国番号63で東京電力を名乗る電話は本物?|詐欺の見分け方と照合方法

結論と注意喚起:+63(フィリピン)発信は原則折り返しNG
まず取るべき対応(折り返さない・個人情報を言わない)
折り返し発信はしない・個人情報は言わない・リンクは開かない。この三点を守れば、被害の入口をほぼ塞げます。料金未納や供給停止をほのめかす“焦らせる話法”、返金やポイントを餌にする“お得話法”、外部アプリの導入やコード入力を迫る“誘導話法”はいずれも典型です。判断に迷ったら通話を切り、内容と時刻をメモに残しましょう。
本物確認は自分発信で「公式窓口」へ
相手が告げた番号にかけ直すのは厳禁です。検針票・公式サイト・会員ページに載る正規番号へ自分で発信し、案内の有無を照合します。正規手続きは公式の電話・Webに集約されているため、ここで一致しなければ対応不要です。録音やスクリーンショットを残すと相談がスムーズになります。
国番号+63とは?
+63の意味と国番号の基礎知識
国番号は、国際電話網で宛先の国や地域を識別するための番号です。+63 はフィリピンに割り当てられています。日本の電力会社など国内企業の顧客対応が海外番号から直接発信されるのは、費用や運用面でも一般的ではありません。したがって、国内企業を名乗る海外番号=要警戒と覚えておくのが安全です。
国内企業を名乗る海外番号発信が不自然な理由
電力会社の重要連絡は、原則として国内回線や封書、公式Web、会員ページ経由で行われます。電話番号表示は技術的に“なりすまし”も可能なため、見た目の番号で真偽は判断できません。番号よりも、連絡の取り方(自分発信で公式へ)と裏取りの手順で安全性を担保しましょう。
“東京電力”を装う典型的な手口
- 料金未納・強制停止をほのめかす脅し型:今すぐ振り込みやカード番号の読み上げを迫る。期限が極端に短い・支払方法が限定的なら危険信号。
- 還付金・キャッシュバックの誘導型:返金を名目にURLクリックや口座情報入力を要求。外部アプリの導入を求めるのも要注意。
- 契約切替・ポイント還元の勧誘型:お得情報を装い、氏名・住所・認証コードの聞き出しが目的。丁寧でも証跡を示せなければ相手にしない。
真偽の見分け方:チェックリスト
- 名乗りの不自然さ:部署や氏名が曖昧、折り返し先が海外、相手が指定した番号にだけかけさせる。
- 支払い・期限の異常:電子マネーやギフトカード購入、QRコード決済に限定、異様に短い期限設定。
- リンク・外部アプリ誘導:SMSのURLクリックや不明アプリの導入要請は中断。正規手続きは公式サイトに集約。
- 言語と時間帯:不自然な日本語、深夜早朝の着信、やたら長い説明は疑いの材料。
東京電力の正規連絡(電話・SMS)の特徴と見分け方
ポイントは「送信元・URL・自分発信での照合」の三つです。番号の見た目だけでは真偽を判定できないため、正規条件に当てはまるかを落ち着いて確認し、最終判断は自分から正規窓口へ発信して照合します。
正規SMSの送信元とURL(スマホ決済〈SMS選択払い〉利用時)
- docomo/au 宛:0120-659-436 からのSMS
- SoftBank 宛:249024(5桁短番号)からのSMS
- 決済URL:
https://www.payment.tepco.co.jp/XXXXX
(末尾は毎回異なる)のみが正規案内
上記と異なる送信元や、payment.tepco.co.jp以外のドメインは開かないでください。詳細は公式の案内を参照できます:
スマホ決済(SMS選択払い)のご案内/
フィッシングSMS注意喚起
東京電力が電話する場合の基本姿勢(公式方針)
- 電話の際は会社名・所属・氏名を名乗る。
- 非通知や発信専用番号からの架電は行わない(と公式に明記)。
- 手続きや確認で電話連絡をする場合はあるが、真偽は必ず自分発信で裏取りすること。
公式の注意喚起ページ:
「装ったメール・電話・訪問販売等にご注意」
正規窓口へ自分で発信して照合(カスタマーセンター)
相手が示した番号にはかけ直さず、以下の正規窓口に自分で発信して案内の有無を確認してください(受付:月〜土 9:00〜17:00)。
- 規制料金プラン:0120-995-001(国際・一部IP不可は 03-6374-8936)
- 電気の自由料金・ガス料金:0120-995-113(国際・一部IP不可は 03-6375-9835)
- 期限切れ料金の確認:(規制)03-6375-9797/(自由料金)0570-055-335
番号は公式ページで最新を確認:
東京電力エナジーパートナー|カスタマーセンター
NGサインの早見表(番号の見た目だけで判断しない)
- 海外番号(例:+63)からの“東京電力”名乗り:運用として不自然。折り返し禁止、正規窓口で照合。
- 非通知・折り返し不可の番号:公式方針と矛盾。相手が示した番号やURLは使わない。
- 支払い方法の限定・極端に短い期限:ギフト券・QR・海外送金などは詐欺の常套手段。
