バーコードは枯渇する?JANコードの番号が足りなくなる可能性と仕組みを解説

社会
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  1. バーコードは枯渇する?JANコードの番号が足りなくなる可能性と仕組みを解説
  2. バーコードは本当に枯渇する?まず結論を確認
    1. 世界中のバーコードが突然使えなくなるわけではない
    2. 問題になりやすいのはJANコードを設定できる自社の番号枠
    3. すでに商品に付いているJANコードが突然無効になるわけではない
  3. そもそもバーコードの何が「枯渇」するのか
    1. JANコードとJANシンボルは分けて考える
    2. GTIN-13は3つの要素で構成される
    3. 現在の新規申請では9桁または10桁のGS1事業者コードが貸与される
  4. JANコードはいくつまで作れる?番号が足りなくなる仕組み
    1. 1つのGS1事業者コードで設定できるアイテム数は一律ではない
    2. 商品名の数より「別の商品として識別する単位」が重要
    3. SKU数は目安になるが「1SKU=必ず1GTIN」とは限らない
  5. バーコードが枯渇すると言われる主な理由
    1. 色・サイズ・味・容量の違いで必要なGTINが増える
    2. 正味内容量を変更した場合は新しいGTINが必要
    3. 期間限定パッケージだから必ず番号を1つ消費するわけではない
    4. 包装の大きさや総重量の変更でも新GTINが必要になる場合がある
  6. JANコードは販売終了後に別の商品へ使い回せる?
    1. 2019年からGTINの再利用はできなくなった
    2. 2018年12月末までに終売した商品のGTINには移行措置がある
    3. 再利用停止の背景にはネット通販と商品データの長期利用がある
    4. 「未使用」と「一度商品へ設定した番号」を分けて管理する
  7. 実際にJANコードは現在枯渇しているのか
    1. 日本全体で新規登録できなくなっている状態ではない
    2. 自社の番号残数不足は現実に起こり得る
  8. 自社のJANコードが足りなくなりそうなときの確認手順
    1. 残数だけでなく半年から1年先の商品計画まで確認する
    2. パッケージ印刷の直前に残数不足へ気づくのを避ける
  9. 商品展開によって必要なJANコード数はどう変わる?
    1. Tシャツ5色×4サイズなら20種類になる
    2. 飲料は味と容量の掛け合わせで増えやすい
    3. 消費者向けセット商品と物流用集合包装を混同しない
  10. JANコードが足りなくなったらどうする?事業者が取れる対応
    1. まず未使用の商品アイテムコードを確認する
    2. 未使用番号が少なければGS1事業者コードの追加登録を検討する
    3. 番号節約のために別商品を無理に同じGTINへまとめない
  11. バーコード番号の無駄な消費を防ぐチェックリスト
  12. バーコード枯渇でよくある勘違い・失敗例
    1. 失敗例1|「終売から4年たったから番号を再利用できる」と考える
    2. 失敗例2|45・49は商品の原産国を示すと思う
    3. 失敗例3|空いていそうな13桁を自分で作る
    4. 失敗例4|企画段階で大量の番号を独自ルールで先取りする
  13. JANコードとQRコードは何が違う?2次元コードで枯渇は解決する?
    1. QRコードに変えてもGTINそのものが不要になるわけではない
    2. 賞味期限やロット番号などを2次元コードで扱える
    3. GS1 Digital Linkでは商品識別とWeb情報を結び付けられる
  14. 2027年でJANコードはなくなる?2次元コード移行の考え方
    1. 2027年はJANコードの一斉廃止日ではない
    2. 世界的な移行も段階的に進む
  15. バーコードが足りるか不安な事業者の判断基準
  16. バーコード枯渇についてよくある質問
    1. バーコードの番号はいつか全部使い切りますか?
    2. JANコードは現在すでに枯渇していますか?
    3. 自社のJANコードが足りなくなったらどうすればいいですか?
    4. 販売終了した商品のJANコードは再利用できますか?
    5. 同じ商品の色違い・サイズ違いにも別のJANコードが必要ですか?
    6. 期間限定パッケージには必ず新しいJANコードが必要ですか?
    7. 3個セット・6個セットには別のJANコードが必要ですか?
    8. QRコードにすればJANコードは不要になりますか?
    9. 2027年にJANコードは廃止されますか?
  17. まとめ|バーコードの「枯渇」は日本全体より自社の番号枠を確認することが重要

