国や製造国を知りたい場合は、商品パッケージの「原産国」「製造者」「輸入者」などの表示を確認する必要があります。
失敗例5|バーコードだけで古い商品の製造年を断定する
バーコードは年代推測の補助材料にはなりますが、製造年月そのものを記録しているとは限りません。
「49だから1978年の商品」「45だから1995年の商品」という決め方もできません。コードが使えるようになった時期と、その個別商品が実際に製造された時期は別です。
年代を知りたいときは何を確認すればいい?目的別判断表
| 知りたいこと | 確認する年代・情報 | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| バーコードはいつ発明された? | 1948~1952年 | ウッドランドとシルバー、特許 |
| スーパーでいつ使われた? | 1973~1974年 | UPC採用と1974年の初スキャン |
| 日本ではいつから? | 1978年以降 | JAN制度、POS店頭実験 |
| コンビニではいつから? | 1982年など | 各企業のPOS導入史 |
| 45はいつから? | 1992~1995年 | 45追加取得と貸与開始 |
| 古い商品の年代を知りたい | バーコード+パッケージ情報 | 45・49、会社名、住所、表示内容 |
| 古い本の年代を知りたい | 1990年以降も参考 | 書籍JAN、版・刷、発行日 |
「バーコード いつから」と検索したときは、まず自分が知りたいのが発明年なのか、店頭利用の開始時期なのか、日本での導入時期なのか、手元の商品年代なのかを決めると、必要な情報へ早くたどり着けます。
バーコードが現在まで使われ続けている理由
世界共通の商品識別の仕組みとして定着している
バーコードが長い歴史を持ちながら現在も使われている理由の1つは、単に「昔から使っているから」ではありません。
GTINなどの標準化された識別コードをバーコードで機械入力する仕組みが、メーカー、卸、小売、物流など幅広い分野に定着しているからです。
同じ商品を共通の番号で識別できれば、企業ごとに商品名を入力し直す負担を減らし、受発注や在庫管理の情報もつなげやすくなります。
新しい技術が出ても役割が違う
現在はQRコードなどの2次元シンボルやRFIDも使われています。QRコードと横線の1次元バーコードの情報量や用途の違いは、2次元コードとバーコードの違いを解説した記事で整理しています。しかし「新しい技術が出たから1次元バーコードは不要」と単純にはなりません。
1次元バーコードは商品識別、2次元シンボルはGTINに加えて賞味期限やロット番号など多くの情報を扱う用途、RFIDは非接触・一括読み取りなど、それぞれ異なる特徴があります。
業務ごとに必要な機能が異なるため、新旧の技術を使い分ける形が現実的です。
QRコードが普及しても1次元バーコードはなくならない?
2027年はJANバーコードの廃止年ではない
近年、「2027年に今のバーコードが廃止される」という情報を見て心配する人もいます。しかし、2027年は1次元バーコードを一斉に使用禁止にする期限ではありません。
GS1 Japanの2D in Retail概要では、GS1本部と業界が2027年末までに、小売業のPOSスキャナーでEAN/UPCシンボルとGS1二次元シンボルの両方を読み取り、処理できるようになることを目標としています。
さらに同ページでは、EAN/UPCシンボルをはじめとする1次元シンボルがなくなるわけではなく、用途がある限り2次元シンボルと共存すると明記されています。
そのため、2027年を「昔のバーコードが使えなくなる年」と覚えないようにしましょう。
2次元シンボルでは賞味期限やロット番号なども表せる
GS1 Japanの2D in Retail標準化情報では、GTINと賞味期限、ロット番号などの属性情報をGS1アプリケーション識別子を使って表現する仕組みが案内されています。
従来のJANシンボルで商品を識別するだけでなく、「どのロットか」「賞味期限はいつか」といった情報まで機械で扱えるようにする方向です。
バーコードは「昔の黒い線からQRコードへ単純に置き換わる」のではなく、扱える情報を増やしながら発展していると考える方が分かりやすいでしょう。
RFIDが普及したらバーコードはなくなる?
RFIDはバーコードとは読み取り方式が異なる
RFIDは、電波を利用してICタグ内のデータを読み書きする技術です。
GS1 JapanのEPC/RFID解説では、RFIDは離れた場所から非接触で読み取ることができ、短時間で大量のタグを読み取れることが特徴として説明されています。
バーコードの場合は基本的に印刷されたシンボルを光学的に読み取ります。黒い線と白いすき間を機械がどのように認識するのかは、バーコード読み取りの仕組みを解説した記事で確認できます。RFIDとは読み取りの原理そのものが違います。
| 方式 | 主な特徴 | 向いている例 |
|---|---|---|
| 1次元バーコード | 印刷されたシンボルを光学読み取り | 商品識別、POS、検品 |
| GS1二次元シンボル | GTIN以外の属性情報も表現可能 | 賞味期限、ロット管理など |
| RFID | 電波による非接触・一括読み取りが可能 | 物流、在庫、資産管理など |
倉庫で大量の商品をまとめて読みたい場合にはRFIDの特徴が役立ちます。一方、商品パッケージへ低コストで識別情報を表示し、レジで1商品ずつ処理する用途ではバーコードが引き続き利用されています。
バーコードの歴史でよくある質問
バーコードが発明されたのは何年ですか?
