発達障害のある人に見られる表情は?発達障害のある人への差別は?結婚できない?

発達障害
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 最近のテレビ番組でも、発達障害のある人を理解しよう
 という内容をよく目にします。
 
 発達障害のある人も、発達障害のない人も共生していく
 社会の構築のためには、まず、お互いに理解し合う努力
 が必要です。
 
 そのためには、周囲の人が発達障害のことを理解しよう
 とすることと、発達障害のある人が発達障害について知
 らせようとすることの両面が必要です。
 
 ここでは、「発達障害のある人に見られる表情」
「発達障害のある人への差別」「発達障害のある人
 は結婚できない?」についてお伝えします。

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発達障害のある人に見られる表情

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 発達障害のある人は、表情によって分かるのでしょうか。
 
 結論から申しますと、表情を見ただけでその人が発達障
 害だという判断をするのは、大変困難だと言えますし、
 間違うと人権侵害にもなりかねません。
 
 ただ、発達障害のある人は、自分の表情を通して感情を
 周囲の人に伝える、表情によるコミュニケーションが得
 意ではないとは言えそうです。
 
 例えば、アスペルガー症候群の人にみられる表情は、独
 特な無表情な場合が多いといわれています。
 顔の造作を動かさず固まったような表情でいることがあ
 ります。
 
 視線は、机の上の一点を凝視したままで瞬きも少なく、
 自分の世界に入り込んでいるように見えます。物思い
 にふけっているようでもあります。
 
 この時、当人は普通にしているつもりなのです。周り
 の人からすると「怒っている」ように見えるため、「
 自分がなにか気に障ることを言ったのではないか」と
 か、「話題がふさわしくないのかな」と気にしたり、
 「自分の話を無視している」「空気が読めない奴だ」
 と気を悪くしたりします。
 
 当人は自分が無表情な状態であることに気づいておら
 ず、決して悪気はないのですが結果的に怖い表情とい
 う印象を与えて敬遠されてしまうことになりかねません。
 当人が自分で楽しいと感じている時にも表情があまり変
 わらず、傍から見ると楽しそうな顔になっていないため、
 表情によるコミュニケーションが成り立たず、周囲の理
 解が得られないという結果になってしまいます。
 
 このように、自分では理由もわからずに敬遠されること
 が重なることによって、自分は「人に認められていない
 のではないか」と自信がなくなり、「自己肯定感」も低
 くなりがちです。

 そして人間関係や集団生活から離れていき、ひいてはう
 つ病などの二次的な病気になる可能性もあるのです。
 
 このような状況を改善するには、周囲の人が発達障害に
 ついて理解すると同時に、当人が自分の表情の特徴につ
 いて知ることが第一歩だと思います。
 
 鏡で自分の表情を見て、口角を挙げてみたりして顔の造
 作をコントロールする練習も有効でしょう。
 
 また、他の人がどんな時にどんな表情をするか観察し、
 知ることもよいと思います。そして、自分もそういう状
 況で試みてみるのです。
 
 また、自分はどのような場面で無表情になるのかを知る
 ことも有効でしょう。そのためには、親しい人に頼んで、
 無表情になっていたら教えてもらい、自分が無表情にな
 る状況のパターンを知ることをお勧めします。
 
 そして、うなづくなどのリアクションを工夫することも
 一案です。

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発達障害のある人への差別

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 内閣府の行った2017年度の「障害者に関する世論調査」
 では、「世の中には障害のある人に対して、障害を理由
 とする差別や偏見があると思いますか。」に対し、「あ
 ると思う」「ある程度あると思う」と答えた人の合計が
 83.9%となっています。障害のある方、ない方問わず、
 障害者差別があると思っている人がこれだけいるのです。
 
 さらに、障害を理由とする差別や偏見が「あると思う」
 と答えた人に「5年前と比べて障害のある人に対する差
 別や偏見は改善されたと思うか」聞いたところ、「かな
 り改善されている」「ある程度改善されている」とする
 人の割合が50.7%、「あまり改善されていない」「ほと
 んど改善されていない」とする人の割合が41.5%となっ
 ており、かなりの改善を感じている人がいる一方、まだ
 改善されていないと感じている人も多いといえます。       
 
 また、障がい者総合研究所が2017年12月に実施した障が
 いと差別・偏見についての調査によれば、「昨年の障害
 者差別解消法の施行(2016年4月1日)以降、あなたに対
 する差別や偏見は改善したと思いますか。」という質問
 には89%の人が、障害者差別解消法の施行以降も差別・
 偏見が「改善していない」と感じているのです。
 
 2005年施行の「発達障害者支援法」では、自閉症、アス
 ペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意
 欠陥・多動性障害などの発達障害のある人に対する援助等
 について定めていますが、まだまだ途上だといえましょう。

 こうした差別や偏見をなくすためには、どうしたらよいの
 か、発達障害のある人を含めて様々な意見が提示されてい
 ますので、紹介します。

 【発達障害のある人とない人との交わりが大切という意見】
  「差別・偏見は子どもの頃の体験に左右されること
   が多い。子どもの頃から、発達障害の人と健常者が
   混ざって同じ生活をすることによって、理屈ではな
   く、体験的にごく自然に、「こんな人・あんな人も
   居る」ということが当たり前のこととして受け入れ
   られると思う。
  障害者が声を上げ、できる範囲で範囲でカミングア
   ウトしていくことが大切だと思う。私達自身が「私達
   という人間もいるんだ!」ということを、社会に発信
   し続けることが鍵になるのだと思っている。世の中に
   は色んな人がいる、と知識だけで知るのと実際の生活
   の中で知るのとでは説得力が違う。