バーコードは枯渇する?JANコードの番号が足りなくなる可能性と仕組みを解説

「商品が増え続けたら、いつかバーコードの番号を使い切るのでは?」「JANコードが枯渇したら、新商品を販売できなくなるのでは?」と気になる人もいるでしょう。結論から言うと、2026年8月時点で、日本全体のJANコードが枯渇し、新しい商品にGTINを設定できなくなっている状況ではありません。

GS1 Japanでは現在もGS1事業者コードの新規登録を受け付けています。また、商品アイテム数が増えて、現在のGS1事業者コードで使える商品アイテムコードが少なくなった事業者には、GS1事業者コードを追加登録する手続きも用意されています。

ただし、「自社で使える番号の残りが少なくなる」という意味での番号不足は実際に起こり得ます。特に、色・サイズ展開が多いアパレル、容量や味の違いが多い食品、商品バリエーションを短期間で増やすEC事業者などでは、見た目の商品シリーズ数より多くのGTINが必要になることがあります。

さらに重要なのが、一度商品へ設定したGTINは、終売したからといって別の商品へ自由に使い回せないことです。そのため「終売した商品を削除すれば番号が戻ってくる」と考えていると、実際の残数と社内で把握している残数がずれてしまいます。

バーコードの枯渇が心配な場合は、世の中全体の番号数を考えるよりも、自社のGS1事業者コードは何桁か、何個の商品へ設定済みか、未使用の商品アイテムコードはいくつあるか、今後どれだけ新しいGTINが必要になるかを確認することが先です。

スーパーの商品棚にさまざまな商品が並び、それぞれのパッケージにJANバーコードが表示されている写真

バーコードは本当に枯渇する?まず結論を確認

世界中のバーコードが突然使えなくなるわけではない

「バーコード枯渇」という言葉を見ると、13桁の番号をすべて使い切り、スーパーやコンビニのレジでバーコードを読めなくなるような状況を想像しがちです。しかし、現在確認できる公式情報からは、そのような全面的な停止が迫っているとは読み取れません。

GS1 JapanのGS1事業者コード新規登録案内では現在も新規登録手続きが提供されています。さらに、商品アイテム数が増えてコードが足りなくなった場合の手続きも案内されています。

したがって、「バーコードが枯渇する」という話を見たときは、「日本全体の番号体系が尽きる話なのか」「特定の会社が現在持っている番号枠を使い切る話なのか」を分けて考える必要があります。事業者が現実に直面しやすいのは後者です。

問題になりやすいのはJANコードを設定できる自社の番号枠

GS1 JapanのGTIN(JANコード)の説明によると、GTINは「どの事業者の、どの商品か」を表す国際標準の商品識別コードです。日本ではGTIN-13やGTIN-8がJANコードとも呼ばれ、商品の識別に利用されています。

商品を販売する事業者が13桁の数字を自由に選ぶわけではありません。GS1 Japanから貸与されたGS1事業者コードに、自社で管理する商品アイテムコードを組み合わせ、最後にチェックデジットを付けてGTIN-13を構成します。

そのため、1社が1つのGS1事業者コードで設定できる商品数にも枠があります。この枠が残り少なくなることが、事業者にとって最も現実的な「番号が足りない」という状態です。

すでに商品に付いているJANコードが突然無効になるわけではない

自社の未使用の商品アイテムコードが残り少なくなっても、すでに正しくGTINを設定して販売している商品まで、その理由だけで使えなくなるわけではありません。

たとえば定番商品A、B、CにそれぞれGTINを設定しており、新商品用に使える番号があと10個になったとします。この場合に問題になるのは「11個以上の新しい商品識別が必要になったらどうするか」であり、A、B、CのJANコードがレジで突然無効になるという話ではありません。

そもそもバーコードの何が「枯渇」するのか

JANコードとJANシンボルは分けて考える

普段は商品に印刷された黒い線と13桁の数字をまとめて「JANコード」と呼ぶことがありますが、商品を識別する番号と、その番号を機械で読み取るためのバーコード表示は分けて考えると理解しやすくなります。