- SMS内のリンクが不審:短縮URLや正規ドメイン以外は開かない。公式サイトを自分で検索→ブックマークからアクセス。
※記載は執筆時点の公式情報に基づきます。運用や番号は変更される場合があるため、記事内リンクから最新の公式表記も併せて確認できるようにしておくと安心です。
SMSにも注意:URLと認証コードの安全な扱い
よくあるSMSのパターンと危険サイン
- 料金未納・即日停止をほのめかす:「本日中に支払い」「直ちに手続き」など、焦らせる表現は典型です。
- 還付金・キャッシュバックで誘導:返金を名目にURLクリックや口座入力を促すものは要注意です。
- 外部アプリの導入要求:検針・本人確認を口実に、見知らぬアプリのインストールを迫る手口があります。
- 短縮URL・不自然なドメイン:公式サイト名と一致しないURL、短縮URLは踏まないのが鉄則です。
例)「【東京電力】未納料金があります。至急こちらからお支払いください:https://◯◯◯」「【電力会社】還付金の手続きはこちら 本日23:59まで」など。
URLの安全確認と“踏まない”原則
SMSに記載のリンクは直接開かないのが基本です。内容確認は自分で公式サイトを検索し、ブックマークや検針票にある正規URLからアクセスして照合します。URLの一部が似ている(例:公式ドメインっぽい綴り違い)場合もクリック禁止。迷ったら何もしないまま閉じてOKです。
認証コード・本人確認コードの取り扱い
- コードは第三者に伝えない:電話やSMSで聞かれても絶対に共有しないでください。
- 認証アプリを優先:二段階認証はSMSよりも、認証アプリやセキュリティキーのほうが安全で安定です。
- コード未着時の基本:機内モードのオン→オフ、時刻の自動設定、受信フィルタ見直し、数分おいて再送を順番に。
端末のSMSフィルタ設定(iPhone/Android)
- iPhone:設定 → メッセージ → 不明な差出人をフィルタを有効化。迷惑メッセージ報告も併用。
- Android:Googleメッセージ等の設定でスパム保護を有効化。迷惑として報告を積極的に実施。
併せて、各キャリアの迷惑SMSブロックや国際SMS制限のオプションが有効です。自分の契約プランに対応する設定を確認しましょう。
もし開いてしまった・入力してしまったら
- 即時の初動:通信を切り、入力したID・パスワードはすぐに変更。二段階認証を有効にします。
- 金融情報を触った場合:カード会社・銀行へ至急連絡し、取引停止や再発行を依頼。
- 相談・通報:消費者ホットライン(188)/警察相談(#9110)/キャリアの迷惑SMS通報を活用。
照合方法:安全に確認する手順
通話を切ったら、自分の手で正規窓口へ。検針票や公式Webに掲示された番号に発信し、案内内容の有無を確認します。照会時は契約者名・住所・お客さま番号など最小限に絞り、むやみに個人情報を話さないこと。日時・担当者名・要点をメモし、必要に応じ録音や画面保存を行いましょう。
スマホとキャリアでの着信拒否・ブロック
iPhoneでの個別番号ブロックとフィルタ
着信履歴から対象番号をブロック。あわせて「不明な発信者を消音」を有効化すれば、登録外の番号は留守電へ回せます。見知らぬ番号には出ず、留守電→自分発信で裏取りの運用が安全です。
Androidでの迷惑通話保護と番号ブロック
標準の電話・メッセージアプリに迷惑判定・ブロック・通報機能があります。端末やOSで表示は異なりますが、履歴からブロックとスパム保護の有効化をセットで実施しましょう。
キャリアの迷惑電話対策サービス
主要キャリアは迷惑電話自動判定、国際電話の制限、SMSフィルタ等を提供しています。契約により機能・料金が異なるため、公式案内を参照し、自分の利用環境に合わせて設定しましょう。
被害防止と費用リスクを下げるコツ
- 国際ワン切りに折り返さない:費用・情報流出の入口になり得ます。発信は常に自分発。
- 家族共有のルール化:「不明番号は留守電で一次防御」「確認は公式へ自分発信」を家庭内でも徹底。
- プレフィックス管理:危険度が高い国番号はメモ化し、ラベル付けやブロック履歴を残すと再発を抑制。
通報・相談先
- 消費者ホットライン(188):身近な相談窓口へつながります。状況整理に役立ちます。
- 警察相談(#9110):緊急性が低い相談や不審事案の報告に。
- 携帯キャリアの迷惑通報:報告が蓄積されるほど判定精度が向上します。
- カード会社・銀行:口座情報やカード情報を伝えてしまった可能性がある場合は即連絡し、停止・再発行・監視を依頼。

まとめ:不審な+63着信は折り返さず、正規窓口で自己確認を
番号の見た目では真偽は判定できません。だからこそ、折り返さない・個人情報を言わない・公式窓口へ自分発信という基本を徹底しましょう。継続して着信する番号は端末とキャリアの機能でブロックし、記録を残して通報・相談へ。落ち着いて裏取りするだけで、被害の多くは未然に防げます。
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