現在のバーコードにつながる着想は1948~1949年ごろです。ウッドランドとシルバーは1949年10月20日に米国で特許を出願し、1952年10月7日に米国特許2,612,994が成立しました。
1952年からスーパーでバーコードが使われていたのですか?
いいえ。1952年はウッドランドとシルバーの特許が成立した年です。現在の商品流通につながるUPCシンボルの利用合意は1973年、小売レジでの歴史的な初スキャンは1974年です。
スーパーでバーコードが初めてスキャンされたのはいつですか?
1974年6月26日です。米国オハイオ州トロイのMarsh SupermarketでUPCバーコードを使ったスーパー用スキャナーが稼働しました。
最初にスキャンされた商品は何ですか?
Wrigley社のJuicy Fruitチューインガムとして知られています。ただし、「世界で初めてバーコードが印刷された商品」という意味ではなく、1974年の小売レジにおける歴史的な初スキャンの商品です。
日本でバーコードが使われ始めたのはいつですか?
日本では1978年にJANシンボルがJISとして制定され、国コード49の取得やJANメーカーコードの登録受付開始が行われました。
その後1979~1981年にPOS店頭実験が行われ、1980年代に小売現場で利用が広がっていきました。
日本のスーパーで一般的になったのはいつですか?
全国のスーパーが同時に導入したわけではないため、1つの「普及年」を断定することはできません。
1978年にJAN制度の基盤が整い、1979年からPOS店頭実験が始まり、1980年代に企業のPOS導入が進んだという流れで理解するのが適切です。
JANコードはいつから使われていますか?
日本のJAN制度では1978年が大きな節目です。この年にJANメーカーコードの登録受付が始まり、JANシンボルもJISとして制定されました。
ただし、1978年に全国の全商品へJANコードが一斉表示されたという意味ではありません。
45から始まるJANコードは1978年からありましたか?
いいえ。GS1 Japanの年表では、日本が国コード45を追加取得したのは1992年、45によるJANメーカーコードの貸与開始は1995年です。
49から始まる商品なら1978年製ですか?
そうとは限りません。49は日本が1978年に取得したコードですが、その番号帯はその後も長期間利用されています。
49から始まっていることだけで個別商品の製造年を特定することはできません。
コンビニではいつからバーコードを使っていますか?
コンビニ各社が同時に導入したわけではありませんが、具体的な節目の1つとしてセブン‐イレブン・ジャパンが1982年にバーコードを活用したPOSシステムを採用しています。
古い商品にバーコードがあれば年代が分かりますか?
大まかな時代を考える材料にはなりますが、製造年を確定することはできません。
45・49の先頭数字だけでなく、会社名、住所、ロゴ、内容量、食品表示、パッケージデザインなど複数の情報を確認してください。
2027年にJANバーコードは使えなくなりますか?
使えなくなるという意味ではありません。GS1のAmbition 2027は、小売POSで従来のEAN/UPCシンボルとGS1二次元シンボルの両方を処理できる環境を目指す取り組みです。
GS1 Japanは、用途がある限り1次元シンボルと2次元シンボルは共存すると説明しています。
まとめ|バーコードは1940年代後半に考案され1970年代に小売店で実用化された
「バーコードはいつから使われている?」という疑問は、1つの年だけで答えると誤解しやすいため、発明、特許、標準化、店舗利用、日本への導入を分けて考えることが重要です。
- 1948~1949年ごろ:ウッドランドがバーコードにつながる着想を得る。
- 1949年10月20日:ウッドランドとシルバーが米国で特許出願。
- 1952年10月7日:米国特許2,612,994が成立。
- 1973年4月3日:米国小売業界がUPCシンボルの利用に合意。
- 1974年6月26日:米国オハイオ州のスーパーでUPCが歴史的な初スキャン。
- 1978年:日本でJANシンボルJIS制定、国コード49取得、JANメーカーコード登録受付開始。
- 1979~1981年:日本でPOSシステム店頭実験。
- 1982年:セブン‐イレブン・ジャパンがバーコードを活用したPOSシステムを採用。
- 1988年:JICFSやRDSなどJANコード・POSデータの利用環境がさらに発展。
- 1992年:日本が国コード45を追加取得。
- 1995年:45によるJANメーカーコードの貸与開始。
最も短くまとめれば、バーコードの原型は1940年代後半、特許は1952年、小売用UPCの標準化は1973年、スーパーでの歴史的な初スキャンは1974年、日本のJAN制度の大きな節目は1978年です。
古い商品を見て年代を知りたい場合は、バーコードがあるかどうかだけで判断しないことも重要です。45・49の違い、会社名、住所、パッケージ表示などを組み合わせれば、年代の範囲を考えやすくなりますが、JANコードそのものが製造年月を示しているわけではありません。
また、QRコードやRFIDが普及しても、1次元バーコードが直ちになくなるわけではありません。GS1では2027年末を目標に、POSで従来のEAN/UPCとGS1二次元シンボルの双方を処理できる環境づくりが進められています。
普段何気なくレジで聞いている「ピッ」という音の背景には、1940年代後半の発想から、特許、レーザー技術、コンピューター、商品コードの標準化、日本のJAN制度、POSの普及へと続く長い歴史があります。バーコードは単なる黒い線ではなく、商品を共通の方法で識別し、販売から物流までをつなぐ仕組みとして現在も使われ続けています。


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