GS1 JapanのJANシンボルの説明では、GTIN-13やGTIN-8をPOSなどで自動入力するためのバーコードとしてJANシンボルが案内されています。

つまり「バーコードの黒い線の組み合わせがなくなる」という意味ではなく、商品を一意に識別するGTINを、自社に与えられた番号体系の中で新しく設定できる余裕を考える方が実態に近いでしょう。バーコードリーダーが黒い線と白いすき間をどのように読み取って数字へ変換しているかは、バーコード読み取りの仕組みと黒い線・白いすき間の意味で確認できます。

GTIN-13は3つの要素で構成される

GS1 JapanのGTINの構成によると、13桁のGTIN-13は「GS1事業者コード」「商品アイテムコード」「チェックデジット」の3つで構成されます。

  • GS1事業者コード:GS1 Japanから事業者へ貸与される番号です。
  • 商品アイテムコード:どの商品なのかを表し、事業者がルールに従って設定・管理します。
  • チェックデジット:コードの読み誤りを防ぐため、決められた計算式で求める最後の1桁です。

チェックデジットまで企業が自由に選べるわけではありません。GS1 Japanのチェックデジット計算方法では、GTIN-13の場合は前の12桁から所定の計算によって最後の1桁を算出します。

現在の新規申請では9桁または10桁のGS1事業者コードが貸与される

GS1 JapanのGTIN作成手順では、現在の新規申請について、申告した商品アイテムの利用予定数を基に9桁または10桁のGS1事業者コードが貸与されると案内されています。

一方、既存の事業者には7桁のGS1事業者コードもあります。そのため、インターネット上で「GS1事業者コードは7桁」とだけ説明している古い情報を見ると、現在の新規登録制度と食い違う場合があります。

JANコードはいくつまで作れる?番号が足りなくなる仕組み

1つのGS1事業者コードで設定できるアイテム数は一律ではない

GS1 Japanの「商品アイテム数が増えてコードが足りなくなったとき」の案内では、1つのGS1事業者コードで設定できるGTINについて、次のように説明されています。

GS1事業者コード 商品アイテムコード 設定可能な商品アイテム数
10桁 2桁 100アイテム分
9桁 3桁 1,000アイテム分
7桁 5桁 10万アイテム分

ここが「バーコードの番号は13桁もあるのに、なぜ自社ではもう足りないのか」と疑問を持ちやすいポイントです。13桁すべてが商品番号として自由に使えるわけではなく、それぞれの部分に役割があります。

商品名の数より「別の商品として識別する単位」が重要

商品シリーズが10種類しかなくても、必要なGTINが10個だけとは限りません。たとえば1種類のTシャツでも、白・黒・赤・青・緑の5色があり、それぞれS・M・L・XLの4サイズを販売するなら、5×4で20種類です。

GS1 Japanの「新商品を発売した場合」のGTIN変更基準でも、色・サイズが異なる商品を別々に識別する例が示されています。

「商品シリーズは1つだからGTINも1つ」という考え方ではなく、消費者や取引先から別の商品として認識されるか、受発注などで区別する必要があるかを見るのが基本です。

SKU数は目安になるが「1SKU=必ず1GTIN」とは限らない

在庫管理で使うSKU数は、将来必要になるGTINの数を見積もるときの参考になります。ただし、SKUは企業内部の管理単位であり、GTINは流通で商品を一意に識別する国際標準の識別コードです。

社内の都合で同じ商品を複数SKUに分けている場合なども考えられるため、「SKUが100あるから必ず100個のGTINが必要」と機械的に判断するのではなく、GTIN設定基準と照らして確認します。

商品管理表とJANバーコードラベルを並べて商品ごとのGTIN割り当て状況を確認している写真

バーコードが枯渇すると言われる主な理由

色・サイズ・味・容量の違いで必要なGTINが増える

商品の基本的な要素が異なる場合には、別々のGTINを設定します。GS1 JapanのGTIN設定の基本原則では、サイズ、正味内容量、包装形態、色、味、香り、販売単位などが異なる例が示されています。

たとえば飲料をレモン・桃・ぶどうの3味で、それぞれ350ミリリットルと500ミリリットルの2容量で販売するなら、単純な組み合わせだけでも6種類です。そこへ新しい味、新しい容量、別の販売単位を追加すれば、識別が必要な商品はさらに増えます。

正味内容量を変更した場合は新しいGTINが必要

「中身はほぼ同じ商品だから、500ミリリットルを450ミリリットルに変えても同じJANコードでいい」と考えるのは誤りです。

GS1 Japanの正味内容量変更に関する基準では、商品に表示されている正味内容量を変更した場合、増量・減量を問わず新しいGTINを設定することが案内されています。

