イギリスの国番号「+44」とは?
+44が示す意味と国際電話での役割
海外からの電話やSMSで「+44」という表示を見たことがある人も多いと思います。この+44は、国際電話で使われるイギリス(英国)の国番号です。世界中どこからでもイギリスの電話番号にかけるときは、この+44を最初に付けることで、「これからイギリスにつなぎます」という合図を通信網に伝えています。
国番号は、国際電気通信連合(ITU)が決めているもので、日本なら+81、アメリカやカナダは+1、韓国は+82といったように、国や地域ごとに固有の番号が割り当てられています。その中で+44は、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドを含むグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(いわゆるイギリス)に対して使われる番号です。
スマホの着信画面やサービスのログイン認証(SMS認証)で+44が表示されているときは、「イギリス由来の番号を使っている」ということを意味します。ただし、IP電話や各種認証サービスの中には、実際の発信地とは違う国番号を経由して送信している場合もあるため、「+44だから必ずイギリスから発信されている」とは限らない点も覚えておくと安心です。番号表示は発信元の物理的位置そのものではなく、「どの番号体系(どの国番号の番号)を使っているか」を示すだけのこともあります。
イギリス国内番号との関係(0を取るルール)
イギリス国内で電話をかけるときは、日本と同じように市外局番の前に0(ゼロ)を付けるのが一般的です。たとえばロンドンの固定電話番号が「020 1234 5678」の場合、ロンドン市内・イギリス国内からかけるときはそのまま「020 1234 5678」とダイヤルします。
しかし、海外からイギリスに電話をかけるときは、この先頭の0を必ず取り除いてからかけるというルールがあります。先ほどのロンドンの番号に日本から電話をかける場合、実際にダイヤルするのは「+44 20 1234 5678」という形です。
つまり、
- イギリス国内 → 020 1234 5678
- 海外(日本など) → +44 20 1234 5678(先頭の0を取る)
という違いがあります。
この「国内の0を取って国番号+44を付ける」というルールは、固定電話だけでなく携帯電話にも共通です。イギリスの携帯番号は「07」で始まりますが、日本からかけるときは「0」を取り除き、「+44 7xxx xxx xxx」という形でかけることになります。このルールを知らないと、番号をそのまま入力してつながらない、という失敗をしやすいので注意しましょう。
日本からイギリスへ国際電話する正しいかけ方
日本からイギリスへ国際電話をかける場合、基本的な番号のルールは共通していますが、自分が使っている端末(スマホ・固定電話・ガラケー)によって操作方法や注意点が少しずつ異なります。
イギリスの国番号は「+44」で、最大のポイントはイギリス国内番号の先頭に付いている「0」を必ず外すことです。このルールを理解していれば、どの端末からでも正しく発信できます。
ここでは、かける側の端末ごとに分けて、さらに相手が固定電話か携帯電話かという違いも含めて、具体的な番号例つきで解説します。
日本のスマートフォンからイギリスへかける場合
スマートフォンから国際電話をかける場合は、「+」記号を使えるため、比較的シンプルにダイヤルできます。ただし、国際通話が契約上有効になっていないと発信できないことがあるため、事前確認がおすすめです。
スマートフォンで「+(プラス)」を入力する方法
スマートフォンから国際電話をかける場合は、番号の先頭に「+(プラス)」を付けて国番号を入力します。この「+」は国際電話識別番号の代わりになるもので、日本の「010」と同じ役割を果たします。
ただし、スマートフォンに慣れていないと「+の出し方が分からない」という人も少なくありません。実際には、とても簡単な操作で入力できます。
スマホで「+」を出す方法:
・電話番号入力画面で「0」を長押しする
・数秒待つと「0」が「+」に変わる
この方法は、iPhoneでもAndroidでも共通です。特別な設定は必要なく、通常の電話アプリでそのまま使えます。※ただし一部端末や電話アプリでは操作が異なることがあるため、うまく「+」が出ない場合は、後述の「010」方式で発信してください。
たとえば、イギリスの携帯電話にかける場合は、
+44 7xxxx xxxxxx
という形で入力すれば、そのまま発信できます。
「010」を使わずに「+」から始められるのはスマートフォンならではの特徴なので、覚えておくと国際電話をかける際にとても便利です。
相手がイギリスの固定電話の場合
