最初に押さえたいポイント
近ごろ「+183」や「1833」、「1838」で始まる着信やSMSに戸惑う声が目立ちます。結論から言えば、国番号としての「183」は存在しません。多くは北米の共通国番号+1の後ろに続く桁(エリアコードや事業者番号など)が、画面上で「+183」と見えているだけです。したがって、見た目だけで「海外の重要連絡だ」と判断せず、出ない・折り返さない・公式で確認という手順に立ち戻ることが安全です。

国番号183とは?基本から整理する
183が国番号でない理由
国際電話は「+ 国番号 → 国内番号」の順で構成されます。北米一帯は共通国番号+1を使い、続く3桁がエリアコードです。よって「+183…」は+1の後ろに8で始まる桁が続いただけで、「183という国」を示すわけではありません。画面の余白や区切り方次第で「二桁の国番号」に見えてしまうのが混乱の原因です。
183から始まる12桁に見える番号の正体
表示の仕様やスペースの入り方で、桁が多く見えることがあります。北米では「+1+3桁エリア+7桁加入者」が基本で、記号を除けば11桁が一般的です。桁数だけで真偽は判断できません。大切なのは先頭の+と国番号を読み取り、後続が国内構造(エリアコード等)であることを理解することです。
「+」が示す意味
先頭の「+」は「これから国際形式が始まる」印です。日本からかけるときは「010」や「+」入力が相当します。受信画面に+がない場合は、国際番号ではなく国内の市外局番表示の可能性が高く、判断の起点が変わります。
本物の電話か詐欺かを見抜くコツ
183着信時にまず確認すること
- +の有無と先頭が+1かを確認(+1なら北米の枠組み)。
- 心当たりがなければ出ない・折り返さない。
- 要件が本当らしいなら、相手企業の公式サイト掲載の代表番号へ本人からかけ直す。
- SMSのURLや添付は開かない。まず内容を保存して慎重に判断。
迷惑電話との違いを見分けるポイント
- ワン切り誘導:数コールで切り、折返しを狙う。
- 自動音声:「未納」「還付」を名乗り、キー操作やサイトアクセスを要求。
- 番号なりすまし:国内事業者や公的機関風に見せる表示に注意。
固定電話と携帯で異なる備え
固定回線は国際発着信の休止を申し込めば根本対策になります。携帯は未知・国際・非通知をふるいにかけるブロック設定、留守電振り分け、迷惑通話の通報共有アプリで守りを固めましょう。
1833・1838から始まる番号に要注意
1833の注意点
+1 833は北米のトールフリー(フリーダイヤル)系エリアコードのひとつです。無料と聞くと安心しがちですが、折返し誘導や長時間待機を狙った手口もあります。発信元が明確でない限り、むやみに応答・折返しはしないでください。
1838の見え方と典型例
+1 838は米国の地域エリアコード(ニューヨーク州北東部のオーバーレイ)です。国番号ではありません。配送通知や銀行名をかたるSMSとセットで届く事例があり、URL踏ませ型のフィッシングに注意が必要です。
国内の「0183」との違いも把握する
日本の0183は秋田県(湯沢市・雄勝郡羽後町など)の市外局番です。先頭に+が付かない点が国際番号との大きな違い。+183と0183は並びが似ていますが完全に別物なので、表示だけで早合点しないことが大切です。

詐欺を避けるための具体策
番号の確認と情報の扱い
- 検索で同番号の被害報告がないか調べる(ただし鵜呑みにはしない)。
- 本人確認情報や認証コードは電話口で伝えない。
- 必要なやり取りは正規窓口へこちらから発信し直す。
簡単にできる設定とアプリ活用
- スマホ:国際番号・非通知・未登録のブロック/留守電振分けを有効化。
- 固定:不要期間は国際発着信休止を申し込み、必要時に再開。
- アプリ:迷惑番号データベースの更新頻度と通報共有のしやすさで選ぶ。
まとめ
国番号183は存在しません。 「+183…」は+1の後に8で始まる桁が続く見え方で、1833(トールフリー系表示)や1838(地域エリアコード)も国を示すものではありません。国内の0183は秋田の市外局番であり、国際番号とは別物です。見た目に惑わされず、出ない・折返さない・公式で確認を合言葉に、端末設定・回線設定・運用ルールの三層で備えましょう。