このように、商品の入れ替えが多いメーカーでは、商品名がほとんど同じでも新しいGTINが必要になる場面があります。これも商品アイテムコードの消費が想定より早くなる理由の1つです。

期間限定パッケージだから必ず番号を1つ消費するわけではない

反対に、「期間限定パッケージを作るたびに必ず新しいGTINが必要」という理解も正確ではありません。

GS1 Japanの期間限定包装・景品付き商品に関する基準では、イベントやシーズンに合わせて期間限定で包装を変えても、従来品と区別して受発注せず自然に切り替える商品では、単品のGTINを変更しないケースが示されています。

一方、従来品と区別して受発注する期間限定商品なら新商品の基準が関係します。さらに、増量で正味内容量が変われば別の変更基準が適用されます。

つまり「限定品=新GTIN」「パッケージ変更=同じGTIN」と単純に決めるのではなく、何が変わったのか、取引上別の商品として扱うのかを確認する必要があります。

包装の大きさや総重量の変更でも新GTINが必要になる場合がある

中身の量が同じならGTINは変わらないと思いがちですが、包装の変更にも基準があります。GS1 Japanの包装外寸・総重量の変更基準では、包装の縦・横・高さのいずれか、または総重量の変更程度が20%を超える場合、新しいGTINを設定するとされています。

物流センターでの保管方法や店頭陳列などへ影響する可能性があるためです。番号を節約するためだけに変更基準を無視すると、流通側の商品マスタとの不整合につながりかねません。

JANコードは販売終了後に別の商品へ使い回せる?

2019年からGTINの再利用はできなくなった

バーコード枯渇を調べるうえで特に重要なのがGTINの再利用ルールです。GS1 JapanのGTIN再利用停止についてでは、2019年1月にルールが変更され、GTINの再利用ができなくなったと説明されています。

GTINの再利用とは、商品Aへ設定していたGTINを、商品Aの終売後にまったく別の商品Bへ設定することです。

以前は、ヘルスケア商品を除く一般消費財では終売後4年、アパレル・ファッション商品では2年半を目安に、一定条件で再利用できるルールがありました。しかし現在は、その古い待機期間を基準に「4年たったから再利用してよい」と判断することはできません。

2018年12月末までに終売した商品のGTINには移行措置がある

再利用停止には例外的な移行措置もあります。GS1 Japanでは、2018年12月末までに終売した商品のGTINについては、1回に限り再利用が認められていると案内しています。

ただし、現在新たに終売する商品へ一般的に適用されるルールではありません。「昔は再利用できた」という情報と現在のルールを混同しないようにしましょう。

再利用停止の背景にはネット通販と商品データの長期利用がある

GS1 Japanは、ネット通販の拡大によって商品が長期間販売・保持されるようになり、GTIN再利用による商品情報の重複や商品誤認が起こりやすくなったことを、ルール変更の背景として挙げています。

たとえば5年前に終売した商品でも、ECの商品ページ、購入履歴、返品データ、レビュー、企業の商品データベースなどにGTINが残っている可能性があります。同じ番号を別商品へ使えば、古い商品と新商品をデータ上で混同する原因になります。

「未使用」と「一度商品へ設定した番号」を分けて管理する

番号不足になりそうな場合、最初に行うべきなのは終売商品の番号探しではありません。GS1 Japanは、まず商品アイテムコードの使用状況を確認し、未使用の商品アイテムコードがあれば先に利用するよう案内しています。

社内の採番表では、少なくとも次のように状態を分けておくと判断しやすくなります。

  • 未使用:まだ商品へ設定していない商品アイテムコード。
  • 使用中:現在販売中の商品へ設定しているGTIN。
  • 終売済み:商品は終売したが、すでに商品へ設定したGTIN。
  • 確認が必要:発売中止など、再利用可否を自己判断せず確認したいもの。

特殊なケースで判断できない場合は、GS1 JapanのGTINに関する問い合わせ窓口で確認すると確実です。

実際にJANコードは現在枯渇しているのか

日本全体で新規登録できなくなっている状態ではない

2026年8月時点では、GS1 JapanでGS1事業者コードの新規登録手続きが継続されています。未使用の商品アイテムコードが少なくなった既存事業者には、追加登録の仕組みもあります。