イギリスの固定電話番号は、国内では「0」から始まる市外局番が付いています。海外からかける場合は、この先頭の0を必ず削除します。
例:
イギリス国内表記:020 1234 5678(ロンドン)
日本からのダイヤル例:+44 20 1234 5678
「020」の「0」を取らずに入力すると、番号として認識されず、つながらない原因になるため注意が必要です。
相手がイギリスの携帯電話の場合
イギリスの携帯電話番号は、国内では「07」から始まります。海外からかける場合は、固定電話と同じく先頭の0を外してダイヤルします。
例:
イギリス国内表記:07123 456789
日本からのダイヤル例:+44 7123 456789
スマホの場合、「010」を入力する必要はなく、「+44」から直接入力できるのが特徴です。
日本の固定電話からイギリスへかける場合
自宅や会社の固定電話から国際電話をかける場合は、国際電話識別番号「010」を使うのが一般的です。「+」記号は使えないため、番号の順番を正確に入力する必要があります。
相手がイギリスの固定電話の場合
固定電話からイギリスの固定電話へかける場合の基本構成は次の通りです。
010 → 44 → 市外局番(先頭の0を除く) → 加入者番号
例:
イギリス国内表記:020 1234 5678
日本からのダイヤル例:010 44 20 1234 5678
市外局番の「0」を削除し忘れるミスが非常に多いため、固定電話では特に注意しましょう。
相手がイギリスの携帯電話の場合
携帯電話宛ての場合も、考え方は固定電話と同じです。「07」の「0」を外してから番号を入力します。
例:
イギリス国内表記:07123 456789
日本からのダイヤル例:010 44 7123 456789
固定電話からの国際通話は料金が高くなりやすいため、長時間通話になる場合は料金体系を事前に確認しておくと安心です。
ガラケー(従来型携帯電話)からイギリスへかける場合
ガラケーからイギリスへ国際電話をかける場合も、基本的な番号ルールはスマートフォンと同じです。ただし、機種や契約プランによっては国際通話が制限されていることがあるため、事前確認が重要です。
相手がイギリスの固定電話の場合
多くのガラケーでは、「010」を使って国際電話をかけます。
日本からのダイヤル例:010 44 20 1234 5678
この場合も、市外局番の先頭にある「0」を外す点は必須です。
相手がイギリスの携帯電話の場合
携帯電話宛ての場合は、「07」の「0」を取った番号に「44」を付けてダイヤルします。
日本からのダイヤル例:010 44 7123 456789
ガラケーは通話料金が割高になりやすく、SMS送信も制限されることがあります。頻繁にイギリスと連絡を取る場合は、通話アプリや別の連絡手段も検討するとよいでしょう。
イギリスの市外局番・携帯番号の基本構造
ロンドン(20)など主要地域の番号構造
イギリスの固定電話番号は、国番号「+44」+市外局番+加入者番号という構造になっています。ただし、ここで注意したいのが「市外局番の先頭に付く0の扱い」です。
イギリス国内から固定電話へかける場合、市外局番の前には必ず「0」が付きます。この0は「国内通話用プレフィックス」と呼ばれるもので、国内から発信していることを示すための番号です。
しかし、日本を含む海外からイギリスへ国際電話をかける場合は、この市外局番の0を必ず取り除く必要があります。0を付けたままダイヤルすると、番号として正しく認識されず、つながらない原因になります。
代表的な都市の市外局番は次の通りです。
- ロンドン:020(海外からは「20」)
- バーミンガム:0121(海外からは「121」)
- マンチェスター:0161(海外からは「161」)
- エジンバラ:0131(海外からは「131」)
- リバプール:0151(海外からは「151」)
- リーズ:0113(海外からは「113」)
たとえば、ロンドンの固定電話番号が「020 1234 5678」の場合、イギリス国内ではそのまま「020 1234 5678」とダイヤルしますが、日本からかける場合は次のようになります。
日本からのダイヤル例:
010 44 20 1234 5678
このように、「020」の先頭の0を削除し、「20」として扱うのが正しい方法です。これはロンドンに限らず、イギリス全土の固定電話に共通するルールなので、必ず覚えておきましょう。
市外局番の桁数は地域によって異なりますが、「国内では0付き、海外からは0を外す」という考え方さえ理解していれば、どの地域でも迷わず対応できます。
携帯番号は07から始まる仕組み
イギリスの携帯電話番号は、国内では「07」から始まる番号帯にまとめられています。これは日本の「090」「080」「070」に近い考え方で、「07」で始まることで携帯電話番号であることを示しています。
