国番号871の着信、ビジネスチャンスか危険信号か?
+871という番号から突然の着信があったら、「どこの国から?」「出ても大丈夫?」と不安に思う人も少なくありません。実はこの番号、一般的な国とは異なり、特別な用途に使われる番号です。本記事では、+871の正体や仕組み、詐欺リスク、そして着信時の正しい対応方法について、事実に基づいて詳しく解説します。
+871の正体とその背景
+871は、国際電気通信連合(ITU)によって割り当てられた、特定の国に属さない衛星通信サービス用の国番号です。これは、主にインマルサット(Inmarsat)という衛星通信プロバイダが使用していた番号帯の一つであり、地上のインフラが使えない地域—海上や辺境、災害時など—で通信を可能にするための仕組みとして運用されてきました。
かつてインマルサットは、+871から+874までの番号をサービスに割り当てていましたが、現在は+870に統一される方向で整理が進められており、+871はすでに使用が終了している場合もあります。

+871からの着信に潜むリスク
現在、+871は正式な通信目的で使われることはほとんどありません。にもかかわらずこの番号から着信がある場合、次のようなリスクが考えられます。
- 高額な通話料を狙ったワン切り詐欺
- 折り返しの通話で不正課金を狙う悪質業者
- 個人情報の収集を目的としたなりすまし
特に+871のような特殊番号は、通話料が数秒で数千円以上に達することもあるため、不用意に折り返すのは非常に危険です。
衛星通信に関する誤解と実態
「衛星通信」と聞くとビジネスや先進的なイメージを持つかもしれませんが、個人が日常的に利用することはほとんどありません。特に+871はすでに過去の規格であり、現在は+870に移行しているため、現代における着信は極めて異常であると言えます。
一方で、災害支援や海上通信、国際報道機関などでは衛星通信が今なお利用されていますが、それらの機関は通常、+870や他の専用帯域を利用しています。

他の類似番号との比較
+871以外にも、衛星通信や特殊用途に割り当てられた番号はいくつか存在します。
- +870:現在のインマルサットで使用される正規の衛星通信用番号。
- +881:グローバルモバイルパーソナル通信(GMPCS)向けに使用される番号帯。
- +882 / +883:VoIPや国境を越えたサービス事業者向けに割り当てられている番号。
これらと比べても、+871はすでに古く、詐欺目的で悪用されるリスクが相対的に高いと言えます。
+871の着信への具体的な対処法
知らない番号からの着信に対しては、次のような対策を講じるのが有効です:
- 絶対に折り返し電話をかけない
- 着信履歴を保存しておく
- 通信キャリアのサポートに相談する
- スマートフォンの迷惑電話対策アプリを活用する
また、同じく詐欺に悪用されやすい番号として知られる+875〜+879にも注意が必要です。
まとめ:+871は原則スルーが最適な対応
+871という番号は、かつて存在した衛星通信サービスのための識別子ですが、現代では使用頻度が極めて低く、ほとんどのケースで詐欺や悪用のリスクがつきまといます。ビジネスチャンスではなく、危険信号である可能性が高いと考え、冷静に対処することが求められます。
今後も国際電話の番号や仕組みに関する理解を深め、詐欺や不正請求から自分と大切な人を守るための知識を身につけておきましょう。
コメント