そのため、「日本のJANコードが全部使われてしまい、これから事業を始める会社は番号を取得できない」という状態ではありません。

「バーコード 枯渇」で調べた人が自社の新商品について心配しているなら、日本全体の残り番号を探すより、自社が現在持っているGS1事業者コードの商品アイテムコードの使用状況を確認する方が直接的な解決につながります。

自社の番号残数不足は現実に起こり得る

たとえば10桁のGS1事業者コードで100アイテム分を設定できる会社が、すでに85アイテムを使用しているとします。未使用は15アイテム分です。

ここで半年以内に、新色8種類、新サイズ12種類、新しい容量の商品10種類を発売し、すべてに別GTINが必要と判断された場合は合計30種類になります。現在の残り15では足りません。

確認内容 例
設定可能数 100アイテム分
使用済み 85
未使用 15
今後必要になる見込み 30
判断 現在の枠だけでは不足するため追加登録を検討

このような状況こそ、事業者が実際に経験する「JANコードが足りない」に近いケースです。

自社のJANコードが足りなくなりそうなときの確認手順

残数だけでなく半年から1年先の商品計画まで確認する

  1. 1.GS1事業者コードの桁数を確認する:10桁、9桁、既存の7桁コードのどれを利用しているか確認します。
  2. 2.商品アイテムコードの使用状況を一覧化する:現在販売中の商品だけではなく、すでに商品へ設定した終売品も含めます。
  3. 3.本当の未使用番号を数える:過去に商品へ設定した番号を「空き」として数えないようにします。
  4. 4.今後の商品計画を確認する:色、サイズ、容量、味、販売単位など、新GTINが必要になる可能性のある変更を洗い出します。
  5. 5.GTIN変更基準を確認する:単なるパッケージ変更なのか、別GTINが必要な変更なのかを公式基準で判断します。
  6. 6.不足が見込まれるなら早めに追加登録を確認する:GS1 Japanは追加登録手続きに日数を要する場合があるため、余裕を持って手続きするよう案内しています。

パッケージ印刷の直前に残数不足へ気づくのを避ける

現場で困りやすいのは「新商品は完成したのに、パッケージへ印刷するJANコードを決める段階で番号が足りないと分かった」というケースです。

商品企画、商品マスタ登録、パッケージ制作、取引先への商品登録は連動しています。番号の追加登録が必要になれば、印刷スケジュールにも影響する可能性があります。

そのため採番状況は、発売直前ではなく商品企画段階で確認しておく方が安全です。「残り何個か」だけではなく、「いつまでに何個必要になるか」まで確認しましょう。

商品展開によって必要なJANコード数はどう変わる?

Tシャツ5色×4サイズなら20種類になる

アパレルは番号消費をイメージしやすい例です。1種類のTシャツでも、5色×4サイズで20種類になります。

さらに新色を2色追加し、同じ4サイズを展開すれば8種類増え、合計28種類です。ブランドの商品ページでは1商品としてまとめて表示していても、在庫や受発注では色・サイズ別の商品として識別する必要があります。

「商品ページが1ページだからJANコードも1つ」という判断をすると、流通上の識別と合わなくなる可能性があります。

飲料は味と容量の掛け合わせで増えやすい

レモン、桃、ぶどうの3味を350ミリリットルと500ミリリットルで販売すれば6種類です。ここへ1リットルの商品を追加すればさらに3種類増えます。

また、既存500ミリリットル商品を450ミリリットルに変更する場合は、正味内容量変更のGTIN基準が関係します。「同じ商品名だから以前の番号をそのまま使う」と判断しないよう注意してください。

消費者向けセット商品と物流用集合包装を混同しない

セット商品については、「3個セット、6個セットを作れば、その分だけ必ずGTIN-13の商品アイテムコードを使う」とは限りません。

GS1 JapanのGTIN(集合包装用商品コード)の説明では、企業間の取引単位であるケース、ボール、パレットなどの集合包装にはGTIN-14を利用できるとされています。

内容物である単品のGTIN-13のチェックデジットを除いた12桁の先頭に、1~8のインジケータを付け、最後のチェックデジットを計算してGTIN-14を作る方法があります。