国内での表示例としては、「07123 456789」のような形式が一般的です。この最初の「07」が携帯電話用の識別番号で、その後の数字の組み合わせによって通信事業者や契約区分が管理されています。
日本からイギリスの携帯電話へかける場合も、固定電話と同じルールが適用されます。つまり、先頭の0を取り除いてから国番号+44を付けるという流れです。
日本からのダイヤル例:
010 44 7123 456789
このように、「07123 456789」は海外から見ると「+44 7123 456789」という形になります。スマートフォンから発信する場合は、「010」を使わずに「+44 7…」と入力しても問題ありません。
イギリスの携帯番号は、通信事業者の統合やサービス変更によって細かな番号帯が更新されることがありますが、「07で始まる番号は携帯電話」「海外からは0を外す」という基本ルールは変わりません。
そのため、知らない番号であっても「+44 7…」という形になっていれば、イギリスの携帯電話番号である可能性が高いと判断できます。この構造を理解しておくことで、国際電話やSMSを扱う際の混乱を大きく減らすことができます。
イギリスへ電話する時にやりがちな間違い
市外局番の「0」を消し忘れるケース
日本からイギリスに電話をかけるときのもっとも多いミスが、イギリス国内の市外局番や携帯番号の先頭の0をそのまま入力してしまうことです。たとえば「020 1234 5678」と書かれている番号を見て、「010 44 020 1234 5678」とダイヤルしてしまうパターンです。
この場合、電話がつながらなかったり、「この番号は現在使われていません」というアナウンスが流れたりします。原因は、国際電話のルールでは市外局番の0は使わないのに、そのままダイヤルしてしまっているからです。イギリスだけでなく、多くの国で「国内通話用の0」と「国際通話時に取る0」のルールがあります。
そのため、イギリスの番号を見るときは、まず先頭の0を指で隠してみて、その後ろの数字から国番号+44を付けるという意識を持つと失敗が減ります。ロンドンの020なら「20」、携帯電話の07なら「7」から始まる番号に置き換えて考えると分かりやすくなります。
SMSや国際料金の誤解を避けるポイント
もう一つよくあるのが、SMSやデータ通信の料金を勘違いしてしまうケースです。スマホから+44の番号宛てにSMSを送ると、日本国内向けのSMSとは料金体系が異なり、国際SMS扱いで1通あたりの料金が高くなることがあります。格安SIMや一部のプランでは、国際SMSに対応していない場合もあります。
また、通話アプリやメッセンジャーアプリを使えば、+44宛てでもインターネット経由で比較的安く通話できますが、相手側にも同じアプリが入っている必要がある、Wi-Fiがない環境では自分のデータ通信量を消費するなどの条件があります。「アプリなら全部無料」と思い込まず、通信環境やプランを確認してから使うようにしましょう。
イギリスとの通話料金を安くする方法
通話アプリを使う場合の注意点
イギリスとの通話料金をできるだけ抑えたい場合、LINE通話・Skype・WhatsApp・FaceTime Audioなどのインターネット通話アプリを活用する方法があります。これらのアプリは、従来の電話回線ではなくインターネット回線(データ通信)を使って音声通話やビデオ通話を行うため、国際電話料金が発生しない、または大幅に安くなるケースが多いのが特徴です。
特に、すでに日常的にLINEやWhatsAppを使って連絡を取っている相手であれば、追加の手続きなしですぐに通話できる点は大きなメリットです。短い連絡から長時間の会話まで、用途に応じて柔軟に使えるため、イギリスとの連絡手段として非常に人気があります。
ただし、通話アプリを使う際には、次のような注意点を理解しておく必要があります。
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お互いが同じ通話アプリを利用できる環境にあるか
通話アプリは、基本的に発信者と受信者の双方が同じアプリをインストールしている必要があります。相手がそのアプリを使っていなかったり、操作に不慣れだったりすると、結局は通常の電話番号にかけ直すことになり、その場合は通常の国際電話料金が発生します。 -
Wi-Fi環境がない場合はデータ通信量を消費する
モバイル回線(4G・5G)を使って長時間通話をすると、データ通信量を多く消費します。特にビデオ通話は通信量が大きく、契約しているデータ容量によっては速度制限がかかる原因にもなります。長時間話す場合は、自宅やカフェ、職場などの安定したWi-Fi環境を利用するのが安心です。 -
緊急連絡や公式な用途には不向きな場合がある