 【教育や法律に言及する意見】
  大人が教えないと、子どもの頃から偏見をもつと思う。
   発達障害の人や身体障害者の事を学校の授業の一環と
   して取り上げて欲しい。その場合、「天才などと言わ
   れるような限られた成功例」や「仕事に就けない可哀
   想な人」という両極端な情報発信ばかりでなく、身近
   な一般企業の中で社会生活を送っている例を紹介して
   ほしい。
  「発達障害者支援法」や「障害者差別解消法」など、
   障害者を守るための法律がきめ細かく実施されるよう
   実施面での充実が必要。これらの法律も、きっと今が
   転換期だと思う。社会が、人々が段々と私達を受け入
   れる方向に変わってきている・変わらざるを得なくな
   ってきていると思う。

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発達障害のある人の結婚

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 アスペルガー症候群の離婚率は80%という情報を基
 にすれば、発達障害のある人の恋愛や結婚には、そ
 の特性をカバーし乗り越えるための努力や工夫が必
 要と思われます。
 
 恋愛・結婚は一人ではできません。必ず相手がいて
 その相手と長期間にわたる関係性を作っていくこと
 が求められます。その際、発達障害の特性が原因で
 辛い状況になることも考えられます。
 
 ここでは、結婚経験のある発達障害のある人たちが、
 どの様な努力や工夫を経てお互いに大切なパートナー
 と幸せな生活を目指しているかをお伝えします。

 【発達障害のある人の恋愛や結婚で大切なこと】
  ①相手に自分の特性をしっかりと伝える
    一緒にいてほしい人・いてくれる人に、自分の
    特性を知っていてもらうことで、相手がこちら
    の短所を受容しやすくなります。
    ポイントは、特性があることを軽く伝えるので
    はなく、相手としっかりと話し合うことです。
    苦手なこと、配慮してほしいこと、自分が努力
    することなど、しっかりと話し合う機会を作り
    ましょう。
    そうすることで、お互いのストレスは大幅に軽減
    されます。
  ②恋愛・結婚におけるルールを知る
    愛・結婚に関しては、様々な暗黙のルールがあ
    ります。が、発達障害のある方は、その暗黙の
    ルールを察知するのが苦手なようです。
    大人になっても「普通はこうする」を理解する
    ことが難しい。ルールを知らないと、相手が「
    なぜそんなことをするのか?」「なぜやってく
    れないのか?」と思うなど、お互いのイライラ
    に繋がります。
    「恋愛 ルール」「結婚 ルール」と検索すると、
    多くの情報が出てくるし、本も出版されています。
    文字化された情報で、ルールを明確に理解してお
    きましょう。    
  ③相手を思いやる
    発達障害のある方のパートナーは、何も言わなく
    ても色々な苦労があるのではないかと思います。
    私自身、妻との恋愛・結婚の過程で様々な苦労を
    かけてきた。
    そして、今も妻に苦労をさせています。
    苦労しても一緒にいてくれる相手に対し、思いや
    りはとても大切です。
    ただ、この思いやりが曲者で、一緒にいるとつい
    つい忘れてしまう。
    意識的に相手を思いやること。これはとても大切
    だと思います。

 【発達障害で離婚と再婚を経験した人が、元妻に言われたことをもとに再婚生活で改善していること】
  ①会話中、上の空にならないために 
    恋愛の先生、ジョングレイの「ベストパートナー
    になるために」「ベストフレンドベストカップル」
    を読んで、異性の気持ちを理解するように努めて
    います。
  ②財布や携帯、傘をなくさないために
    離れたらアラームが鳴る「探し物発見器」で忘れ物
    やなくし物を防いでいます。
  ③思い付きで行動しないために
    休みの日に何をするかは二人で決めるようにしてい
    ます。
  ④部屋を散らかさないために
    自動掃除機ルンバを導入して、とりあえず床はきれい
    にしています。物を少なくする努力中です。
  ⑤相手を傷つける発言をしないために
    気を付けてはいるが、自信はないかも・・。
  ⑥光や音への過敏に対して
    寝室はわけて寝るようにした。
  ⑦ストレスをためないために
    お互いに「不満はない?」と聞くほうがいい。
    そしてその都度不満を解消する努力を惜しまない。

 「結婚は諦めた」という発達障害の人の声を聴く
 ことがあります。
 
 しかし、発達障害で悩んでいる人も、相手に負担
 をかけることばかりを恐れずに、自分の成長を信
 じて、愛情を信じて前向きになって欲しいと思い
 ます。
 
 もし発達障害によって、何かしらの不利を感じる
 なら、他の面で自分を磨いて、異性に好かれる努
 力は必要かもしれません。
 それは誰にも当てはまることです。完璧な人間など
 いないからです。
 
 そして、自分は発達障害だからとマイナーに思って
 いる人よりも、自分はいろいろと人と違う特徴があ
 るけれど、他にこんな良さをもっている・こんなこ
 とで相手を喜ばせられるという自信をもっている人
 の方が断然魅力的ですね。

 なお、発達障害の方で、うまく社会に適応している
 人のお話を聞くと、やはり投薬治療がうまくいって
 いるケースが多いそうです。

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まとめ

 medical_gengochoukakushi
 アスペルガーの人の中には、本能的に相手に共感
 することが絶対に不可能に思え、相手の気持ちを
 尊重することを諦めてしまっていることもあると
 聞きます。
 
 このように人の気持ちがわからないと思う人はむ
 りに理解する必要はありません。
 
 ただ、「自分にはこの人の気持ちが理解できない
 けれど、この人にとってはとても大切な気持ちな
 のだ」と他人を尊重する努力を惜しんではならな
 いと思います。

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