一方、外箱のような形でも消費者が購入する単位でPOSレジを通る商品は単品として扱い、内容物とは異なるGTINを設定すると案内されています。

つまり、「箱だからGTIN-14」「セットだから新しいJANコード」と見た目だけで決めず、消費者への販売単位なのか、企業間物流で使う集合包装なのかを確認します。

JANコードが足りなくなったらどうする?事業者が取れる対応

まず未使用の商品アイテムコードを確認する

番号が不足しそうなときに、最初から新しいGS1事業者コードを申し込むとは限りません。GS1 Japanは、まず現在の商品アイテムコードの使用状況を確認し、未使用の商品アイテムコードがあれば先に利用するよう案内しています。

社内の採番表と実際の商品マスタが一致していない場合もあるため、「Excelでは空いている」だけで判断せず、商品へすでに設定していないか確認してください。

未使用番号が少なければGS1事業者コードの追加登録を検討する

未使用の商品アイテムコードが少なくなった場合には、GS1事業者コードの追加登録が可能です。追加登録の手続きには日数を要する場合があるため、GS1 Japanも余裕を持って早めに手続きするよう案内しています。

「残り0になってから申請」ではなく、新商品計画と照らし合わせて不足が見えた段階で確認するのが実務的です。

番号節約のために別商品を無理に同じGTINへまとめない

残り番号が少なくなると、「似た商品なら同じJANコードにしてしまえばいい」と考えたくなるかもしれません。しかし、消費者や取引先から別商品として識別する必要がある商品に同じGTINを付ければ、本来の識別機能が失われます。

たとえば赤いTシャツと青いTシャツを同じGTINにすると、店舗や倉庫でどの色が売れたのか正確に管理できなくなる可能性があります。500ミリリットルと1リットルの商品を同じ番号にすれば、価格や在庫の取り違えにつながりかねません。

バーコード番号の無駄な消費を防ぐチェックリスト

  • 採番台帳を1か所にまとめる:部署ごとに別ファイルで採番すると重複しやすいため、GTIN、商品名、設定日、担当者、状態を一元管理します。
  • 商品アイテムコードを連番で管理する:GS1 Japanも順番に設定する方法を推奨しており、一部の桁を商品分類や部門番号として利用すると、変更時に管理が難しくなるため避けるよう案内しています。
  • 終売した番号を空き番号へ戻さない:終売しても別商品へ再利用できないため、「使用済み・終売」として記録を残します。
  • パッケージ変更だけで新番号を振らない:新GTINが必要になる変更基準に該当するか確認します。
  • SKU数だけで判断しない:社内SKUとGTINは目的が異なるため、商品取引上の識別単位を確認します。
  • 半年から1年先の商品計画を見る:今残っている番号だけでなく、発売予定の商品まで含めて不足時期を予測します。

バーコード枯渇でよくある勘違い・失敗例

失敗例1|「終売から4年たったから番号を再利用できる」と考える

これは古いGTIN運用ルールを現在にも当てはめてしまうケースです。2019年から再利用ルールは変更されています。

過去の記事で「一般消費財は4年待てば再利用できる」と見つけても、現在の商品のGTIN管理にはそのまま使わないようにしてください。

失敗例2|45・49は商品の原産国を示すと思う

日本のJANコードでは45や49から始まる番号をよく見ます。GS1 Japanでは45または49で始まるGS1事業者コードを貸与しています。45・49で分かることと原産国との違いは、バーコードの国番号で日本を示す45・49の意味でも整理しています。

しかし、GS1本部のGS1 Company Prefixの説明では、GS1 Prefixは商品の原産国を示すものではないと説明されています。450~459、490~499はGS1 Japanに割り当てられた範囲ですが、そのGTINを持つ商品が必ず日本で製造されたことを意味しません。

失敗例3|空いていそうな13桁を自分で作る

GTINは世界で商品を一意に識別するための標準なので、事業者がインターネット検索で使われていなさそうな13桁を見つけて自由にJANコードとして利用する仕組みではありません。

番号不足なら、現在の未使用商品アイテムコードを確認し、不足が見込まれる場合は正式な追加登録手続きを確認します。

失敗例4|企画段階で大量の番号を独自ルールで先取りする

「来年使うかもしれない商品」「発売するか未定の商品」について社内ルールだけで大量に番号を確保すると、どこまで正式に商品へ設定したのか分からなくなる可能性があります。

番号を使ったかどうかが不明になること自体が管理上の問題です。採番時には対象商品、日付、担当者、状態を記録し、発売中止など判断が難しいケースでは自己判断で別商品へ使わず確認する方が安全です。

JANコードとQRコードは何が違う?2次元コードで枯渇は解決する?

