【バーコードの国コード「8」】意味と見分け方をやさしく解説
スーパーやドラッグストアで商品を手に取ると、ほぼ必ずバーコードが印字されています。そのバーコードの先頭にある数字には、実は「国番号(国コード)」と呼ばれるルールがあり、どの国で登録された企業の商品かをおおまかに知ることができます。
なかでも「8」で始まるバーコードを見かけることがありますが、これはヨーロッパ諸国を中心に割り当てられているコードです。
ただし、これは“製造国”を示すものではなく、“企業が登録している国”を表している点に注意が必要です。

バーコードの「国番号(国コード)」とは?
バーコードの国番号とは、国際標準機関「GS1」によって各国に割り当てられた3桁の数字のことです。
日本では「45」や「49」が付いており、これが「JANコード」として知られています。
一方、バーコードが「8」で始まる場合、それはヨーロッパの複数国(例えばイタリア、フィンランド、スペインなど)が加盟するエリアで登録された企業を示しています。
つまり「8」で始まる=ヨーロッパの企業が登録している、という意味になります。
国番号は製造国ではなく登録国を示す
バーコードの数字を見て「この商品はヨーロッパ製」と考える人も多いですが、それは誤解です。
国番号は「製造された国」ではなく、「企業がバーコードを登録した国」を示します。
たとえば日本企業がフランスのGS1機関に登録すれば、バーコードの頭は「8」から始まることになります。
国コード「8」で始まるバーコードの範囲と意味
「8」で始まるバーコードの範囲は、正確には「80〜89」に割り当てられています。
この範囲はヨーロッパのさまざまな国に分配されており、以下のように代表的な国が登録しています。
- 80〜83:イタリア
- 84:スペイン
- 85:スイス
- 86:セルビア
- 87:オランダ
- 88:フィンランド
- 89:スロベニア
このように「8」はヨーロッパ各国の登録コードをまとめたブロックになっています。
日本の「45」「49」と同様に、GS1加盟国ごとに範囲が割り当てられ、企業がバーコードを発行できる仕組みです。
バーコードの見方と「8」で始まる商品の判別方法
バーコード(EANコード)は通常13桁で構成されています。
そのうち最初の3桁が「国コード」、次の数桁が「メーカーコード」、続いて「商品コード」、最後の1桁が「チェックデジット(検算用)」です。
つまり冒頭の数字を確認すれば、その企業がどの国の登録事業者なのかがわかります。
バーコードの確認手順
- 商品の裏面または底面に印刷されたバーコードを確認。
- 先頭3桁が「8」で始まっているかを見る。
- 「80〜89」ならヨーロッパ圏の登録企業と判断。
また、輸入食品や海外ブランド製品では「8」で始まるケースが多く、製造国が中国や日本であっても、バーコード登録はヨーロッパという場合もあります。

「8」で始まるバーコード商品の注意点
バーコードの「8」=ヨーロッパで登録された商品ということですが、製造場所とは一致しません。
たとえば、アジアで製造されヨーロッパの企業が輸入・販売している商品も「8」で始まります。
逆に、日本企業が海外でバーコード登録を行っていれば、「45」「49」ではなく「8」から始まる場合もあります。
- OEM製品の例:日本企業が中国で生産し、ヨーロッパ企業が販売登録 → バーコードは「8」始まり。
- 輸入代理店製品:海外ブランドを日本企業が輸入して販売 → バーコードは「8」だが製造は別国。
したがって、「8」は製造国の証明ではなく、あくまで登録の目安と考えるのが正解です。
バーコードの国コード一覧と豆知識
バーコードの国コード(GS1プレフィックス)は、世界中で統一管理されています。以下は一部の代表的な国番号です。
| 国番号 | 国名・地域 |
|---|---|
| 45・49 | 日本(JANコード) |
| 80〜89 | ヨーロッパ諸国(イタリア・スペイン・スイスなど) |
| 30〜37 | フランス |
| 40〜44 | ドイツ |
| 50 | イギリス |
| 690〜699 | 中国 |
| 890 | インド |
このように、バーコードの最初の数字を知っておくと、どの国の企業が登録しているかを一目で把握できます。
より詳しく調べたい場合は、GS1の公式サイトでプレフィックス検索を行うと正確な情報が得られます。
まとめ|「8」で始まるバーコードを正しく理解しよう
バーコードの「国番号8」は、ヨーロッパを中心に複数国で利用されている登録コードです。
これは製造地ではなく、あくまで登録国を示す識別番号であり、商品流通の仕組みを知る手がかりになります。
輸入品や海外ブランドを選ぶ際に「8」で始まるコードを見つけたら、「この企業はヨーロッパで登録しているんだな」と理解しておくと良いでしょう。
バーコードの仕組みを知ることは、国際的な商品の流通経路を理解する第一歩になります。

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