モンステラは、熱帯アメリカ原産のジャングル育ちなので、耐陰性(日光不足に強い性質)に優れており、水切れと多湿にも強く、室内で育てやすい観葉植物です。
増やす場合にも、今育てているモンステラが生長して葉や茎のバランスが悪くなり、形を整える際に剪定して切り取った茎を活用すればよいのです。
育てているモンステラのメンテナンスと一緒に、もう1株増やせるなんて一石二鳥ではありませんか。
挿し木、水挿し、茎伏せ、株分け、の方法をお伝えします。ぜひ挑戦してみてください。
モンステラの増やし方、挿し木、水挿しはどうする?
【挿し木】切り取った茎を土に植え込む方法です。新しい気根が付いている場合は挿し木がお勧めです。
時期:モンステラの挿し木は、6~7月頃の気温が20~25℃で湿度が高めになる時
期が適期です。ちょうど生長期に当たり親株が最も元気で新芽が出てくる
活発な頃です。挿し木も発根しやすく、枝や茎を切られた親株の回復も早
いためベストなタイミングです。
準備:カビ防止のため清潔な道具や土を使います。剪定バサミやナイフは切り口
をつぶさないために、よく切れるものを選びます。
また、切り口から菌に感染しないように熱消毒などをした清潔なものを使
用します。古い土は根からの栄養吸収が悪いので、新しい挿し木用土か観
葉植物用の土を用意します。
観葉植物の土3:鹿沼土1:赤玉土1を混ぜたものなどがよいようです。
剪定:挿し木用の茎は、葉が2~3枚ついていて気根(地上部の茎から生える根)
が生えているものや節のあるものを選びます。
ポイントは、成長点の位置を確認することです。モンステラの茎にあるコ
ブのような節を成長点と呼び、ここから新しい茎や根が生えてきます。
茎の節と節の間で切ります。節の部分から根が出ますので大切に。
土に張っていない気根は切らずに残しておきます。残しておいた方が新芽
が出やすいのです。気根が土に張っている場合は切ってしまいます。
切り取った茎の下の方(土に埋める部分)についている邪魔な葉があれば切
り落とします。
また、切り取った茎の上の方にある葉が大きすぎる場合は、水の蒸散(葉か
ら水分が蒸発すること)を防ぐために葉を半分に切ります。
挿し木:次の手順で挿し木をします。
①少し大きめの鉢を用意し、鉢底石を敷きます。通気性をよくするために
必ず入れます。
②鉢の半分程度まで土を入れます。
③切り取ったモンステラを土に挿します。
下から1~2節分を土に挿して固定します。気根がついている時は、気根
が埋まるように植えます。
土に埋めた気根は、普通の根になるようです。気根が長すぎたり邪魔に
なるところは切って大丈夫です。
土にそのまま挿し木をしてもいいのですが、少し湿度が低いときは、土
に埋める部分に水苔を巻いて挿し木をするといいようです。
④土だけで倒れてしまう場合は、支柱も立てて優しく固定します。
⑤最後に水をたっぷり与えれば完成です。
根がしっかりと出て、新芽が出てくるまでは土が乾かないように注意し
てください。
注意:土に挿し木をして増やしたばかりの株は、水やりを控え目にして育てま
す。乾きすぎはだめですが、湿度が高い時期なので土が湿りすぎないよう
に気をつけます。
肥料は1か月くらいは与えません。
置き場所は、直射日光が当たらない明るい日陰にします。きちんと育って
きたら、普通のモンステラの育て方で元気に育ててください。
なお、モンステラの葉・茎から出る汁にはシュウ酸カルシウムという毒が
あります。皮膚のかぶれや粘膜の炎症を起こすことがあるので、手袋をつ
けるなどして気を付けてください。ペットにも舐めさせないように注意し
ましょう。
【水挿し】水挿しは、水に挿した後に土に植え替える手間がありますが、水中な
ので根が出たかどうかを直接目で確認できたり、乾燥で弱らせるこ
とがなく、初心者におすすめの方法です。
時期:「挿し木」と同様、6~7月頃の気温が20~25℃で湿度が高めになる時期が
適期です。