QRコードに変えてもGTINそのものが不要になるわけではない

「番号が足りないならJANバーコードをやめてQRコードにすればいい」と考えることがありますが、バーコードの種類と商品識別番号は別の話です。JAN、QRコード、ITFなどの用途を先に整理したい場合は、バーコードの種類と見分け方を確認すると違いを把握しやすくなります。

GS1 Japanの2D in Retailでは、POSレジを通す商品について、GTINに加えて賞味期限、ロット番号などの属性情報も表現できるGS1二次元シンボルの活用が進められています。

つまり2次元化は「GTINを使わなくする」のではなく、GTINを商品識別の基盤として使いながら、より多くの情報をコードに持たせる方向です。

賞味期限やロット番号などを2次元コードで扱える

GS1 Japanの2D in Retail標準化情報では、GTIN、賞味期限、ロット番号などの属性情報をGS1アプリケーション識別子を使って表現する方法が案内されています。

これにより、単に商品が何かを識別するだけでなく、期限管理やロット管理などへ利用できる可能性が広がります。

GS1 Digital Linkでは商品識別とWeb情報を結び付けられる

GS1 Digital Linkを利用すると、GTINなどのGS1識別コードをWeb上の商品情報へつなげることができます。消費者向けの商品情報、使用方法、リサイクル情報など、用途に応じたWeb情報へ誘導する仕組みを構築できます。

ここでもGTINそのものが不要になるわけではありません。「枯渇問題をQRコードで回避する」というより、従来の商品識別を生かしたまま情報利用を広げる技術と考える方が分かりやすいでしょう。

商品パッケージに1次元のJANバーコードとQRコードが並び、レジで読み取りを行っている写真

2027年でJANコードはなくなる?2次元コード移行の考え方

2027年はJANコードの一斉廃止日ではない

GS1本部と業界が進めている「Ambition 2027」について、「2027年にJANコードが廃止される」と誤解されることがあります。

GS1 Japanの2D in Retail概要では、2027年末までに小売業のPOSスキャナがEAN/UPCシンボルとGS1二次元シンボルの両方を読み取り、処理できるようになることを目標としています。

同ページでは、EAN/UPCシンボルなどの1次元シンボルがなくなるわけではなく、用途がある限り2次元シンボルと共存すると説明されています。

世界的な移行も段階的に進む

GS1本部のAmbition 2027に関する案内でも、2027年末までに小売POSが既存のリニアバーコードに加えて、GS1標準に対応する一定の2次元コードを読み取り、処理できることを目標としています。

これは「2027年1月1日に全世界で一斉切替」というものではありません。地域や業界によって移行時期は異なり、1次元バーコードと2次元コードを併用する期間があります。

バーコードが足りるか不安な事業者の判断基準

現在の状況 判断 次に行うこと
未使用番号が十分あり、商品追加も少ない すぐ枯渇を心配する必要性は低い 採番状況を定期的に管理する
色・サイズ・容量展開が急増している 将来のGTIN必要数を確認 GTIN設定基準と商品計画を照合する
未使用の商品アイテムコードが残り少ない 追加登録を検討する段階 GS1 Japanの追加登録手続きを確認する
終売番号を新商品へ回そうとしている 原則として再利用しない 未使用番号または追加登録を確認する
期間限定品が多く番号消費が速い 本当に毎回新GTINが必要か確認 期間限定包装などの変更基準を見る
物流箱と消費者向けセットを同じ扱いにしている 取引単位の整理が必要 GTIN-13とGTIN-14の用途を確認する

バーコード枯渇についてよくある質問

バーコードの番号はいつか全部使い切りますか?

GTINには決められた番号体系があるため無限に自由発行できるわけではありません。ただし、2026年8月時点で日本全体のJANコードが枯渇して、新規登録できない状態ではありません。

事業者の場合は、世界全体の番号数より、自社のGS1事業者コード内の未使用商品アイテムコードが足りるかを確認する方が実用的です。

JANコードは現在すでに枯渇していますか?

日本全体で枯渇しているとは言えません。GS1 Japanでは現在もGS1事業者コードの新規登録が行われ、商品アイテムコード不足時の追加登録手続きも案内されています。

一方、個別の事業者では、現在のGS1事業者コードで使える商品アイテムコードを使い切りそうになることがあります。

自社のJANコードが足りなくなったらどうすればいいですか?