通話アプリは便利ですが、通信状況に左右されやすく、回線が不安定だと音声が途切れることもあります。そのため、重要な連絡や確実につながる必要がある場面では、通常の国際電話のほうが適しているケースもあります。
このように、通話アプリは「相手もアプリを使っている」「Wi-Fi環境がある」「長時間話したい」といった条件がそろっている場合に特に向いています。一方で、状況によっては通常の電話回線を使ったほうが安心な場面もあるため、用途に応じて使い分けることが大切です。
キャリアごとの国際通話設定の違い
日本の携帯キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)や格安SIM各社は、それぞれ独自の国際電話サービスを提供しています。これらのサービスを正しく利用すれば、通常よりも安い料金でイギリスへ国際電話をかけることが可能です。
一般的に、日本から国際電話をかける際は「010」を付けて発信しますが、キャリアによっては「0033」「0041」などの国際電話用プレフィックスを使うことで、割引料金が適用されるサービスもあります。どの番号を使うかによって通話料金が変わるため、何も考えずに発信すると、思った以上に高額になることもあります。
また、国際電話を利用するためには、事前の利用登録やオプション契約が必要な場合もあります。契約内容によっては、初期設定のままでは国際電話が制限されており、「番号は合っているのにつながらない」というトラブルが起こることも少なくありません。
特に注意したいのは、スマートフォンから「+44」を付けて発信した場合でも、契約しているプランによっては高額な従量課金になるケースがある点です。イギリスへの通話料金はキャリアごとに異なり、1分あたり数十円〜数百円と幅があります。
頻繁にイギリスへ電話をかける予定がある人は、以下のような選択肢を検討すると安心です。
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国際通話オプションを追加する
月額料金を支払うことで、国際電話が割引になるプランを用意しているキャリアもあります。短期間でも複数回通話する場合は、結果的に安くなることがあります。 -
海外向け定額・かけ放題プランを検討する
仕事や家族連絡などで定期的にイギリスへ電話する場合は、海外向けの定額通話サービスが向いています。利用条件を確認したうえで選ぶと、通話料金の不安を減らせます。 -
公式サイトやサポート窓口で事前に確認する
キャリアの公式サイトやサポートに「イギリスへの通話料金を安くしたい」と相談すると、自分の契約状況に合った最適なプランを案内してもらえることが多いです。
このように、イギリスとの通話料金を安くする方法は一つではありません。通話アプリとキャリア通話を状況に応じて使い分けることで、無駄な出費を抑えつつ、安心して国際電話を利用することができます。
まとめ|国番号+44を正しく理解してイギリスに安全に発信しよう
この記事では、「国番号+44はイギリス」であることを前提に、日本からイギリスへ国際電話をかけるときの基本的なルールや、よくある間違い、料金面での注意点までをまとめて解説しました。ポイントをあらためて整理すると、次のようになります。
- +44はイギリス(英国)に割り当てられた国番号で、国際電話でイギリスにつなぐための識別番号。
- 日本からかけるときは「010 44」のあとに、市外局番や携帯番号の先頭の0を取ってダイヤルする。
- 固定電話も携帯電話も、「国内の0」は国際電話では使わないのが基本ルール。
- SMSや通話料金は国内向けとは異なるため、事前にプランや料金体系を確認しておくと安心。
最初は少しややこしく感じるかもしれませんが、「国番号+44を付けて、イギリス側の0を取る」というポイントさえ押さえておけば、かけ方自体はとてもシンプルです。大切なのは、なんとなく番号を入力するのではなく、番号の意味と国際電話のルールを理解したうえで発信することです。
特にスマートフォンでは、「+」を使って発信できたり、通話アプリと通常の電話を使い分けられたりと、選択肢が多い分だけ迷いやすくなります。あらかじめ正しい知識を持っておくことで、「つながらない」「思ったより高額だった」といったトラブルも防ぎやすくなります。
国番号+44の仕組みを理解しておけば、留学中の家族に電話をかけるときや、イギリスの取引先・知人と連絡を取る場面でも、落ち着いて正しく発信できます。この記事が、あなたが安心してイギリスに電話をかけるための、実用的な参考資料になればうれしいです。困ったときは「+44を付けて0を外す」という基本に立ち返るだけでも、ミスをかなり減らせます。

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