ただ、湿度が高いときなどに、水に浸かっている茎が変色して腐ったり
することもあります。
準備や剪定:基本的に【挿し木】の場合と同じです。【挿し木】欄を参照して
ください。
水挿し:モンステラの茎を2〜3節ほどの長さで切り取り、気根も浸かるようにコ
ップなどに入れた水に挿しておきます。ただの水かメネデール液などを
入れた水に挿します。
水挿しのポイントは、根が出てくるまで水を腐らせないことです。綺麗
な水を保つために、毎日水を入れ替えることを忘れないようにしましょ
う。
植え替え:水挿しに成功すれば1ヶ月前後で根が出てきます。根が確認出来た
ら、気温・湿度が高い6月~8月の時期に土に植え替えます。
水挿しで育てたモンステラは、乾燥に弱いので、土に植えたばかりの頃
は、乾燥しないように適度に水やりをして育てます。
モンステラの増やし方、茎伏せ
【茎伏せ】茎伏せとは、土や水苔に、切り取った茎を平に寝かせて発根させる方法です。
時期:「茎伏せ」は、5月~6月頃が適期です。気温が15~25℃程度の時に行うと
よいとされています。
剪定:基本的に【挿し木】の場合と同じです。【挿し木】欄を参照してくださ
い。
茎伏せⅠ:土を使った茎伏せは次の手順で行います。
①鉢底に鉢底石を敷きます。通気性をよくするために必ず入れ
ます。
②挿し木で使った土と同じものを鉢の7分目くらいまで入れます。
③茎を横に寝かせて平置きにし、茎の下半分が埋まるように土を入れま
す。切り取った葉の切り口が上になるようにしてください。
④新芽が出てくるまで土を乾燥させないように水を与えます。6か月後こ
ろ、新芽は節の部分から出てきます。
茎伏せⅡ:土の代わりに、ミズゴケに茎伏せを行うこともできます。手順は土の
場合と全く同じで、水で戻した乾燥水苔を茎の下半分が埋まるように入
れてゆきます。
水苔が乾燥しないように注意してください。
モンステラの増やし方、株分け
【株分け】年々大きくなったモンステラの鉢の中は、根が詰まって水はけが悪く
なり、生育不良になります。
こうした場合に株分けを行うと、増やすと同時に、元気にすることが
できます。
根がついている状態の株分けは、初心者も安心してできます。
時期:株分けは、5月~7月頃が適期です。
準備:新しい観葉植物用の土。鉢底石。洗面器かタライ。
株分け:株分けは、次の手順で行います。
①株分けするモンステラの元株を鉢から引き抜き、用意しておいた洗面器
かタライの中に入れて作業します。
②古い土をふるい落としながら、根を傷つけないように注意して丁寧にほ
ぐし、まずは2つの株に分けます。
③根が詰まって、手で分割できないときは、ハサミやナイフで切り分けま
す。
④さらに分けたいときには、それぞれ2つの株に分けられますが、回復が
遅くなるので、1つの株からは4分割までがよさそうです。
⑤分けた株の根が伸びすぎているようなら、3分の1くらい切り落としま
す。
⑥分割した株を新しい鉢に植え付けます。
2つに分けた株なら元株と同じ大きさの鉢で、4つに分けた株なら元株よ
り一回り小さい鉢に植えます。
鉢に底石を敷いて、観葉植物用の土を鉢の半分ほど入れ、真ん中に株を
置いて高さをみます。
位置を決めて、周りから土を少しずつ入れて株を固定します。なじませ
るように土を増やしたら、上から軽く抑えて整えます。
植え終わったら、たっぷりの水を与えます。鉢皿に水をためたままにし
ないよう注意します。
⑦植え替え後2~3週間は、風通しの良い日陰に置いて管理します。鉢土の
表面が乾いたら、鉢底に水が出るまでたっぷり与えます。この時も鉢皿
に水をためたままにしないようにしましょう。
まとめ
モンステラの増やし方のうち、挿し木、水挿し、茎伏せ、株分け、の方法をお伝えしました。
ぜひモンステラを増やしていろいろな場所に飾ってみませんか。ご自分で増やした株の緑には、さらに一層の愛着がわくことでしょう。
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