まず現在の商品アイテムコードの利用状況を確認します。未使用の商品アイテムコードがあれば先に利用し、少なくなっている場合はGS1事業者コードの追加登録手続きを確認します。

販売終了した商品のGTINを新商品へ回す方法で対応するのではありません。

販売終了した商品のJANコードは再利用できますか?

現在のルールでは基本的にできません。2019年からGTINの再利用が停止されています。

2018年12月末までに終売した商品のGTINには、移行措置として1回に限って再利用できる例外がありますが、現在終売する商品について「数年間待てば再利用できる」という意味ではありません。

同じ商品の色違い・サイズ違いにも別のJANコードが必要ですか?

消費者や取引先から別々の商品として識別する必要がある色・サイズのバリエーションには、それぞれ異なるGTINを設定します。

GS1 Japanでも、色とサイズが異なるTシャツについて、それぞれ異なるGTINを設定する例が示されています。

期間限定パッケージには必ず新しいJANコードが必要ですか?

必ずではありません。従来品と分けて受発注せず、期間限定の包装へ自然切替するだけなら、単品GTINを変更しないケースがあります。

一方、従来品とは別商品として受発注する場合や、増量などで正味内容量が変わる場合には新しいGTINが必要になることがあります。

3個セット・6個セットには別のJANコードが必要ですか?

販売形態によって異なります。消費者へ別商品として販売する商品単位なら、内容物とは異なるGTINが必要になることがあります。

企業間物流で扱うケースなどの集合包装ではGTIN-14を利用できる場合があります。見た目が箱になっているかではなく、消費者向け販売単位か物流上の集合包装かを確認してください。

QRコードにすればJANコードは不要になりますか?

QRコードなどの2次元コードを採用しても、GTINによる商品識別が不要になるとは限りません。GS1標準に対応する2次元コードでは、GTINとともに賞味期限、ロット番号などを扱うことができます。

2次元コードは番号枯渇を回避するためだけの代替物ではなく、GTINを維持しながら利用できる情報量を増やす方向で活用されています。

2027年にJANコードは廃止されますか?

2027年はJANコードの一斉廃止年ではありません。Ambition 2027は、2027年末までに小売POSが従来の1次元バーコードに加え、GS1標準に対応する2次元コードも読み取り・処理できるようにすることを目標とした取り組みです。

GS1 Japanも、1次元シンボルは用途がある限り2次元シンボルと共存すると説明しています。

まとめ|バーコードの「枯渇」は日本全体より自社の番号枠を確認することが重要

「バーコードが枯渇する」と聞いて、世界中のJANコードがまもなく使い切られ、スーパーやECで商品を販売できなくなる状況を想像する必要はありません。2026年8月時点でも、GS1 JapanではGS1事業者コードの新規登録と、番号不足時の追加登録手続きが行われています。

事業者が現実的に確認すべきなのは、自社のGS1事業者コードで設定できる商品アイテムコードの残りです。10桁のGS1事業者コードなら100アイテム分、9桁なら1,000アイテム分、7桁なら10万アイテム分というように、設定できる商品数には違いがあります。

また、1つの商品シリーズでも、色・サイズ・味・容量などを別商品として扱えば複数のGTINが必要になります。一方、期間限定のパッケージ変更などでは、新GTINが不要なケースもあります。「新商品が何種類あるか」だけでなく、GTIN変更基準を確認して必要数を見積もることが大切です。

さらに、一度商品へ設定したGTINは現在のルールでは別商品へ自由に再利用できません。終売番号を「空き」として戻す管理をしている場合は見直した方がよいでしょう。

番号不足が心配になったら、「GS1事業者コードを確認する→使用済み番号を整理する→本当の未使用番号を数える→今後の商品計画を確認する→新GTINが必要か公式基準で判断する→不足するなら追加登録を確認する」という順番で進めると、何をすべきか明確になります。

2次元コードについても、「JANコードが枯渇するから2027年にQRコードへ全部置き換わる」という話ではありません。GS1が進めるAmbition 2027は、従来の1次元バーコードに加えて、より多くの情報を扱える2次元コードもPOSで利用できる環境を広げる取り組みです。

バーコード枯渇という言葉だけで不安になるより、自社で使える番号数、商品ごとのGTIN設定ルール、未使用番号、今後の商品展開を具体的に確認することが、最も現実的な対策になります。

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